初めてのデート
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4.
「…綺麗…」
ぽそりと溢れたその言葉に反応するかのようにまだ繋がれたままだった手に力が入ったような気がした。顔を動かして横を向きたいけどそうしてしまうと周りの人にも見られてしまう。気付かないフリをしてそのまま天井を見上げたが右手に緊張が走る。チラリと視線だけで彼を見ると何食わぬ顔で天井を見上げている。また自分も視線を戻して集中しようとしたけどそれは叶わなかった。
だって彼の手が動きゆっくりと指をほぐされ絡め取られるとまた恋人繋ぎをされてしまう。薄暗い中なので手元は周りには見えないだろう。けど、確かにそこは指を絡められぎゅっと握られた。
「…ッ!」
それだけ、それだけなのになんでこんなに鼓動が速くうるさいのか。右手に神経が集中したようにちょっと触れただけで声が漏れそうになる。
それを知ってか知らずか定かではないが指先で何度も撫でられる。
「…ふっ、」
もう耐えられず目を閉じてその小さな甘い刺激に耐えた。そこからはもう星を見るどころではなく、体に熱がこもり始め自分の今の状況が恥ずかしくなる。顔を少しだけ彼とは反対側にズラして目を開けたら隣にいるカップルがなんとキスをしているではないか。なんとも大胆なのはいいがこっちまで恥ずかしくなり思わず彼のいる方を向いてしまった。
ほくそ笑んでいる彼とぱちッと視線が交わる。
"僕たちもしますか?"
小声で言われたが思いっきり首を振った。そんなのこんな公然の場でできる訳がない。無理無理、と全拒否だ。
"残念"
彼の顔は残念そうにしているが逃がさないと言わんばかりにその瞳の奥にある雄の部分を感じ、心臓がはち切れそうに痛い。
ーー今日の零さんはまた甘い気がする
出かけた時からそうだけど外なのに手を繋いできたり隙あらばキスしてくるしで頭がどうにかなりそうだ。そんな事を考えていたらいつのまにかプラネタリウムは終わってしまい自分の気持ちを落ち着かせようとボーッと明るくなった天井を見上げていたら急に目の前が暗くなった。唇には柔らかい感触がして彼にキスされたのだと慌てて胸を押すが更に力強く唇を奪われた。
「…れい、さんッ…」
唇が離れて思わず彼の本名を言ってしまったが彼は気にする様子もなくクスリと妖艶に笑っていた。
「おあずけされたので」
こんな人がいるところで、と思って慌てて起き上がるとみんなは出口に向かって歩いておりこちらには背を向けているので誰も気付いていないようだった。
「さ、帰ろう」
コクリと赤くなっているであろう顔を頷かせると彼のエスコートで建物を出て車に乗り込んだ。外は夕陽も沈み夜が始まろうとしている。このままマンションに帰るそうで安心したような寂しいような複雑な心境のまま助手席から見える外の景色を見ていた。
マンションに着くとまた彼と手を繋いで各々の部屋がある階までエレベーターで向かう。そこでさよならだと思ったら彼から夕食のお誘いを受ける。もちろん断る理由なんてないので即答して彼の部屋に入ろうとしたが彼に止められた。
「準備があるので少しだけ時間がほしい」
お昼時と言葉遣いが変わったような気がしたが細かいことは気にせず了承すると一旦自分の部屋に入った。お風呂も済ませてきて構わないということだったのでサッパリしようとシャワーを浴びる。
ーー今日はドキドキしっぱなしで疲れた…
だが、もっと心臓が張り裂けそうな思いをするとはこの時は知る由もなかった。
「…綺麗…」
ぽそりと溢れたその言葉に反応するかのようにまだ繋がれたままだった手に力が入ったような気がした。顔を動かして横を向きたいけどそうしてしまうと周りの人にも見られてしまう。気付かないフリをしてそのまま天井を見上げたが右手に緊張が走る。チラリと視線だけで彼を見ると何食わぬ顔で天井を見上げている。また自分も視線を戻して集中しようとしたけどそれは叶わなかった。
だって彼の手が動きゆっくりと指をほぐされ絡め取られるとまた恋人繋ぎをされてしまう。薄暗い中なので手元は周りには見えないだろう。けど、確かにそこは指を絡められぎゅっと握られた。
「…ッ!」
それだけ、それだけなのになんでこんなに鼓動が速くうるさいのか。右手に神経が集中したようにちょっと触れただけで声が漏れそうになる。
それを知ってか知らずか定かではないが指先で何度も撫でられる。
「…ふっ、」
もう耐えられず目を閉じてその小さな甘い刺激に耐えた。そこからはもう星を見るどころではなく、体に熱がこもり始め自分の今の状況が恥ずかしくなる。顔を少しだけ彼とは反対側にズラして目を開けたら隣にいるカップルがなんとキスをしているではないか。なんとも大胆なのはいいがこっちまで恥ずかしくなり思わず彼のいる方を向いてしまった。
ほくそ笑んでいる彼とぱちッと視線が交わる。
"僕たちもしますか?"
小声で言われたが思いっきり首を振った。そんなのこんな公然の場でできる訳がない。無理無理、と全拒否だ。
"残念"
彼の顔は残念そうにしているが逃がさないと言わんばかりにその瞳の奥にある雄の部分を感じ、心臓がはち切れそうに痛い。
ーー今日の零さんはまた甘い気がする
出かけた時からそうだけど外なのに手を繋いできたり隙あらばキスしてくるしで頭がどうにかなりそうだ。そんな事を考えていたらいつのまにかプラネタリウムは終わってしまい自分の気持ちを落ち着かせようとボーッと明るくなった天井を見上げていたら急に目の前が暗くなった。唇には柔らかい感触がして彼にキスされたのだと慌てて胸を押すが更に力強く唇を奪われた。
「…れい、さんッ…」
唇が離れて思わず彼の本名を言ってしまったが彼は気にする様子もなくクスリと妖艶に笑っていた。
「おあずけされたので」
こんな人がいるところで、と思って慌てて起き上がるとみんなは出口に向かって歩いておりこちらには背を向けているので誰も気付いていないようだった。
「さ、帰ろう」
コクリと赤くなっているであろう顔を頷かせると彼のエスコートで建物を出て車に乗り込んだ。外は夕陽も沈み夜が始まろうとしている。このままマンションに帰るそうで安心したような寂しいような複雑な心境のまま助手席から見える外の景色を見ていた。
マンションに着くとまた彼と手を繋いで各々の部屋がある階までエレベーターで向かう。そこでさよならだと思ったら彼から夕食のお誘いを受ける。もちろん断る理由なんてないので即答して彼の部屋に入ろうとしたが彼に止められた。
「準備があるので少しだけ時間がほしい」
お昼時と言葉遣いが変わったような気がしたが細かいことは気にせず了承すると一旦自分の部屋に入った。お風呂も済ませてきて構わないということだったのでサッパリしようとシャワーを浴びる。
ーー今日はドキドキしっぱなしで疲れた…
だが、もっと心臓が張り裂けそうな思いをするとはこの時は知る由もなかった。