初めてのデート
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3.
零side
マンションから出てすぐにコンビニへ寄る。
「僕とした事がこれから向かう目的地の場所をナビするのを忘れてしまいました。準備するのでコンビニでコーヒーを買ってきてくれませんか?」
カップのもので大丈夫です、とお金も渡す。
「ハルさんも何か買ってきていいですよ」
わかった、と返事をして車から降りる彼女を見てクスリと笑う。場所をナビし忘れる訳なんてない。全部頭の中に入っておりなんなら下見までしてきたのだ。一応ナビをセットし車から降りると助手席の方へ歩く。車にもたれるようにして待っていると彼女が両手に飲み物を持って出てきた。
「ナビ大丈夫だった?」
「えぇ。おかげさまで」
助手席のドアを開けると、ありがとう、と笑う彼女。ドアを閉める前に飲み物の置き場所を教えようかと思ったが自分でやることにした。彼女の手からコーヒーを取りすかさず彼女の唇を奪う。隙あらばキスでもなんでもするつもりだ。顔が離れると赤くした彼女がいて連れて帰りたくなったがまだデートは始まったばかり。
「零さん…」
「なんでしょう?」
「ううん、なんでもない」
「そうですか。では再度出発しますよ」
車に乗り込んだ後、彼女に話しかけられ言いたいことはなんとなく想像できる。なんと言われようが辞めないつもりだ。今日はなんと言っても彼女とのデートなのだから。
しばらく進むと彼女から昨日の手紙について聞かれた。
「予定が入ってなかったからいいものを…」
もし私に予定が入っていたらどうしたの?、と。
「もともと僕との予定が入っていたでしょう?」
そう。彼女とは夕食を一緒に食べる約束をしていた。夕方早めと曖昧な時間を伝えていたため予定を入れないと踏んでのことだ。彼女なら入れないはず。読み通り彼女は予定を入れておらずこうしてデートが可能になった。
「でも急でしたね。すみませんでした」
「…ううん。誘ってくれてありがとう」
ふわりと笑う彼女が眩しくて少し目を細めた。
「これからどこに行くの?」
「それは着いてからのお楽しみですよ」
「教えてくれてもいいじゃないですか」
「驚かせたいですから」
彼女はどこに行くのか気になる様子で時折尋ねてくる。これから向かう場所はきっと喜んでくれるはず。
ーーーー
「着きましたよ」
「ここって…」
「行けば分かります」
結局車の中では何処に行くのか教えてくれなかった彼。彼のエスコートで車から降りると手は繋がれたまま彼と共に歩く。建物が見え目の前にすると顔を輝かせた。
「れ、透さんっ!ここは…!」
「えぇ。そうです。前に行きたがっていたでしょう?」
「それはそうですけど…でも随分前に話したことですよ?」
そう。それは数ヶ月前に新しく出来た水族館で行ってみたいとその頃に話したのだがそれだけだったので自分でも先程まで忘れていたのだ。
「僕が忘れるはずがないでしょう」
行きましょう、と手を引っ張り並んで歩く。まさか覚えててくれてたなんて思ってもおらず嬉しくなる。
「今日は全部僕に任せて下さい」
受付ででも、と渋ったが「これはお礼ですから」と彼も譲らない。結局、彼が入館料を支払ってくれお礼を言って中に入る。すぐにイルカのショーが始まるというので急いで向かった。彼と並んで座ってイルカのショーを観る。久し振りにイルカのショーなんて観てテンションも自ずと上がって始終興奮しまくりだ。ショーが終わった後は館内をグルリと観て回る。大きな水槽にはたくさんの魚がいて鯛を見て「美味しそう」と呟いたのが聞こえたのか彼に笑われてしまう。
「食い意地張ってるハルも可愛いですね」
なんて言われて怒ろうとした気分が萎んでしまい逆に照れて顔が見れなくなってしまった。
「さぁ、もう少しで出口です」
こっちですよ、手を掴まれ繋ぐとゆっくり歩き出す。出口に近い場所に暗くなってる場所があり、なんだろう、と彼と顔を見合わせて進むとそこには水槽に入れられたクラゲ達が淡い光でライトアップされていた。
「わぁ!綺麗!」
その光もずっとではないようで光ってない時もあったがそれもそれで綺麗だった。ふわふわと漂うクラゲを眺めていると自分の気持ちも落ち着いていくようだった。チラリと彼を見ると彼は水槽に目を向け小さく笑っていたがこちらの視線に気付いたのか目が合う。彼は優しい瞳をしていて何故か恥ずかしくなり視線を逸らしてしまった。
すると、繋いでる手が動きスルリと恋人繋ぎに変わる。
「この方がしっくりきます」
驚いて彼の方を向いたら微笑んだまま話す彼。しっくりくるも何もこっちとしては心臓がうるさくて敵わない。恋人繋ぎをしたまま残りの水槽を観て出口に向かう。
「水族館なんて久し振りでしたけど凄く良かったです!」
「僕も楽しかったですよ。では次の場所に向かいましょうか」
「次、ですか?」
「そう。もう一つ行きたいところがあるんです」
また彼の愛車である白いRX-7に乗って次の目的地へと向かった。そこは来たことのないショッピングモールだった。買い物でもするのかな?と思っていたが彼の後について来た場所は『天空の誘いへようこそ』と書かれていた。
「透さん、ここは?」
「ここはこのショッピングモールに併設されているプラネタリウムですよ」
他にも映画館もあります、と補足情報を足してくれたがプラネタリウムがあるなんて聞いたことがなく驚いた。しかも自分が住んでる場所からさほど遠くないという。
ーー零さんは知ってたのかな
それは愚問か、だって彼は探偵をしているからきっと知ってたんだろうと考えた。このプラネタリウムの料金も払ってくれたが聞こえてきた金額が何故か思ってたよりも高くて申し訳ない気持ちになった。そしてその料金が割高なのにも中へ入って分かった。
中は明るいもののほんのり薄暗くこけないように注意しながら席へと移動する。その間も彼は手を取ってエスコートしてくれるわけで紳士な彼に頬を染めっぱなしだ。階段を降りると一番下にはゆったりできるベンチシートにクッションがありくつげるようになっている。もうすぐ始まるというので彼がそこに腰掛け
手を差し出された。その手を取ると彼は優しい笑みを浮かべておりそれがまた絵になってるものだから本当に恥ずかしくなる。
「始まりますよ」
重ねたその手を握って引っ張られるようにしてクッションに登り彼の隣に座る。そしてそれに身を預けるようにゴロンと仰向けになった。横を向くと他にもお客さんがいるようで同じようなクッションにカップルが何組かいるのが見える。
空間が暗くなり始まりを告げるプラネタリウム。星が映し出されると夢中になって星空を見上げた。季節は冬なので冬の夜空や星座、銀河についての内容だった。プラネタリウムなんて小学生のとき以来だったが円球の部分に映し出されるそれは綺麗で本当の星空がそこにはあるようだった。
零side
マンションから出てすぐにコンビニへ寄る。
「僕とした事がこれから向かう目的地の場所をナビするのを忘れてしまいました。準備するのでコンビニでコーヒーを買ってきてくれませんか?」
カップのもので大丈夫です、とお金も渡す。
「ハルさんも何か買ってきていいですよ」
わかった、と返事をして車から降りる彼女を見てクスリと笑う。場所をナビし忘れる訳なんてない。全部頭の中に入っておりなんなら下見までしてきたのだ。一応ナビをセットし車から降りると助手席の方へ歩く。車にもたれるようにして待っていると彼女が両手に飲み物を持って出てきた。
「ナビ大丈夫だった?」
「えぇ。おかげさまで」
助手席のドアを開けると、ありがとう、と笑う彼女。ドアを閉める前に飲み物の置き場所を教えようかと思ったが自分でやることにした。彼女の手からコーヒーを取りすかさず彼女の唇を奪う。隙あらばキスでもなんでもするつもりだ。顔が離れると赤くした彼女がいて連れて帰りたくなったがまだデートは始まったばかり。
「零さん…」
「なんでしょう?」
「ううん、なんでもない」
「そうですか。では再度出発しますよ」
車に乗り込んだ後、彼女に話しかけられ言いたいことはなんとなく想像できる。なんと言われようが辞めないつもりだ。今日はなんと言っても彼女とのデートなのだから。
しばらく進むと彼女から昨日の手紙について聞かれた。
「予定が入ってなかったからいいものを…」
もし私に予定が入っていたらどうしたの?、と。
「もともと僕との予定が入っていたでしょう?」
そう。彼女とは夕食を一緒に食べる約束をしていた。夕方早めと曖昧な時間を伝えていたため予定を入れないと踏んでのことだ。彼女なら入れないはず。読み通り彼女は予定を入れておらずこうしてデートが可能になった。
「でも急でしたね。すみませんでした」
「…ううん。誘ってくれてありがとう」
ふわりと笑う彼女が眩しくて少し目を細めた。
「これからどこに行くの?」
「それは着いてからのお楽しみですよ」
「教えてくれてもいいじゃないですか」
「驚かせたいですから」
彼女はどこに行くのか気になる様子で時折尋ねてくる。これから向かう場所はきっと喜んでくれるはず。
ーーーー
「着きましたよ」
「ここって…」
「行けば分かります」
結局車の中では何処に行くのか教えてくれなかった彼。彼のエスコートで車から降りると手は繋がれたまま彼と共に歩く。建物が見え目の前にすると顔を輝かせた。
「れ、透さんっ!ここは…!」
「えぇ。そうです。前に行きたがっていたでしょう?」
「それはそうですけど…でも随分前に話したことですよ?」
そう。それは数ヶ月前に新しく出来た水族館で行ってみたいとその頃に話したのだがそれだけだったので自分でも先程まで忘れていたのだ。
「僕が忘れるはずがないでしょう」
行きましょう、と手を引っ張り並んで歩く。まさか覚えててくれてたなんて思ってもおらず嬉しくなる。
「今日は全部僕に任せて下さい」
受付ででも、と渋ったが「これはお礼ですから」と彼も譲らない。結局、彼が入館料を支払ってくれお礼を言って中に入る。すぐにイルカのショーが始まるというので急いで向かった。彼と並んで座ってイルカのショーを観る。久し振りにイルカのショーなんて観てテンションも自ずと上がって始終興奮しまくりだ。ショーが終わった後は館内をグルリと観て回る。大きな水槽にはたくさんの魚がいて鯛を見て「美味しそう」と呟いたのが聞こえたのか彼に笑われてしまう。
「食い意地張ってるハルも可愛いですね」
なんて言われて怒ろうとした気分が萎んでしまい逆に照れて顔が見れなくなってしまった。
「さぁ、もう少しで出口です」
こっちですよ、手を掴まれ繋ぐとゆっくり歩き出す。出口に近い場所に暗くなってる場所があり、なんだろう、と彼と顔を見合わせて進むとそこには水槽に入れられたクラゲ達が淡い光でライトアップされていた。
「わぁ!綺麗!」
その光もずっとではないようで光ってない時もあったがそれもそれで綺麗だった。ふわふわと漂うクラゲを眺めていると自分の気持ちも落ち着いていくようだった。チラリと彼を見ると彼は水槽に目を向け小さく笑っていたがこちらの視線に気付いたのか目が合う。彼は優しい瞳をしていて何故か恥ずかしくなり視線を逸らしてしまった。
すると、繋いでる手が動きスルリと恋人繋ぎに変わる。
「この方がしっくりきます」
驚いて彼の方を向いたら微笑んだまま話す彼。しっくりくるも何もこっちとしては心臓がうるさくて敵わない。恋人繋ぎをしたまま残りの水槽を観て出口に向かう。
「水族館なんて久し振りでしたけど凄く良かったです!」
「僕も楽しかったですよ。では次の場所に向かいましょうか」
「次、ですか?」
「そう。もう一つ行きたいところがあるんです」
また彼の愛車である白いRX-7に乗って次の目的地へと向かった。そこは来たことのないショッピングモールだった。買い物でもするのかな?と思っていたが彼の後について来た場所は『天空の誘いへようこそ』と書かれていた。
「透さん、ここは?」
「ここはこのショッピングモールに併設されているプラネタリウムですよ」
他にも映画館もあります、と補足情報を足してくれたがプラネタリウムがあるなんて聞いたことがなく驚いた。しかも自分が住んでる場所からさほど遠くないという。
ーー零さんは知ってたのかな
それは愚問か、だって彼は探偵をしているからきっと知ってたんだろうと考えた。このプラネタリウムの料金も払ってくれたが聞こえてきた金額が何故か思ってたよりも高くて申し訳ない気持ちになった。そしてその料金が割高なのにも中へ入って分かった。
中は明るいもののほんのり薄暗くこけないように注意しながら席へと移動する。その間も彼は手を取ってエスコートしてくれるわけで紳士な彼に頬を染めっぱなしだ。階段を降りると一番下にはゆったりできるベンチシートにクッションがありくつげるようになっている。もうすぐ始まるというので彼がそこに腰掛け
手を差し出された。その手を取ると彼は優しい笑みを浮かべておりそれがまた絵になってるものだから本当に恥ずかしくなる。
「始まりますよ」
重ねたその手を握って引っ張られるようにしてクッションに登り彼の隣に座る。そしてそれに身を預けるようにゴロンと仰向けになった。横を向くと他にもお客さんがいるようで同じようなクッションにカップルが何組かいるのが見える。
空間が暗くなり始まりを告げるプラネタリウム。星が映し出されると夢中になって星空を見上げた。季節は冬なので冬の夜空や星座、銀河についての内容だった。プラネタリウムなんて小学生のとき以来だったが円球の部分に映し出されるそれは綺麗で本当の星空がそこにはあるようだった。