初めてのデート
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2.
夜、あまり眠れなかったけど朝はきてしまう。13時に迎えに来ると書いてあったが早めに起きて朝食を済ませると準備を始める。以前友達と買い物に行った時に購入したワンピースを着た後、メイクも済ませ髪型をどうしようかと悩む。鏡とにらめっこをしていると隣からカタッと物音がした。彼の部屋の方からだ。彼も既に起きており準備をしているのかと思ったらくすぐったい気持ちになる。そこで昨晩のことを思い出した。
夜中、どうしても眠れなくてベランダから夜風に当たったのだ。彼もまだ帰って来ていないようだったしもしかしたら彼に会えるかな、とちょっとした下心もあったわけだが。でも思ったよりもまだ寒くてすぐに部屋に入ったけれども、入る直前に視界の端で一瞬彼が見えたような気がした。スーツを着た金髪の男性がマンションの入り口に向かって歩いて行ったように見えたのだ。
ーー今の零さんじゃ…
でもほんとに一瞬だったし何より暗いし遠いしで気のせいだと思って部屋に入り眠りについた。
ーーでもあれってやっぱり彼だったのかもしれない。いや、そう思おう。
その方が得した気分になるのでふふっと笑うと髪のセットに取り掛かった。
ーーー
零side
3月11日、日曜日
ピピピピ…
ーー朝か、昨日は少し飲み過ぎたようだ
少しだけ気怠い体を無理矢理起こし目を覚ますためシャワーを浴びる。整容を整えるとサッパリしてやる気が湧いてくる。
「さて。始めますか」
頭が冴えてきたところでエプロンを身に付けキッチンに立つ。今日のディナーは自分の部屋でと決めているためその準備として下ごしらえをしていく。きっと彼女はおいしいと喜んでくれるだろう。その姿が容易に想像でき顔が綻ぶ。もちろんデザートも忘れてはいない。彼女とのデートに昼から誘ったのもこの準備をするためだ。ある程度下ごしらえを済ませると部屋の中も飾っていく。今の時間はAM11時を回ろうとしているところだ。その時隣の部屋からガタゴトと音がして彼女が起きて準備をしているのが分かった。彼女の事を考えると胸が温かくなる。小さく笑うと再度準備にとりかかった。
そして13時少し前。
準備も整った事だし迎えに行きますか。
彼女の部屋の前に来てインターホンを押すと返事と共に彼女が出てきた。のは、いいが…
ーーちょっとこれは、マズイ、な…
部屋から出てきた彼女は清楚な感じのワンピースを纏い髪型もいつもと違いハーフアップのようだった。正直言って可愛い。こんな可愛い彼女を連れて歩いて他の男どもに見られるのは嫌だが逆に言えば優越感に浸れる、か。
「れ、透さん?」
外だからか透と呼んでくれる。気の利く人だ。今日くらいは零でいいような気がしたが彼女が気を遣ってくれたのだ。透でいようと思ったのだった。
「さ、行きましょう」
そう言って彼女の前に手を差し出し頬を染めながら重ねられた手を握りしめ歩き出す。彼女とこうやって外に出るのは初めてだ。だからなのか、ほんの少しだけ緊張をしている。仕事の時とはまた違う緊張感だ。まぁそれも隣にいる彼女を見たら別の感情になってしまうのだが。
エレベーターに乗ると誰も入ってこなかった事をいいことに彼女を引き寄せるとその小さな唇に自分のを重ねた。深くはせず啄む程度だ。ちゅっとリップ音を響かせながら離れると目を潤ませて上目遣いで見つめる彼女と視線がぶつかった。
ーー…っっ!やはりマズイな…
普段と違う彼女だからなのか初めて出かけるという緊張もあるのか余裕のない自分がいて半ば呆れる。
ーー極上のデザートは最後にとっておきますか
「零さん…こんなとこで」
「あなたがあまりにも可愛いのでつい」
「可愛いなんてそんなっ」
「いえ、可愛いですよ?それは僕の為にでしょう?」
「そ、それは…」
一緒に出かけるのは初めてだから、と照れながら言う彼女をもう一度引き寄せ唇を重ねた。エレベーターが1階に着くと離れ小さく笑うと頬を染めたままの彼女の手を引いて外へ出る。
「これはデートですよ。少し早めのホワイトデーデートです」
「ホワイトデーデート?」
「そう。今はホワイトデーにデートしたりすることもあるようです。だから今日は全部僕に任せて下さい」
説明すると「はいっ」と笑顔で頷いてくれる彼女の手を引いて車へと乗り込む。愛車のRX-7の助手席には彼女がいる。それだけで胸が温かくなった。
「では。出発します」
「お願いします」
彼女の声を聞いてアクセルを踏み込んだ。
夜、あまり眠れなかったけど朝はきてしまう。13時に迎えに来ると書いてあったが早めに起きて朝食を済ませると準備を始める。以前友達と買い物に行った時に購入したワンピースを着た後、メイクも済ませ髪型をどうしようかと悩む。鏡とにらめっこをしていると隣からカタッと物音がした。彼の部屋の方からだ。彼も既に起きており準備をしているのかと思ったらくすぐったい気持ちになる。そこで昨晩のことを思い出した。
夜中、どうしても眠れなくてベランダから夜風に当たったのだ。彼もまだ帰って来ていないようだったしもしかしたら彼に会えるかな、とちょっとした下心もあったわけだが。でも思ったよりもまだ寒くてすぐに部屋に入ったけれども、入る直前に視界の端で一瞬彼が見えたような気がした。スーツを着た金髪の男性がマンションの入り口に向かって歩いて行ったように見えたのだ。
ーー今の零さんじゃ…
でもほんとに一瞬だったし何より暗いし遠いしで気のせいだと思って部屋に入り眠りについた。
ーーでもあれってやっぱり彼だったのかもしれない。いや、そう思おう。
その方が得した気分になるのでふふっと笑うと髪のセットに取り掛かった。
ーーー
零side
3月11日、日曜日
ピピピピ…
ーー朝か、昨日は少し飲み過ぎたようだ
少しだけ気怠い体を無理矢理起こし目を覚ますためシャワーを浴びる。整容を整えるとサッパリしてやる気が湧いてくる。
「さて。始めますか」
頭が冴えてきたところでエプロンを身に付けキッチンに立つ。今日のディナーは自分の部屋でと決めているためその準備として下ごしらえをしていく。きっと彼女はおいしいと喜んでくれるだろう。その姿が容易に想像でき顔が綻ぶ。もちろんデザートも忘れてはいない。彼女とのデートに昼から誘ったのもこの準備をするためだ。ある程度下ごしらえを済ませると部屋の中も飾っていく。今の時間はAM11時を回ろうとしているところだ。その時隣の部屋からガタゴトと音がして彼女が起きて準備をしているのが分かった。彼女の事を考えると胸が温かくなる。小さく笑うと再度準備にとりかかった。
そして13時少し前。
準備も整った事だし迎えに行きますか。
彼女の部屋の前に来てインターホンを押すと返事と共に彼女が出てきた。のは、いいが…
ーーちょっとこれは、マズイ、な…
部屋から出てきた彼女は清楚な感じのワンピースを纏い髪型もいつもと違いハーフアップのようだった。正直言って可愛い。こんな可愛い彼女を連れて歩いて他の男どもに見られるのは嫌だが逆に言えば優越感に浸れる、か。
「れ、透さん?」
外だからか透と呼んでくれる。気の利く人だ。今日くらいは零でいいような気がしたが彼女が気を遣ってくれたのだ。透でいようと思ったのだった。
「さ、行きましょう」
そう言って彼女の前に手を差し出し頬を染めながら重ねられた手を握りしめ歩き出す。彼女とこうやって外に出るのは初めてだ。だからなのか、ほんの少しだけ緊張をしている。仕事の時とはまた違う緊張感だ。まぁそれも隣にいる彼女を見たら別の感情になってしまうのだが。
エレベーターに乗ると誰も入ってこなかった事をいいことに彼女を引き寄せるとその小さな唇に自分のを重ねた。深くはせず啄む程度だ。ちゅっとリップ音を響かせながら離れると目を潤ませて上目遣いで見つめる彼女と視線がぶつかった。
ーー…っっ!やはりマズイな…
普段と違う彼女だからなのか初めて出かけるという緊張もあるのか余裕のない自分がいて半ば呆れる。
ーー極上のデザートは最後にとっておきますか
「零さん…こんなとこで」
「あなたがあまりにも可愛いのでつい」
「可愛いなんてそんなっ」
「いえ、可愛いですよ?それは僕の為にでしょう?」
「そ、それは…」
一緒に出かけるのは初めてだから、と照れながら言う彼女をもう一度引き寄せ唇を重ねた。エレベーターが1階に着くと離れ小さく笑うと頬を染めたままの彼女の手を引いて外へ出る。
「これはデートですよ。少し早めのホワイトデーデートです」
「ホワイトデーデート?」
「そう。今はホワイトデーにデートしたりすることもあるようです。だから今日は全部僕に任せて下さい」
説明すると「はいっ」と笑顔で頷いてくれる彼女の手を引いて車へと乗り込む。愛車のRX-7の助手席には彼女がいる。それだけで胸が温かくなった。
「では。出発します」
「お願いします」
彼女の声を聞いてアクセルを踏み込んだ。