ジャミルの友達が姐さんだったら 7






「おい、シルバー」
「ん? どうした、セベク」
「これを持って行け」
「これは……」
「お前が賜った果実酒だ。半分だけ飲んで、あとは何かあったときのためにと残しておいたんだ」
「…………これは、お前のためにと贈ったものだが」
「受け取ったものを返すのは確かに無礼な行いかもしれないが、マレウス様の従者が、恩人に礼も言えない“恩知らず”なままで居る方が我慢ならん! 東方の国に着いたらこれを飲んで、きっちり筋を通してこい! 分かったか!!」
「…………ありがとう、セベク。必ずあの人を見つけて、感謝を伝えてくる」
「ふん! 仕事もきっちりこなせよ!」
「ああ、分かっている」




3/7ページ
スキ