ジャミルの友達が姐さんだったら 5
「なぁ、ツバキ。君、最近よく夢を見ていないか?」
ツバキがジャミルの部屋を訪れ、オオカムヅミから果実酒を頂いたことを告げると、早速頂こうという話になった。果実酒に合うチョコやフルーツ、チーズなどを手に、二人でカリムの部屋に向かう。先の発言はその道中で投げられた、ジャミルからの問いかけだった。
「ああ。そのせいかな、最近夢に入り込まれることが多いんだ」
「ああ、やっぱり……。そいつ、銀色の髪に、不思議な色合いの目をしていないか?」
「知り合いか? 彼、ついに東方の国にまで夢渡りをしてしまって、迷子になっていたぞ」
「は? 大丈夫だったのか?」
「もちろん。ちなみに、この果実酒も一緒に取りに行ったよ」
「嘘だろ」
―――――多分、その間に介抱してたの、俺達だ。そう言って額を抑えるジャミルに、ツバキは目を丸くする。
「…………いやぁ、世界は狭いな」
「…………俺は“縁”というものが確かにあるのだと、改めて実感したよ」
今夜はこの事実を肴に酒を飲もう。二人はしみじみと頷いて、カリムの部屋の戸を叩いた。