ジャミルの友達が姐さんだったら 没ネタ
・3話の会話文没ネタ
ジャミル「冷静に考えて、国生みの神が最古の呪いを生み出すってヤバいよな、東方の国」
ツバキ「生み出すのが得意なんだろ。国すら作ったんだから」
ジャミル「君、自国を生み出した神の認識がそれでいいのか???」
ツバキ「畏怖の念はしっかり持っているけれど、神々とは顔を合わせることは多いからな。ちょっとやり過ぎてしまうこともあるけど、基本お茶目な親戚の人、というイメージが強い。もしくは仲の良いご近所さん」
ジャミル「神々との距離が近すぎるのも考えものだな……。君の国、何かしらの催事のたびに神降ろしをしているんだろう?」
ツバキ「挨拶と感謝のためにな。でも、呼び出さなくても普通に来るし、何なら町内会のお祭りにも紛れ込んでいるぞ」
ジャミル「本当にご近所さんかよ。神の威厳どうした」
ツバキ「楽しいことが好きなんだから仕方ないだろ。出店をやっていたときはどうしたものかと思ったけど」
楽しくなって脱線したので没になりました。
あと、ジャミルはもうちょい東方の国に詳しい感じにしたかったので。
・4話没ネタ
ジャミルが神様のお気に入りだと知って、アズールがジャミルの血を使って神降ろしをしようとする。
ジャミル「君、事故を装ってフロイド辺りに俺の血を採取させる気だったろう。分かりやすく、フロイドが狼狽えていたぞ」
アズール「は?」
―――――あのフロイドが?
ジャミル「というか、俺の血を使うということは、俺と勘違いさせて神を降ろすということ。言わば詐称行為だ。降ろしてしまえば何とかなると踏んだのだろうが、それは間違いだぞ。神は口八丁でどうにかなる相手ではない。むしろ、逆鱗に触れる結果となる」
ジャミル「君が神の手で殺されたいと願うような生き物でないことは分かっている。ならば、俺を利用しようなどという馬鹿な真似はやめておけ。まだ生きていたいだろう?」
ツバキ「はは。随分と高度な自殺を図るじゃないか。しかし、神の沙汰で死のうとするのはおすすめしない。おそらく、地獄の苦痛を味わうことになるぞ?」
アズール「…………何のことでしょう? ところで、あなたは?」
ツバキ「君の目的たる東方の国の民だよ」
ツバキ「君のやろうとしていることはお見通しだ。ジャミルの血を使って、神を喚び寄せようとしたんだろう?」
アズール「何故そのような結論に? 確かに僕は神にも興味はありますが、一番心惹かれていたのは東方の国に繋がるための伝手ですよ」
アズール「そのためにジャミルさんに近付いたのは認めます。しかし、こうして貴方が僕の前に現れて下さったことで、その必要もなくなりました」
ツバキ「…………しらを切るつもりなら、こちらにも考えがあるのだがな」
ツバキ「君、コンプレックスを抱えているだろう?」
アズール「…………」
ツバキ「君は自分にはこれだけのことが出来るのだと大々的に披露する傾向がある。そういう生き物は大抵が猿山の大将気取りか、過去に何かがあって、そんな自分を隠したいか、だ」
ツバキ「君はおそらく後者だ。前者であれば、自分よりも実力のある者を見たとき、さっさと逃げ出す小心者が多いからな」
ツバキ「けれど君は違う。君はその実力差に絶望でもしない限り、絶対に追い抜かしてやるのだと意気込むタイプのようだ。そして、そのための努力を惜しまない」
ツバキ「君はおそらく、数を重ねることで自信を付けるタイプなのだろう」
ツバキ「また、ジャミルからの証言で、君は他人に借りを作りたくないという考えを持っていることが判明している。おそらく、君は自分に対して自信を持っていない。無償の善意に差し出せるものに限りがあると考えている。故に、その限りある"自信"を奪われたくないと、他人に借りを作ることを拒絶している」
ツバキ「と、私は推察しているのだが……」
ツバキ「さて、私の予想はどこまで当たっている?」
ツバキ「私は審神者というものをしていてな。それの本来の仕事は、神主や巫女に降りてきた神が何者かであるかを見極め、神と語らうこと。つまり、看破するのは私の得意分野という訳だ。故に、私に隠し事など無意味」
ツバキ「神を看破する審神者の目を誤魔化せると思うなよ」
流石にアズールが可哀想なので没にしました。これじゃハートフルボッコ。バブちゃんになっちゃう。
・ツイステッド八百比丘尼
フロイド「いいなぁ。オレも東方の国行ってみたーい!」
ツバキ「あー……。人魚はやめておいた方が良いかもな。八百比丘尼がいるから」
フロイド「やおびくに?」
監督生「え? 八百比丘尼って、事故で人魚の肉を食べちゃって、800年生きた女性のことですよね? 長く生きるのに疲れて、断食することで自殺を図ったって言う話だったはず……」
フロイド「えっ」
ツバキ「これも殆ど同じだな。だが、こちらでは少し違う。彼女はまだ死んでいないんだ」
フロイド「えっ」
監督生「嘘でしょう?」
ツバキ「いや、事実だ。彼女はあらゆる方法で自殺を図った。けれど死ねない。苦しい想いを繰り返すだけ。どういう思考回路を経たのかは分からないが、今は原因となった人魚を酷く恨んでいるんだ。祀りあげて怒りを静めようとしているのだけれど、なかなか上手く行かなくてな」
ジャミル「人魚の肉にそんな効果は無いはずだが……。俺が知らないだけか?」
フロイド「んな効果あるわけねぇじゃん!!!」
ジャミル「ああ、良かった。あったらとんでもないことになるもんな」
ツバキ「ああ、ただの肉でしかないよ。だが、昔はそう信じられていた。人魚の肉を食えば不老長寿が得られると。その概念が形を成し、そういうものとして固定されてしまったのが八百比丘尼だ。だから彼女は死ねない。その概念がこの世から消え失せるまで」
監督生「じゃあ、その人は……」
ツバキ「いや、救いが無いわけでは無いんだ。だが、それには少し時間が掛かる。彼女はすでに神格にも等しい格を得ている。あとは彼女が召し上げられることに納得するか否か、という段階だ」
ジャミル「つまり、あとは八百比丘尼次第、ということか」
ツバキ「ああ」
フロイド「それって救いじゃなくない??? 根本的な解決になってねぇじゃん!」
ツバキ「そうだな。彼女にとっては死こそが救済だ。けれど、概念が消えない限りは不可能に近い。ならば、その時が来るまで、それに耐えられる存在に成るほかない。それが最善なんだ。彼女にとっても、周囲にとっても」
監督生「あまりにも辛い」
ジャミル「地獄か???」
フロイド「この世に慈悲はないの……?」
ツバキ「永遠に等しい時間に耐えられる精神構造に成れるのは慈悲だろう」
フロイド「えーん! オルカちゃんの悪魔!!!」
ツバキ「はは、フロイドは随分かわいらしい感性をしているんだなぁ。私ごときを悪魔だなんて」
ジャミル「いや、今回は俺もフロイドの味方をするぞ?」
フロイド「だよねぇ! オルカちゃん、やべぇよねぇ!?」
監督生「ちょっと人の心がなかったですね」
ツバキ「ええ……?」
良いネタが思い付いたときに登場人物の範囲が狭まるので没にしました。
・あまりの光に焼き尽くされた
ツバキ「良い勉強になったな、カリム。無償の愛は誰かを壊す。無意味な笑顔は人を殺す。寛大な心も、向日葵のような笑みも、どちらも君の魅力だ。それで誰かが救われて、それで誰かが前を向ける」
ツバキ「けれど、全ての人がそうではない。それを苦痛に思う人もいる。それに憎悪を抱く人もいるんだ」
ツバキ「例えばその人は地獄のような人生を歩んでいた。君はそれを可哀想だと哀れんだ。そして少しでもその人の人生が救われるようにと何かしらを施した」
ツバキ「けれど、それは本当に相手のためになっているか? 己の独りよがりで、余計に相手を苦しめていやしないか?」
ツバキ「自分以外はみな他人。真に理解出来ているなどと自惚れてはいけない。そのような傲慢な枠に収めてはいけない。自分と全く同じ考えの生き物がこの世に存在するなどと甘えるな」
カリムがあまりにも可哀想なので没になりました。
・天の逆鉾でも可
ツバキ「昔勝手に名前を使われて、神様に捧げられてしまったことがあるんだ。そのときは流石に死を覚悟したよ。まぁ、ただで死んでやるつもりはなかったが」
ジャミル「そうは言いつつ、オーバーキルしたんだろ?」
ツバキ「オーバーキルだなんて……。三種の神器のレプリカを励起させただけだよ」
ジャミル「それを人はオーバーキルって言うんだよ。王朝のレガリアをそこら辺の道具と一緒にするな」
ツバキ「レプリカなんだがな」
ジャミル「本物なんぞ使われてたまるか。主神から授けられた宝物だろうが。というか、レプリカでも国宝級だろ」
ツバキ「アジーム家の魔法の絨毯みたいなものだからな。まぁどちらも、実物を見る機会は無いだろうな。私には縁のないものだし」
ジャミル「そうそうあってたまるか」
アズール「ほう、三種の神器」
ジャミル「どっから出て来た、お前」
ツバキ「懲りないなぁ、君も」
アズール「いえいえ、純粋な興味ですよ! アジーム家が所有する魔法の絨毯のレプリカ、国宝と同等の価値があるもの。一目見たいと思うのも無理はないでしょう?」
ジェイド「それには僕も同意ですね。神から授けられた宝物、実に興味深い」
ジャミル「君はキノコの食べ過ぎで地面から生える能力でも手に入れたのか?」
ジェイド「そんな……褒めても何も出ませんよ」
アズール「誰も褒めてませんよ???」
ジャミル「君にとっては褒め言葉だったか……」
ジェイド「強いて言えば、椎茸が少々……」
ジャミル「結局出るのかよ」
ツバキ「おお、いい椎茸じゃないか。炭火で焼いて、醤油を垂らすと最高だよ」
ジェイド「炭火焼き……! いいですね。他にはどのような料理が良いと思われますか?」
ツバキ「炊き込みご飯とか良いんじゃないか? あとは天ぷらやフライも美味しいし、チーズをかけて焼くのも良い。煮込み料理にすると椎茸の旨味を存分に味わえて最高だよ」
ジェイド「どれも美味しそうですね……。詳しいレシピを伺っても? 出来れば他のキノコのレシピも教えて頂きたいのですが……」
ツバキ「もちろん構わないよ」
ジェイド「でしたら、植物園に行きましょう。一角を借り受けて、自家栽培しているんです。丁度食べ頃のものもあるので、いくつかお土産にどうぞ」
ツバキ「凄いなぁ。是非頂きたい」
サラッとツバキを連れて行かれてアズールは慌てて追い掛けた。
没理由は三種の神器を使うのは荷が重すぎたからです。扱いが難しすぎました。
・やべぇものを身籠もるネタ
誰かのお姉さんとか、リドルママの患者さんとか、誰かが身籠もる。
聞けば、東方の国に行って、神様に祈りを捧げて、色々なまじないを試したところ、見事妊娠したという。
ツバキ「うちの国を何だと思っているんだ? 東方の国は神の国か?」
ジャミル「ある意味間違いではないな」
カリム「神秘の島とか色々言われてるしなぁ」
ツバキ「遺憾の意を表明させて頂きたい。我が国は至って普通の島国なんだが???」
ツバキ「で、実際に妊娠した、と」
ジャミル「病院での検査結果は?」
???「それが……」
ツバキ「聞き方を変えよう。エコー写真には何か写ったか?」
???「……………写ってはいた。でも、どう見ても人間の胎児ではない。及び、成長があまりにも早過ぎる、と」
ツバキ「まじないを行って何日ほど経っているんだ?」
???「…………およそ1ヶ月、だな」
ジャミル「おかしいと思わなかったのか、お姉さん」
ツバキ「おそらく認識阻害とか精神感応系の作用があるんだろうな」
ジャミル「気軽に精神に害を及ぼさないでほしいんだが???」
ジャミル「ところで、そのまじないってどんなものなんだ?」
ツバキ「…………聞くか?」
カリム「あっ(察し)」
ツバキ「では説明しよう。まず処女の経血を用意します」
ジャミル「待ってくれ」
カリム「一発目からキツイなぁ……」
ジャミル「しかし、何故妊娠のまじないに処女の経血が必要なんだ……?」
カリム「確かにそれは疑問だけど、生娘好きだもんなぁ、神様」
カリム「そんなこと……。いや、東方の国だしなぁ……」
ツバキ「ああ。実際、何かしらを身籠っているのは確かだ」
カリム「何かしらって言うのやめてくれよ〜!」
ツバキ「事実だろう」
カリム「そうなんだよなぁ……。他国なら奇跡だ祝福だってお祝い出来るんだけど、東方の国なんだよなぁ……」
ツバキ「熱い風評被害、と言いたいところだが、まぁこれに関してはその認識で正しい。他国でも似たようなことはあるが」
ジャミル「他国の話はやめよう。それより、詳しい話を聞きたい」
ツバキ「何の苦労もなくご懐妊出来るぞ」
ジャミル「それ、身籠っているのは本当に人間か?」
ツバキ「解釈次第じゃないか?」
ジャミル「それはもう"違う"と否定しているようなものなんだよ」
ツバキ「良かれと思って誰でも彼でも妊婦にするぞ」
ジャミル「アフターケアは?」
ツバキ「あるわけないだろ、待っているのは死だぞ」
ツバキ「処女懐胎混じってないか?」
ツバキ「もしや、一夜孕みの話と混同しているのか……?」
かごめかごめの歌から。
恨まれて流産させられそうになってる話でもいい。
鶴と亀の描かれた小物類などが壊されてたり、イラストが破られてたり。