ジャミルの友達が姐さんだったら 小ネタ
ジャミル「信じられないかもしれませんが、ツバキはああ見えて、意外とまともな感性をしているんです」
レオナ「本気で信じられねぇこと言い出しやがったな……」
アズール「ジャミルさん、あなた麻痺してますよ」
ヴィル「まともかどうかは別として、独特ではあるわよね」
ジャミル「いや、本当なんです。まともな感性を持っていて、尚且つきちんとした倫理観を持っているんです。それらを持ち合わせた上で、それを無視しているだけで……」
レオナ「一番駄目なやつじゃねぇか」
ヴィル「弁解になってないわよ」
アズール「むしろネガティブキャンペーンしてません?」
***
プレイフルランドネタ
ツバキ「例の遊園地、ナイトレイブンカレッジ限定で難易度ルナティックなの面白すぎるんだが」
ジャミル「まぁ、入場出来ただけ持った方ではあるな」
ツバキ「それは最早クソゲーレベルなんだよな……」
ジャミル「ロイヤルソードアカデミー限定で難易度ベリーイージーな方がおかしいだろ」
ツバキ「うちはプレイフルランド特攻というか、最早バグだから……」
ジャミル「自校をバグ扱いするな」
***
怖い場所に迷い込んだNRC生と助けに来たツバキ
ツバキ「みんな無事か?」
カリム「ツバキ~~~!」
デュース「サニワ先輩!」
エース「よっしゃ、勝ち確!!!」
ツバキ「元気そうだな。良かった」
デュース「サニワ先輩がいればこっちのもんだ! おっしゃ、やってやんぞ!!」
オルト「ふふ、これで無事に学園に帰れそうだね!」
ツバキ「そのためにも、私の言うことにはきちんと従うように」
「「「はーい!」」」
***
怖い場所に迷い込んだ2-Cとツバキ
ジャミル「どこだ、ここ?」
ツバキ「さぁな。まぁ、そこまで深度のある異界では無いから、すぐに出られるさ」
アズール「何でそんなに落ち着いているんですか???」
ツバキ「慣れかな」
ジャミル「慣れだな」
アズール「こんなことに慣れないでください」
ツバキ「私は仕事でもプライベートでもよく異界入りするからなぁ」
ジャミル「俺はよく神々に引きずり込まれる」
アズール「ツバキさんはともかく、ジャミルさんのそれはおかしいんですよ」
ジャミル「いや、自分から入り込む方がどうかしているんだがな?」
ツバキ「外側から異界の観測は出来ない。ならば入り込むしか無いだろう」
アズール「どっちもどっちであることを自覚しろ、規格外共」
***
続・怖い場所に迷い込んだ2-Cとツバキ
アズール「風も無いのに天上から吊されたロープが揺れているんですが??? 異界ってこんなに何もかもが不可解な場所なんですか????? そもそも何なんですか、あのロープ?????」
ジャミル「首を吊ったんだろ」
アズール「ジャミルさんは人の心をどこに落としてきたんですか?????」
ツバキ「答えてあげようか?」
アズール「答え合わせですか??? テストじゃないんでしなくて良いです」
ジャミル「…………もしかして、まだ降ろされていないのか」
アズール「ジャミルさん???」
ツバキ「ああ。おそらく、死んだ瞬間を延々と繰り返しているんだろうな。だから、風も無いのにロープが揺れたままなんだろう」
アズール「もしかして僕の声、聞こえていない感じです?????」
ジャミル「人によって見えるものが違うのか……。おそらく、ツバキの視界が一番正しいだろう。俺達の視点と違うものが見えたら逐一報告してくれ」
ツバキ「ああ、そうしよう。情報共有は大事だからな」
アズール「世界一不必要な情報共有をする羽目になってしまった……」
***
続々・怖い場所に迷い込んだ2-Cとツバキ
ツバキ「情報共有をしようか」
アズール「怖いことですか」
ツバキ「うーん、人によっては?」
アズール「怖いことなら黙っていてください」
ジャミル「とうとう取り繕うことを止めたな、こいつ」
ツバキ「おや、良いのか? もしかしたら、この一件を解決するための手立てになるかもしれないのに?」
アズール「僕はもう、これ以上怖いことは御免なんです。無理に聞かせようとするなら、こちらにも考えがありますよ」
ジャミル「膝をガクガク言わせながら、何でこんなに強気なんだ、こいつ」
ツバキ「それだけその考えとやらに自信があるんだろう。それで? その考えとやらは?」
アズール「泣きます」
ツバキ「うん?」
アズール「それはもう陸に打ち上げられた魚のようにビチビチ跳ねながら泣き喚きます」
ツバキ「それは………。ちょっと見てみたいな………」
ジャミル「カレッジ生がビチビチ跳ねながら泣き喚くのか……。絵面はきつそうだが確かに興味があるな。折角だから景気よく跳ねろよ」
アズール「もうやだ、こいつら」
***
多分、話を聞いてくれなくて怒ったとか
ジャミル「“俺しか知らないあいつ”ネタで山手線ゲームされたくなかったら黙ってろ」
レオナ「片思い特攻じゃねぇか、やめてやれ」
イデア「それはもうオーバーキルなんですわ……。手加減してもろて……」
トレイ「流石に同情してしまうな……」
ケイト「殲滅する気満々じゃん! 容赦無さ過ぎるって!」
ジャミル「人の話を聞かない奴に気遣いなんて必要ないでしょう?」
イデア「始末すること前提で草生えますわ……」
***
↑の続き
ジャミル「本気で殲滅する気なら、山手線ゲームでは済ませませんよ」
トレイ「十分な破壊力があると思うんだが……」
レオナ「それ以上に何をするんだよ……」
ジャミル「ツバキに気がある奴に、ツバキの口から思い出話をさせます」
ケイト「思い出話?」
ジャミル「はい。あいつが思い出話をしたら、9割の確率で俺の名前が出てきます」
イデア「えっっっぐ」
ケイト「好きな子のこと聞いたら別の男の名前が出てくるって嫌すぎる~!」
レオナ「これだからスカラビアはよぉ……」
ジャミル「ちなみに、相手が話題選びに失敗したら、さらに確率が上がります」
イデア「ひぇぇ……」
トレイ「最早トラウマになりそうだな……」
ジャミル「仕方ないじゃないですか。幼少期から一緒に居るんですよ? 下手をすれば、家族より長い時間を一緒に過ごしているんです。俺の記憶も、殆どにツバキが絡んでいますし」
トレイ「まぁ、幼馴染みだもんな……」
イデア「で、でも、それってツバキ氏の口から話して貰わなきゃそこまでダメージ出なくない?」
ケイト「あ、確かに! そういうときはどうするの?」
ジャミル「そのときは俺が自分で語ってやりますよ。“あいつが泣きたいときにそばにいて欲しいのは俺で、嬉しいときに一緒に笑いたいのは俺なんだ“ってね」
***
↑の続き
トレイ「………ジャミルに勝てる奴、居なくないか?」
レオナ「そもそも、勝たせる気がねぇだろ」
ケイト「でもあの二人、付き合ってないし、友達以上の感情はないんでしょ?」
トレイ「嘘だろ」
イデア「いや、それがマジなんスわ……。マジで友愛の延長」
ケイト「やばいよねぇ……」
レオナ「本気でやべぇのは、双方ともに同等の熱量を持ってるっていう事実だろ」
トレイ「ちょっと友情が重すぎないか???」
ケイト「けーくん的には、ちょっとどころじゃないと思うなぁ……」
***
ツバキ「この間、あわいで行われている夜市に行ったんだけど」
シルバー「待ってくれ」
カリム「えっ!? いいなぁ、オレも行きたかった! 何で誘ってくれなかったんだよ~!」
ツバキ「すまない。修行のあとに、折角だからと寄っただけなんだ。次の機会には一緒に行こう」
カリム「やったぁ! 約束だからな!」
ツバキ「ああ」
シルバー「いや、待ってくれ。あわいとは、異界のことでは……?」
ラギー「異界!?」
リドル「何でそんな危険な場所に赴いたんだい!? そもそも、そんな場所で夜市なんて開けるものなのか!?」
ジャミル「店をやっているのは人成らざるもの達だぞ」
アズール「分かり切っているんですよ、そんなことは」
フロイド「そもそも、そんなとこで出店できる人間って居るの?」
カリム「え? 普通に居るぜ?」
ジャミル「普段は現世で商いをしている人達が、出張営業をしていたりするよな」
ジェイド「そんなことが可能なのですか?」
ツバキ「ああ。ただ、全ての人間に許可が下りる訳ではないがな」
ラギー「き、危険じゃないんスか?」
ツバキ「それは深度によるな。場所によっては、現世と変わらない危険度の場所もあるよ。おすすめはしないけど」
ジャミル「まぁ、自衛の手段を持たない人間が行き来する場所でないのは確かだよな」
カリム「だよなぁ。あ、そう言えば、夜市で何があったんだ?」
ツバキ「ああ。実は、鬼子母神に会ったんだ」
リドル「きしぼじん……?」
ジャミル「子供を守る女神だ。元は鬼……オーガに近いものだったらしいが、祀り上げることで鎮めたんだとか」
アズール「オーガを祀り上げて女神に召し上げたと?」
ツバキ「ああ。今では母のように人々を見守る女神だ。そんな女神に会って、一緒に夜市を回ることになって」
シルバー「女神と、ということか……?」
ツバキ「あの方、子供には気安いんだ。それで、お土産をたくさん買ってくださったから、みんなにもお裾分けしようと思って」
カリム「お、何があるんだ?」
ジャミル「おまんじゅう、りんご飴、三味線、手鏡、小刀、櫛、その他雑貨類に……卵?」
ツバキ「おまんじゅうとりんご飴は普通の食べ物だよ。現世からあちらに持ち込まれたものだから、私達が食べても問題ない。三味線は化け猫の皮を使った珍しいもので、ひとりでに演奏もしてくれるよ。見える人には、猫が弦を弾く姿が見えるのだとか」
ラギー「その楽器、絶対やばいやつでしょ」
ジェイド「そもそも、これを作った方は、何故化け猫の皮で楽器を作ろうとしたのでしょう?」
ツバキ「退治した戦利品として、一部を手元に残したかったらしい。持ち主が亡くなって、市場に出回るようになったそうだよ」
リドル「化け猫を普通に退治しないで欲しいのだけど」
アズール「東方の国って規格外の方しかいらっしゃらないんですか?」
ツバキ「手鏡は、とあるご神木の一部を譲り受けて作られたもので、魔除けの効果があるんだ。ただ、きちんと扱わないと呪具に変貌するから、その点だけは注意して欲しい」
ラギー「きちんと扱うの“きちんと”って何スか。抽象的なの止めて欲しいんスけど」
ツバキ「丁寧に扱う、ということだよ。乱暴に扱ったり、故意に壊したりしたら祟られるな」
アズール「祟りって普通に引き起こせるものではないんですよ」
リドル「元々がご神木であったとしても、本体から切り離されたものが、何故そこまでの力を発揮できるんだい?」
ツバキ「“分霊”という概念があってな。これは本社の祭神を他所で祀る際に、その神の神霊を分けたもののことを指す。つまり、本体から切り離されたものであっても神は神、という思想があるんだ。だから、こういったものでも、それ相応の力が宿っているというわけだ」
シルバー「扱いを間違えば危険な代物だな……。だが、扱い方を間違えなければ、相応の利益がもたらされるのか……」
リドル「こういうのって、持つべき人が受け取るのが良いんじゃないかい?」
シルバー「確かに、それも一理あるな」
ジェイド「もう、ツバキさんが渡す相手を選べば良いので?」
フロイド「確かに~。そんで受け取るか受け取らないかはこっちで決める感じで良いんじゃね?」
ツバキ「そうか? なら、この小刀は……」
(中略)
カリム「これで最後か?」
ラギー「ところで、これ何なんスか? 柄が描かれた卵? 卵の形した偽物?」
リドル「イースターエッグみたいだね。飾り物かい?」
ジャミル「………………」
フロイド「ウミヘビくん?」
アズール「あの、そんな不穏な顔しないでいただけます?」
ジェイド「これが何かご存じなのですか?」
フロイド「もしかして、親がやべぇ神様とか、怪物だったりすんの?」
ツバキ「この卵は本物だ。親については、その……詳しく話せないんだが、然るべきときに生まれるもので、中身はそのときが来るまでは、私にも分からない」
ラギー「ダントツで怖いやつ来ちゃった」
アズール「ツバキさんが詳しく語れない相手って何なんです???」
ジャミル「ああ、あれについてはな……。話せないよな……」
シルバー「ジャミルには心当たりが?」
ジャミル「まだエレメンタリースクールに通っている頃に、この卵の親に出会ったことがあってな。そのときに直接卵を頂いたんだ」
フロイド「そんだけ昔なら、もう孵ってるよね? その卵、何が孵ったの?」
ジャミル「………………俺」
アズール「……はい?」
フロイド「今、“俺”って言った???」
ジャミル「………俺にそっくりな、人形のような、人間のような……。とにかく、“俺”が生まれて、俺の代わりに良くない神様に連れて行かれてしまって……。その後は、分からない……」
「「「………………」」」
リドル「卵は君が頂くべきだね」
ジェイド「ええ、異論はありません」
カリム「むしろジャミルが持っててくれ、頼むから」
ツバキ「ああ。私もこれは是非、ジャミルに受け取って欲しい。というか、受け取ってくれ、頼むから」
ジャミル「………そうだな。ありがとう、頂くよ。次は是非、“俺”以外が生まれて欲しいな……」
***
ツバキ「ジャミル、今、何を諦めた?」