ジャミルの友達が姐さんだったら 小ネタ
エース「そう言えば、ツバキ先輩のあだ名、何で“オルカ”なんスか?」
フロイド「それねぇ、オレじゃなくてウミヘビくんが決めてくれたんだよね。シャチは報復行動を取るから、オルカちゃんにぴったり!って」
エース「へぇ、意外~。ジャミル先輩があだ名に口出すのはその場のノリとかで何となくイメージできますけど、ツバキ先輩って報復とかするんスね」
フロイド「そう? オルカちゃんは結構やべぇよ?」
エース「フロイド先輩にやべぇって言われるって、どんだけやばいんスか……」
フロイド「ウミヘビくんが傷付けられたら、相手を地獄の底まで追い掛けるくらい?」
ジャミル「ああ。相手の首を落とすまでな」
エース「ひぇっ」
フロイド「うちの生徒でも首まで落とそうとする奴はなかなか居ないよねぇ」
ジャミル「リドルは首を刎ねるじゃないか」
フロイド「居たわ」
エース「NRCってやっぱ治安最悪ッスね」
***
ゴスマリネタ
赤ちゃん連れてくる発言に対して過剰反応するツバキ
ツバキ「待ってくれ! ゴーストがどうやって赤子を産む!? 誰かに取り憑いて孕ませるのか!?」
エース「そこ反応するとこなの???」
イデア「っていうか、最後の一言が聞き逃せないレベルの発言なんですが」
リドル「そんな必死の形相になるようなことなのかい? 確かに、誰かに取り憑いて子供を産ませるのなら止めなければならないと思うけれど。でも、そんなことは不可能だろう?」
ツバキ「今まで“ゴースト同士では“赤子を作った例がないんだ! いや、実際にはあるのかもしれないが、我が国には存在しない!」
レオナ「お前の国で存在しない事例って相当なレアケースじゃねぇか???」
トレイ「ちょっと待ってくれ。その言い方だと人間とゴーストとの間には子供が出来た事例があるということにならないか???」
ツバキ「ありますとも」
「「「あるの!!?!?」」」
ツバキ「まぁ、あると言っても、きちんと胎盤に宿って十月十日とつきとおかで生まれてくるわけではありませんが」
ルーク「……では、どうやって生まれてくるんだい?」
ツバキ「一概には言えません。奴らは老若男女の区別など付けません。どこでもいいし、誰でもいい。それが養分となる柔らかい肉ならば。そして身体のどこかに宿って、腸はらわたを突き破って出てきます」
ジェイド「待ってください」
フロイド「せめてお腹に宿って」
アズール「突き破ってくるのなら、どちらにせよ意味が無いでしょう」
ツバキ「人間の真似をして、きちんと胎盤はらで育ち、生まれてくることもあるよ。だが、生まれたものが人の理から外れたものであるとか、そんなものばかりなんだ」
ヴィル「詳しく言わないでちょうだい」
リリア「すべてが最悪すぎるんじゃが???」
ツバキ「もっと最悪なのは、元々妊娠していたところに宿る類いですね。先にいた赤ん坊を食べて、自分が代わりに母親から栄養を貰って育つやつもいますから」
エペル「んぎぃ……」
ジャック「くぅん……」
ツバキ「本当に待ってくれ。それが事実ならとんでもないことなんだが??? 一部の常識が覆る事実だぞ!?」
監督生「この学園、やっぱ色々とおかしいですよね? 何で常識を覆せるようなことが出来るゴーストが普通に出入りしてるんです???」
ツバキ「本当にな! もっと早く本職に相談してくれ! そのうち謎の大量死が起こっても驚かないぞ、私は!」
グリム「それは流石に驚いて欲しいんだゾ」
***
ツバキ「死は誰にでも平等に訪れるもので、抗えないものである」
ツバキ「けれど、苦しみながら死んで欲しいわけではない」
ツバキ「愛する者達の死が、少しでも安らかなる死であることを願っている」
***
ヴィル「あんた達の幼馴染み、ちょっと変わってるわよね?」
カリム「そうか? ツバキは良い奴だぜ!」
ヴィル「そうね、それは分かってるわ。そうじゃなくて、何というか、お国柄なのかしら。ちょっと独特というか、感性の違いを如実に感じるというか」
ジャミル「まぁ、国民性の違いはあるとは思いますが、あいつは自国内でも“独特な感性をしている”と言われていますよ」
ヴィル「あら、そうなの? ちょっと安心したわ」
ジャミル「あいつと何かありました?」
ヴィル「大したことじゃないんだけど、あの子の思う“美しい”って何なのかしらって、疑問に思ったのよ。あの子ったら誰に対しても平等というか、相手の見た目で態度を変えたりしないじゃない?」
カリム「ツバキはあんまり見た目を気にしないからなぁ。相手の心根というか、信念を重んじるんだよな」
ジャミル「あいつは良くも悪くも人を見る目があるので、“見てくれだけの美しさ“というものを散々見てきましたから」
カリム「綺麗なものだけ見て生きられないからなぁ、ツバキは」
ヴィル「東方の国の闇を出すんじゃないわよ」
ジャミル「東方の国の闇と言うより、社会の闇ですかね。でも、それって普通のことでは」
ヴィル「熱砂の闇でもあったわね……。ああ、もう、そうじゃなくて。あの子が“美しい”と感動しそうなものを考えてみたのだけど、全く思い付かなかったのよ。あんた達に心当たりはある?」
ジャミル「刀ですね」
カリム「刀だな」
ヴィル「まさかの武器。確かにあの子の持つ武器は美しかったけれど」
ジャミル「刀は美術品としての価値も高いですよ。あいつの守り刀である紅紫苑は金屋子神から授かったものなので、普通に国宝レベルですし」
ヴィル「ひぇ……。分かった。学園内に限定しましょ。ナイトレイブンカレッジであの子が美しいと思う相手は居るかしら?」
ジャミル「それならオルトですね」
ヴィル「あら、意外。確かにあの兄弟は悪くないと思うけど、オルトを選ぶのは予想外だったわ」
ジャミル「それも見た目と言うより、オルトの“存在そのもの”に対しての評価ですけどね」
カリム「オルトはさ、大切で大好きだから生まれた奴だろ? あいつは、そういうのも分かるから」
ヴィル「…………そう」
***
ジェイド「サムさんの“秘密の仲間“……。一体どのような存在なのか、気になりますね」
ジャミル「ああいうのには関わらないのが吉だぞ」
カリム「秘密は知っちゃったら秘密じゃなくなっちまうしな! でも、気になる気持ちは分かるぜ!」
アズール「多分、ジェイドとお二人では視点が違うと思います」
フロイド「ちなみに、ウミヘビくん達はどんな存在だって予想してんの?」
ジャミル「理の外にいるもの、あるいはこの世ならざるもの」
カリム「異界に住んでたりする奴かな~って思ってるぜ!」
アズール「どっちも生きているものを想定していないのが怖すぎる」
フロイド「ウミウマくんも“秘密の仲間”も、そんな風に思われてるなんて想定してないんじゃねぇかな」
ジェイド「そちらも気になりますね……」
アズール「お前と東方の国、相性最悪だな! 絶対に関わるなよ!!」
フロイド「むしろ相性最高まである……」
***
イデア「そう言えば、ジャミル氏みたいな子ってホラーの定番だったら“ご馳走”判定されて異界に連れ込まれたりするけど、そういう経験ってあったりするの?」
ジャミル「どんな定番ですか。言いたいことは分かりますけど」
イデア「分かるんだ……」
ジャミル「そういう人って結構居るんですよ。東方の国の年間行方不明者数、聞きます?」
イデア「聞きたくないです。………ジャミル氏は違うの?」
ジャミル「俺を連れて行けるような奴がそこいらにいると思いますか?」
イデア「あ、あー……。なるほどね。本当にやばい子は逆に大丈夫なんだね……」
ジャミル「そうですね。俺やツバキくらい振り切れていると、そういう奴に狙われることは逆に少ないですね。その分、そんな俺達に仕掛けてくる奴は、本当にやばい奴なんですが」
イデア「マ? え、待って。仕掛けられたことあるの?」
ジャミル「それは、まぁ……。でも、俺にもツバキにも、心強い味方がいますので」
イデア「ぜ、絶対に敵に回しちゃアカン奴じゃん……」
***
ジャミルが生まれたての神様を連れ帰ってきてしまう話
ツバキ「待ってくれ、ジャミル! 君、一体何を連れ帰ってきた!!?」
ジャミル「……は!? 待て、何かついてきてしまったのか!?」
アズール「何か不味いものですか!?」
ラギー「ジャミルくん、何かやらかしたんスか!?」
ツバキ「……生まれたての神じゃないか!! どこの国で拾ってきた!!?」
リドル「は!? 生まれたての神!?」
シルバー「そんなもの、拾ってこれるものなのか……?」
カリム「前にもあったなぁ、こんなこと。確か、3度目か?」
フロイド「ウミヘビくん、やばぁ……」
ジェイド「おやおや……」
ツバキ「いや、これで5度目だ。それで、どこの国に行ってきたんだ?」
ジャミル「**の国だが……」
ツバキ「了解。……伝令!! 東方、熱砂、**の国の神々にお目通りを! うちの連中に熱砂の神の列に一柱加わることを伝えろ!!」
ジェイド「今、5度目って言いました???」
アズール「犬猫じゃないんですよ、ジャミルさん……」
リドル「いや、犬猫だってそんなに落ちていないよ……」
ラギー「てか、**の国の神様なんでしょ? 何で熱砂の国に加わることになってるんスか?」
シルバー「確かに。東方の国の神々にお知らせする必要もあるのだろうか?」
ツバキ「ジャミルを気に入ってついてきてしまったんだから、この神にとってジャミルのいない**の国に興味なんてないのさ。つまり、**の国に帰る気なんてサラサラ無いんだ。そうなると、もうジャミルの祖国に加えるしかないんだ。まぁ、ここら辺は話し合いの結果次第だが」
フロイド「神様ってそんな簡単に自分の生まれた国見捨てんの???」
シルバー「神とはもっと慈悲深いものだと思っていたんだが……。どうやら違ったようだ……」
カリム「神様って結構薄情だぞ? ついさっきまでお気に入りだったものを、次の瞬間には路肩の石ころみたいに扱ったりするし」
ラギー「ひぇ……」
アズール「慈悲の魔女しか勝たん……」
ツバキ「神々に夢を見すぎるなよ。ちなみに、東方の国の神々にお目通りを願うのは、ジャミルは主に東方の国の神々に気に入られているからだ。まぁ要は、ご機嫌伺いだよ。下手をすると、戦争を仕掛けかねない」
リドル「そんな簡単に血なまぐさい争いを起こさないでくれないかな」
ツバキ「まぁ、熱砂の国の神々は言祝いでくださるだろうから、問題ないよ。新たな同胞を快く受け入れてくださるだけの度量がある。それに、彼等にとったら、自国の国民が愛されているのは鼻が高いことだろうしな」
ラギー「あ、そういうのは喜んでくれるんスね」
ジャミル「だが、問題は東方の国の神々だ」
カリム「前回は割と穏便に済んだんだっけ? その前が酷かったって聞いたけど……」
ツバキ「そうだな。“もう二度と参加したくない”と思ってしまう程度には酷かったよ」
ジャミル「俺もその場にいたが、正直、よく生きて帰ってこれたなとしか……」
ジェイド「……ジャミルさんもそうですが、ツバキさんが赴かなければならない理由があるのですか?」
シルバー「次期当主だからと言って、ツバキ殿はまだ学生の身分だ。大人達に任せた方が良いのではないか?」
ツバキ「あの場に年齢なんて関係ないよ。ジャミルは当事者だし、顔を見せないわけには行かないんだ。私が行く理由は、私が最も適任であり、何より私がその場に同席したいからだ。まぁ、どうにかするさ」
カリム「大変だろうけど、全部終わったら、みんなで美味しいもの食べような」
ツバキ「そうだな」
***
求愛ネタはなんぼあっても良い
ツバキ「……これは指摘して良いものか分からないのだけれど、」
ジェイド「はい?」
ツバキ「君、たまに口が開いたままになっているから、気をつけた方が良いんじゃないかと」
ジェイド「えっ」
ツバキ「ん?」
ジェイド「あっ、いや、その……気をつけます………」
フロイド「…………ジェイドって好きな子にはあんなに分かりやすかったんだねぇ」
ジャミル「まぁ、一目瞭然だよな」
フロイド「それもあるんだけど、“ウツボ 求愛”で調べてみると分かるよ」
ジャミル「ふぅん……。ああ、なるほど………」
フロイド「そう言えばウミヘビくん、オルカちゃんが他のオスに求愛されてんのに無反応だねぇ。気になんねぇの?」
ジャミル「え?」
フロイド「そんなガチで不思議そうな顔したウミヘビくん初めて見たわ……。マジでただのトモダチなんだねぇ……」
ジャミル「流石にやばい奴にたぶらかされていたら止めるけどな。まぁ、あいつが選んだ奴なら問題ないだろう」
フロイド「そっかぁ。なら、ジェイドはウミヘビくん的にオッケーなの?」
ジャミル「俺的には完全に無しだが、ジェイドにツバキをどうこう出来ないと分かっているから、まぁ良いかなって」
フロイド「ああ、まぁ……。ジェイド、本命にはよわよわみたいだし、オルカちゃんも敵対するにはやべぇ相手だしねぇ」
ジャミル「ああ。そもそも、ツバキに何かあったら、一族総出で徹底的に叩き潰されるだろうしな」
フロイド「それもそうだわ……」
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もし、ツバキが自分以外の誰かと一緒になったら?
ジャミル「俺は別に、ツバキが誰と一緒になろうが反対はしないよ。あいつが幸せになれるなら」
ジャミル「でも、あいつが泣きたいときにそばにいて欲しいのは俺で、嬉しいときに一緒に笑いたいのは俺なんだ」
ジャミル「色んな感情を、あいつが最初に共有したがるのは俺なんだ」
ジャミル「その事実が、何より俺を満たしてくれる」
ジャミル「あいつの一番が俺でなくなるまで、その優越感は俺だけのものだ。俺にはそれで十分だよ」
***
もし、ジャミルが自分以外の誰かと一緒になったら?
ツバキ「別に構わない。彼が、“この人となら幸せになれる”と信じて選んだ人ならば」
ツバキ「ジャミルが何より大事にしたいと思う人が、きっと誰よりジャミルを愛する人だろうから」
ツバキ「でも、プライドの高い彼が自分の弱いところを好きな人に見せるのは、きっと凄く勇気がいると思うんだ。その勇気が湧いてくるまでは、きっと安心して泣けるのは私のそばだけだから、その場所を守って行けたら良いなと思うよ」
ツバキ「いつか来る、その場所を誰かに明け渡すときまでは」
ツバキ「それまでは、私が一番、彼を愛する