ジャミルの友達が姐さんだったら 小ネタ
カリム「そう言えば、ツバキは前にもここに来たんだよな? そのときも、こんな風に着替えさせられてたのか?」
ツバキ「ああ。以前はジャミルとお揃いの黒いスーツだったよ」
カリム「へぇ、お揃いの黒いスーツかぁ! 二人ともかっこよかっただろうな〜!」
ツバキ「ふふ、ジャミルによく似合っていたよ。私も、ジャミルに悪くないと言われたから、似合ってはいたんじゃないかな。だが、ヤバい組織の首領(ドン)にしか見えないとも言われたんだよなぁ……」
カリム「そっか。でも、どっちも本心だと思うぜ! ヤバい組織の首領(ドン)っていうのも事実だしな!」
ツバキ「まぁ、そうなんだが……。そんな笑顔で断言しないで欲しいな……」
シルバー「…………」
リリア(おお、シルバーがジャミルに嫉妬しておる……。サニワ殿が居ると、珍しい表情が見れるのう…….)
***
リリア「それにしても欲望の王、初見でサニワ殿の規格外さを見抜くとは……。なかなかやりおるな……」
シルバー「はい。かなりの実力者であることが伺えます」
ルーク「魔法の腕もそうだが、観察眼も優れている。油断ならない相手だ」
カリム「欲望の王かぁ。よく分からない奴だよな〜。でも、3年生が複数で相手しても勝てないってなると、とんでもない奴だよな」
ツバキ「私を基準にしないでくれないか?」
フロイド「やべぇ奴を判断するには、隣にやべぇ奴を並べるのが分かりやすいでしょ」
ツバキ「誠に遺憾である」
***
ツバキ「スケートか。ウィンタースポーツはあまり経験が無いなぁ」
フロイド「オルカちゃん、スケートやったことないの?」
ツバキ「いや、私も出来るには出来るが、流石にハウル程は滑れないな……」
フロイド「見せて見せて〜!」
ツバキ「構わないが、あまり期待しないでくれよ?」
ケイト「オレも見たいな〜。ツバキちゃん、絶対上手でしょ!」
ツバキ「そうでもないのですが……」
シャーッ
ケイト「普通に上手いじゃん!! っていうか、普通にジャックくんとタメはれそうなんだけど!!」
リリア「流石じゃの〜! サニワ殿は運動神経がいいんじゃな」
ジャック「流石だぜ……! ツバキ先輩、俺と勝負して貰えませんか!?」
ツバキ「君と競える程ではないよ。そのうちフロイドが君と競えるくらいに上達するはずだから、それを待っているといい」
フロイド「え〜、オレに丸投げ〜? まぁいいけど。ぜってぇウニちゃんをぎゃふんと言わせてやっから」
ジャック「望むところだ!」
***
ツバキ「何が入っているかも分からないのに、よく食べられるな……」
ラギー「そう言えばツバキさんはお嬢様だったッスね……」
ツバキ「まぁ、食べるのに困らないくらいには。だが、命懸けで働いた報酬で得たものだ。文句を言われる筋合いはないな」
ラギー「文句はねぇッスよ。ツバキさん家が、どんだけ簡単に人数を減らすか知っちゃったんで」
ツバキ「そうか。それならいいんだ。………だが、誰が作ったのか分からないものは、余程の事態にでも陥ってない限りは口にしない方がいい」
ラギー「そんなのオレの勝手でしょー?」
ツバキ「まぁ、それで死んでも自業自得ではあるんだが、東方の国ではやるなよ。故郷が滅びるぞ」
ラギー「東方の国では絶対にやらねぇッス」
ルーク「ふむ、穏やかではないね?」
ツバキ「東方の国には、至るところに神が祀られているんです。神のために捧げられた供物も。なので、東方の国での拾い食いは天罰が下る可能性があります」
ルーク「オーララ……。東方の国を尋ねる際は、十分に下調べをしてから行くとしよう」
ツバキ「それから、単純にヤバい事件に巻き込まれる可能性もあるんですよね。昔のことなのですが、道端に忘れ物のように食べ物が置きっぱなしにされていて、拾った子供が口にしてしまったんですよ」
グリム「そんなの、置きっぱなしにしておく方が悪いんだゾ!」
ラギー「そうそう。食べ物なら腐っちゃうしね。シシシッ」
ツバキ「それで、置いてあった食べ物を食べた子供が死んでしまって」
グリム「死んだ!? 何でなんだゾ!?」
ツバキ「その中に毒物が仕込まれていてな。犯人は誰でも良かったとか、いたずら目的だったと供述していたはずだ。それ以来、東方の国では置き忘れの食べ物を口にするなと注意喚起が為されているんだ」
ラギー「い、いたずらでそんなことをする奴がいるんスか……!? し、信じらんねぇ……!!」
ルーク「何と言うことを……」
ツバキ「模倣犯が現れて、針などを仕込んで食べ物を放置した人間も現れたという話だ。君達は運が良かったな」
***
ラギー「何かきっとここでの記憶を残す方法があるはず……! くうっ、何がなんでも忘れてたまるか!」
ツバキ「………私が覚えているから、大丈夫だよ」
ラギー「ホントッスか!? 流石ツバキさん〜!!」
ツバキ「ふふ、そんなに喜んで貰えるなら、私も何か用意しよう」
ラギー「マジッスか!? も、貰う〜〜〜!!」
ツバキ「もちろん。東方の国は美食の国だから、美味しいものがいいかな? 長く使えるものの方がいいなら、伝統工芸品もおすすめだな。美しく、使い心地のいいものも多いんだ」
ラギー「あ、一応、お返しはするッスよ……? でも、あんま期待しないで欲しいって言うか……」
ツバキ「いいさ。君が私に合うと思ったものをくれたら」
ラギー「………ちょっと、頑張って探してみるッス」
***
カリム「ごめんなぁ、ツバキ。ツバキに声掛けないでエース達を探しに行って……」
ツバキ「…………」
カリム「危なかったけど、怪我はしてないぜ! その代わり、ユニーク魔法は使えなくされちまったんだけどさ……」
ツバキ「…………」
カリム「そんなに辛そうな顔しないでくれよ! きっと大丈夫! 何とかなるって!」
ツバキ「…………」
カリム「ツバキ〜〜〜! 無視しないでくれよ〜〜〜!」
ツバキ「………時折、もどかしくなる」
カリム「え?」
ツバキ「私が、普通の家庭の子供だったら、何も考えずに行動出来るのに。たくさんの制約が私を縛って、大事なときに何も出来ない」
カリム「……そんなことないぜ。ツバキはいつも、オレ達を助けてくれる。今回だって、オレ達がここに迷い込んだのに気付いて、迎えに来てくれたんだろ?」
ツバキ「……審神者であることは私の誇りなのに。大事な事実なのに。いざというときに友達を守れないのが、悔しくてたまらない」
カリム「……そっか。ツバキは大事なものが多いもんな」
ツバキ「…………」
カリム「大事なものが多いのは、悪いことじゃないさ。ツバキは、そのままのツバキで居てくれよ。今回のことは、ちょっとタイミングが悪かっただけだって」
ツバキ「…………」
カリム「ほら、コトダマって言うんだっけ。言葉には力が宿るんだろ? 大丈夫、きっと上手くいく。そうだろ?」
ツバキ「………そうだな。うん、きっと上手くいく」
カリム「ちゃんとユニーク魔法も取り戻して、みんなでツイステッドワンダーランドに帰ろうな!」
ツバキ「ああ、勿論だとも」