ジャミルの友達が姐さんだったら 小ネタ






ツバキ「人のことを蛮族呼ばわりするのはどうかと思います」
レオナ「大分蛮族だと思うぞ」
ケイト「蛮族とは言わないけど、元気すぎる気はするかな~? もうちょっと大人しくしてみない?」
ツバキ「十分大人しくしていると思います」
ジャミル「まぁ、同業者が今のツバキを見たら、猫を被っていると判断するだろうな」
ジャック「えっ!? これで!!?」
カリム「人間相手だから、手加減はしてくれてるもんな!」
セベク「しているのか? 手加減を? 冗談ではなく???」
ツバキ「喧嘩に拳と魔法しか使っていないだろう?」
ヴィル「それ以外に何を使うのよ……。まさか、カタナを使うんじゃないでしょうね?」
ツバキ「刀も使いますが、私は何でも使いますよ」
リドル「具体的には?」
ジャミル「靴下に石を詰め込んだ即席投石やら、その場にあった酒瓶で即席火炎瓶やら……」
カリム「空になってた酒瓶を割って武器にしたり、落とし穴に竹槍を仕込んだりもしてたよな!」
イデア「本当に“何でも”過ぎて草」
ラギー「良いとこのお嬢様が使う手段じゃないんスよ、それは」
トレイ「もう少し手段を選んでくれ、頼むから」


***


イデア「蛮族エピソード投下するのやめて」
ジャミル「自分自身で蛮族説を補完するんじゃない」
ツバキ「遺憾の意を表明したい」


***


ジャミル「毒なんて盛らないさ。毒を食むのがどれだけ苦しいかなんて、俺が一番よく知っているんだからな」


***


ツバキ「"処女懐胎で俺の子を身籠ったんです!!!"とか言い出したらヤベェ奴の話なら出来ますが」
レオナ「せんでいい」


***


ツバキ「少し相談があるんだが、聞いて貰えるだろうか?」
ジェイド「おやおや、珍しいこともあるものですね。もちろん、お伺い致しますよ」
シルバー「ツバキ殿の頼みなら喜んで聞こう」
フロイド「食いつきがすげぇ」
アズール「シルバーさんはともかく、少しは躊躇しなさい、ジェイド」
ラギー「アズールくんが相談事を躊躇する方が珍しいんスけどね~」
アズール「ツバキさんの相談事なんて、メリットよりもデメリットの方が大きそうじゃないですか」
ラギー「まぁそうッスね」
ツバキ「散々な言われようだな……。まぁいい。うちの地下で飼っている化け物が居るのだけれど、その化け物について意見を聞きたいんだ」
リドル「待ってくれないか???」
ラギー「前提がまったく分からないんスけど!?」
シルバー「化け物を地下で飼う……? すまない、寝ぼけていて聞き間違えたのかもしれない。もう一度言って貰えないか?」
アズール「僕にもそう聞こえたので、ツバキさんの言い間違いの可能性がありますね」
リドル「むしろ、そうであってほしいものだよ」
ツバキ「詳しく話すと、取り込んだ獲物の声真似が出来る化け物が居たんだ。それで、とある子供がその化け物に食われたんだよ」
ジェイド「なるほど、話が読めました」
リドル「化け物と同じ発想をするんじゃないよ、ジェイド」
アズール「化け物には怪物をぶつけることでしか退治できないんですよ、リドルさん」
フロイド「上手いことつぶし合ってくれたらいいんだけどねぇ」
ツバキ「子供はとっくに化け物の養分にされて死んでしまっているのだけれど、化け物が子供の声を真似して“痛い痛い”って悲鳴を上げるものだから、まだ生きているのだと母親が思い込んでしまっていてな」
フロイド「オルカちゃんの実家って地獄の一丁目にあるの???」
ツバキ「外に出せるものではないから、うちの地下で飼い殺し状態なんだ」
ラギー「あまりにも地獄」
シルバー「母親の気持ちも分からないでもないが、それはあまりにも……」
ツバキ「そろそろ退治したいんだが、その場合、母親を引き離さないことにはどうしようもないんだ。どうやったら、母親に納得して貰えると思う?」
フロイド「穏便に済ませるのは無理じゃね?」
ツバキ「だよなぁ……」


***


モブ「神職なんて所詮インチキだろ?」
モブ「騙されやすそうな奴に適当なこと言って金巻き上げてるだけのくせに、粋がってんじゃねぇよ」
モブ「寮長達も、よくロイソの奴の言うことなんか信じるよな」

ツバキ「………………」

モブ「あ? 何だよ、何か文句でもあんのか?」
モブ「何か言いたいことがあるならはっきり言えよ!」

ツバキ「…………君達、最近海か川に行かなかったか?」
モブ「あ? 海か川? それがどうしたって言うんだよ?」
モブ「確かにこの前の休日に川に行ったけど、なんで知ってんだよ……」
ツバキ「…………三歳くらいだろうか。おそらく女の子だと思うんだが、足に纏わり付いているんだ」
モブ「………………は?」
モブ「な、何言ってんだよ? 何もいねぇじゃねか?」
ツバキ「顔が溶けていて、よく分からないな……」
モブ「か、顔が溶けてる……???」
モブ「お、おい、さっきから何言ってるんだよ!?」
ツバキ「川で溺死した子供の話だよ。どうやら、君達のうちの誰かがお兄さんに似ているらしい。迎えに来てくれたと思って、ついてきてしまったようだ」
モブ「おっっっぎょ……」
モブ「ふぇぇ……」
ツバキ「まぁ、無害な子だから気にするな。満足したら勝手に成仏するさ」
モブ「待ってぇぇぇ!!! 行かないでぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
モブ「インチキとか言ってすいませんでしたぁっ!!!」
モブ「謝るから! 謝るからどうにかしてえええええええええええええ!!!」


***


ツバキ「そう言えば、やっぱりRSAとNRCでは寮服も随分と違うなぁ……」
ジェイド「おや、そうなのですか?」
フロイド「へぇ~! どんなのがあるの?」
ツバキ「うちの寮は軍服のような見た目だな。ディアソムニアの寮服が一番近いだろうか?」
リリア「おお、それはまことか!?」
カリム「オレ、見たことあるぜ! ピシッとしててかっこいいんだ!」
リリア「ならば、ディアソムニアの寮服に興味はないか? きっと似合うと思うのじゃが!」
シルバー「リリア様!?」
フロイド「どっから出したの、メンダコちゃん」
リリア「シルバーの箪笥から喚び出したんじゃ!」
シルバー「リリア様!!?!?」
フロイド「っていうか、それありなの~? なら、オクタヴィネルの寮服も着ようよ~。オルカちゃんスラッとしてて背も高いし、絶対似合うと思うんだよね」
ジェイド「こんなこともあろうかと、ご用意してあります」
ツバキ「何故用意してあるんだ」
カリム「“こんなこともあろうかと”で用意できるもんなのか!? 凄いなぁ、ジェイド!」
ツバキ「感心するところじゃないと思うぞ。というか、どんな想定をしているんだ、君は……」
リリア「まぁまぁ、良いではないか! 折角じゃし、わしと同じタイプの寮服も着てみんか? ツバキ殿なら着こなせるじゃろうて!」
ツバキ「いや、着ませんが」
カリム「待ってくれよ、みんな! そもそもツバキはスカラビアの子だぜ!? スカラビアの寮服を着るのが筋だろ!?」
フロイド「え~? オルカちゃん、いつからスカラビアの子になったの?」
ツバキ「いつだろうな……」


***


ジョルジーナ「ねぇ、ジェイドさん。例のツバキさん、中々面白そうな方ね?」
ジェイド「おや、お母さんもそう思いますか」
ジョルジーナ「ええ。魔法が使えない私でも、彼女の底知れ無さを感じましたわ。つい、暴いてみたくなるような方ね?」
ジェイド「ふふふ、ええ、そうなんです。全てを詳らかにしたくなるような、けれどそのままで居て欲しいような……。実に興味深い方ですよ」
ジョルジーナ「でも、思ったより穏やかな方だったわ。もう少し刺激的な方だと思っていましたから」
ジェイド「そうですね。確かに普段はとても穏やかな気性の方ですよ。慈しみに溢れた、優しい人です。けれど、それはあくまで一側面。非常に苛烈な一面も持ち合わせているのですよ?」
ジョルジーナ「…………ふふ、なるほど」
ジェイド「お母さん?」
ジョルジーナ「いいえ、何でもありませんよ」


***


本編15のif

ジャミル「そう言えば、例の葬式の話はどうなったんだ?」
ツバキ「まだ執り行われていないよ。身体が見つからないから、ご両親が息子の死を認めていないようだ」
ジャミル「…………神隠しか?」
ツバキ「いいや、拐かされたのは事実だろうが、神ではない。アレ・・は神に好かれる性質タチではないからな」
ジャミル「…………」
ツバキ「探しに行っても良いんだが、縁を切ってしまったから、探すのに苦労しそうなんだよなぁ……」
ジャミル「…………」
ツバキ「……ジャミル?」
ジャミル「いや、何でもない。その男のことは放っておけ。むしろ、そいつを探しに行こうとする者が二次被害に遭う方が拙いんじゃないか?」
ツバキ「ああ、そうだな。そちらの対処をしないと……」
ジャミル「そもそも、関わらない方が良いだろう。君はやれるだけのことをやったんだろう? なら、十分に義務は果たしている。自業自得で居なくなった奴のことなんて捨て置け」
ツバキ「……それもそうだな」

後日、魔法機動隊マジカルフォースが出動し、狂ったように笑い続けるシュワルツが見つかる。
死んでいるはずなのに、死んでいない状態で。
体中を蹂躙された形跡。薄く限界まで伸びた皮膚。内側から破裂したと思われる腹部。内側から何かが這い出たような痕跡。
シュワルツは、ずっと上を見続けていた。首を逸らし続けていた。決して下半身を見ないように。妊婦のようになっていた腹を見ないように。
人は希望を見たくて上を向く。けれど彼は、絶望から目を背けるために上を向いていた。
そうすることでしか、現実から目を逸らす方法がなかったから。




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