ジャミルの友達が姐さんだったら 没ネタ
ツバキ「近々、ムカイが黎明の国に来るらしい。ついでに、こちらに寄るかもしれないとのことだ」
カリム「ムカイって、あのちょっと怖い獏だよな? こっちに寄るって、確実にジャミル目当てだよな……」
ツバキ「ああ。むしろジャミルが本命だろう」
カリム「だよなぁ。あいつ、ずっとジャミルの夢を欲しがってたし、まだ諦められないんだな」
ケイト「ねぇ~、いきなり部活時間に現れて、物騒な話始めるの止めない? オレくん怖いんだけど~!」
ツバキ「すいません。ジャミルにはあまり聞かせたくないことなので」
リリア「バクとは、動物の獏のことか? 夢が欲しいとは?」
ツバキ「いえ、見た目は確かに動物に近いものはありますが、全くの別物です。無闇に人に危害を加えることはありませんが、関わることを推奨できるものではない、とだけ」
ケイト「何かヤバげな奴じゃん! そんなのがジャミルくんを狙ってるの!? ジャミルくん、大丈夫!?」
リリア「何故ジャミルが狙われておる? ジャミルは神のお気に入り、愛し仔じゃろう? ジャミルを狙うのは、相当なリスクがある。それでも狙うということは、相応の理由があるはずじゃが……」
ツバキ「それだけジャミルには価値があるんですよ。その恐ろしいリスクを冒すほどの価値が」
ケイト「やば……。むしろ、よく学校通えてるね……?」
ツバキ「それはカリムや殿下達も同じですけどね。まぁ、
ケイト「…………前々から思ってたけど、ツバキちゃんって結構権力ありそうだよね?」
ツバキ「ご想像にお任せします」
ケイト「ひぇぇ……。これ、絶対やばいお家じゃん……」
リリア「そう言えば、わしは神の愛し仔はジャミル以外に見たことがないのでよく分からんのじゃが、他にもおるんじゃろう? やはり、その者達も狙われておるのか?」
カリム「おう。色んな団体から狙われてるみたいだぜ。教祖になってくれって頼み込む宗教団体とか、身体の一部を売ってくれとか」
ケイト「か、身体の一部……?」
カリム「何でも、神のお気に入りは特別な存在だから、その身体にも不思議な力があって、持っているだけで幸福になれるとか。あとは、万病を治す薬になるとか……」
ツバキ「昔、神のお気に入りの身体を切り刻んで、オークションが開かれたという事件もあったんですよ」
ケイト「ひぃっ」
リリア「…………悍ましいことを」
ツバキ「まぁ、関係者達には天罰が下り、口に出すのも憚られるような最期を迎えましたが」
リリア「当然じゃな」
カリム「そう言えば、ジャミルも昔、変な奴に絡まれてたよな。1億出すから血を売ってくれとか」
ツバキ「あったな、そんなこと。今でもあるようだが」
ケイト「ジャミルくん、よく五体満足で生きてられるね!?」
ツバキ「ふふ、そんな連中には、血の一滴さえも渡しませんよ」
***
ツバキ「夢の中に入り込む方法が無いわけではないんです。
ただ、その方法に必要なアイテムを手に入れることが、ほぼ不可能に近い。
夢商人“ムカイ”に代価を渡し、その礼として“夢路の鏡”を貰わなければならないんです。
ですが、“夢路の鏡”は大変貴重な物で、代価が生半可なものでは釣り合いが取れないんです。
それこそ、神の愛し子の一部を代価にしなければならないほどには。
普通の人間ならば、身体の中身が空っぽになるくらいの覚悟が必要ですよ」
***
ジャミル「そう言えば、おじさんがツバキに髪飾りを贈った奴について聞きたいって言ってたな……」
カリム「お、これ近いうちにおじちゃんも賢者の島に来るフラグか?」
リドル「おじさん?」
ラギー「髪飾り? そう言えば、たまに付けてるッスね」
ジャミル「ツバキのお父さんだよ。それで、ツバキに髪飾りを贈ったのはジェイドとシルバーだ」
ジェイド「おやおやおやおや……」
フロイド「ジェイド、震えてっけど大丈夫~?」
アズール「お前、いつの間にそんなことを……」
シルバー「…………ふむ、ツバキ殿は名家の跡取りだったな。素性調査をしたいと言うことだろうか?」
ジャミル「いや、単純にツバキにちょっかいを掛ける奴について知りたかっただけだろう。あの人、ものに込められた念とか、そういうのが見えるそうだから」
シルバー「…………なる、ほど……」
カリム「大丈夫か、シルバー。顔真っ赤だぞ?」
リドル「ジェイドも凄い顔色だね。保健室に行った方が良いと思うんだけど……」
ラギー「うっそでしょ、リドルくん。いや、ジェイドくんとシルバーくんもマジで? ツバキさんッスよ???」
アズール「…………は? …………はぁ!? 冗談でしょう、ジェイド!!?」
ジャミル「で、教えて良いか?」
ジェイド「待っっってください!!!」
シルバー「お、俺も待って欲しい。直接お会いするわけでもないのに、物凄く緊張してしまって……」
ジャミル「まぁ、“アソビ“感覚だったり、ツバキを利用しようとしているとかでないなら、大丈夫だと思うんだけどな」
カリム「おじちゃん、めちゃくちゃ心広いもんな~。情に厚いって言うのかな。とにかく、めちゃくちゃかっこいいんだぜ!」
ジャミル「確かに、なかなかいないよな。あれほどの男前は」
カリム「なぁ~! でも、おじちゃんが異性の基準だったら、物凄くハードル高いんじゃないか?」
ジャミル「一応、おじさんを基準にはしていないようだが、あいつの周り、能力の高さだけならピカイチな人が多いし、そういう意味では理想は高いかもな。そもそも、ツバキのスペックがぶっ壊れているし」
カリム「そう言えば、自分より強い人が良いみたいなことは言ってた気がするな」
ジャミル「どこまで込みなのかで変わるな、それは。あいつ自身だけなら、あいつより強い奴なんてごまんといるだろうが、使い魔や審神者の力をフル活用した自分で考えているなら、それこそマレウス先輩レベルでないと話にならないし……」
ジェイド「………………」
シルバー「………………」
フロイド「そこの幼馴染み~、二人が撃沈しちゃったじゃん。どうすんの、これ」
ジャミル「放っておけ。実物を見たら、こんなもんじゃなくなる」
アズール「さらに追い打ち掛けやがりましたね、この人……」
ラギー「しばらく立ち直れなさそうッスね、これは……」
リドル「まぁ、放っておいても立ち直るだろうから、そっとしておこうか」
ラギー「そッスね。下手に関わると面倒そうだし」
ツバキのお父さんの設定が固まりきっていないので、没という形にしました。
あと、収集付かなくなったので。
***
監督生が女の子だったら
監督生「ツバキ先輩! 恋バナしましょう!」
ツバキ「恋バナする相手の選択肢としては不適格過ぎる選択をしたな、君」
監督生「え? ジャミル先輩と付き合っているのでは……?」
ツバキ「それだけはない」
監督生「そんなきっぱり言う……? じゃあ、カリム先輩……?」
ツバキ「それもない」
監督生「おぅふ……。えぇ~、じゃあ、好きな人とか居ないんです……?」
ツバキ「考えたこともないな」
監督生「あんなに仲良いのに……?」
ツバキ「幼馴染みで親友だからな。距離が近い自覚はあるが、そう言った想いを抱いたことは一度も無いな」
監督生「うっそだ~! 二人とも、あんなにかっこいいのに?」
ツバキ「神にだって誓えるよ」
人の機微に疎いタイプの監督生。
ツバキが疲れて距離を取るので話が展開しない。
前世で傷付けられすぎたあまり、“逃げる”という選択を知ったので。
***
↑とは違うタイプの監督生
監督生「ツバキ先輩ってモテますよね。誰かとお付き合いとかしないんですか?」
ツバキ「……君は私の実家のことは知っていただろうか?」
監督生「あんまり知らないです。神職のお家だってことくらい?」
ツバキ「そうか。うちは千年以上続く名家でな。下手なお付き合いは出来ないんだ」
監督生「あっ、なるほどぉ……。ご実家厳しいんです?」
ツバキ「そうでもない。だが、学生の恋愛ごっこを楽しめるような立場ではない。そして、お付き合いをするなら結婚を視野に入れなければならないんだ」
監督生「うひゃあ、住む世界が違う感じ……。じゃあ、仮にお付き合いするとして、どんな人ならオッケーなんです?」
ツバキ「そうだな。一族の意見としては、釣り合いが取れる家の者が望ましいとはされている」
監督生「いや、そんなご実家と釣り合いが取れる家って、相当大きい家じゃないと駄目なんでは……?」
ツバキ「まぁな。だが、先代である祖母は“孫が目尻に皺をこさえて死ねるならそれで良い“と」
監督生「目尻……。あ、笑皺が出来るくらい笑って死ねたらいいってことです? わ、良いおばあちゃんですね」
ツバキ「ああ。祖父は“椿が選んだ者なら間違いないだろう”と」
監督生「信頼されてるんですね」
ツバキ「有り難いことにな。当代である母には“価値観の合う人になさい”と」
監督生「確かに、価値観は大事ですよね。私は食の好みが似てる人が良いなぁ」
ツバキ「私もそれは大事だな。父は“椿の立場を理解している人を選ぶように“と」
監督生「名家ってことは、お仕事もお忙しそうですしね。多少家庭を顧みられない部分もありそうですから、そこを理解してくれる人でないと、長続きはしなさそうですよね」
ツバキ「ああ。うちは母が多忙な人で、父が母を支える形を取っている。だから、それが出来る人でないと、うまく行かないことをよく分かっているのだろう」
監督生「そうなると、やっぱりある程度の格式のあるお家じゃないと、理解が得られそうにないですね」
ツバキ「そうだな。一般家庭出身の人とは、感覚が異なる部分も多い。だから私自身も、よほどのことが無い限り、自国の神職に携わっている人が良いと思っているよ」
監督生「確かに、それが一番建設的ですね」
ツバキ「ところで監督生」
監督生「はい?」
ツバキ「誰に探りを入れてくるように言われたんだ?」
監督生「あ、あはは……。バレちゃいました?」
ツバキ「私はヴァンルージュ先輩辺りだと予想しているんだが」
監督生「そ、そこまでバレてますかぁ……」
ツバキ「シルバーを売り込みたいんだろうが、彼は難しいんじゃないだろうか」
監督生「え? そうなんです? シルバー先輩なら、ツバキ先輩のお立場だって理解できるでしょうし、お仕事に理解を示してくれそうですけど」
ツバキ「私は清庭家の次期当主だぞ? つまり、婿入りしてもらわなければならないんだ。だが、彼は祖国を離れる気は無いだろうし、私も当主の座を降りる気は無い。お互いに譲れないものがあるのだから、実質不可能では?」
監督生「あっ、あー……。なるほどぉ……。それは確かに落としどころも見つけずらいし、難しい案件ですね……」
こちらも収集が付かなくなったので没です。
また、本編は男監督生でいこうと考えていますので、女監督生想定のものは基本的に小ネタか没です。
***
↑のネタ
ジャミルにも聞いてみた的な。
ジャミル「ツバキの大切なものを否定しない奴なら良いんじゃないか?」
ジャミル「俺はあいつの大切なものを知らないけれど、それを否定されたら、あいつはきっと駄目になる」
ジャミル「だから、それがどんなものであれ受け入れられる奴なら、あいつはそれだけで幸せなんじゃないかな」
***
原作邂逅
原作カリムが犠牲者を見ちゃったネタ。
原作カリム「どうして、こんな……。なんで、こんなにたくさんの人が死ななきゃならないんだ……?」
原作カリム「助けられなかったのか? ツバキはすごい奴なんだろ?」
カリム「無茶言うなよ、そっちのオレ」
カリム「これでツバキを失うようなことになったら、オレはお前を一生恨むぜ?」
***
ハーツラビュル編の没ネタ。
ツバキが完全に怪異に避けられており、メタ張りされていて、自分の力だけでは怪異の元にたどり着けない。
ハーツラビュルを顕現させて、案内してもらう。
ハートの女王を模した女性。もしくはアリスモチーフの女の子でも可。
***
所謂女バレ。
ツバキは別に隠していないんですけどね。
匂いネタは別の案を採用したので、没行きになりました。
アズール「はぁ!!!?? あな、あなた、女性だったんですか……!!!??!?」
ツバキ「そうだが。というか、骨格とかで分からないものか?」
レオナ「いや、確かに男にしちゃあ線が細ぇなとは……」
エース「てか、匂いで分からないもんなんスか? 男と女じゃ、全然違うって聞きますけど」
レオナ「…………ああ、なるほど。道理で気付ねぇ訳だ。お前、匂いがねぇんだ」
アズール「は?」
ツバキ「ああ、それですか。体質、と言いますか、我が国には“名は体を表す“という言葉がありまして。私の名である”椿”というのは、香りのない花の名前なんです。それ故か、私には生まれつき匂いがほとんどないとか」
レオナ「…………そんなことあんのかよ」
ツバキ「あるから、こうしてあなたが私を女と認識出来なかったんですよ」
レオナ「…………何でもありだな、東方の国は」
ジャミル「でも、ジェイドは気付いても良かったんじゃないか? 箒の二人乗りしたんだろ? そのときに気付かなかったのか?」
ジェイド「あのときは、それどころではなかったので………」
ジャミル「ああ、確かに……。あのときの君、死にかけていたもんな……」
カリム「じゃあシルバーは? ツバキにリボンの髪留めをプレゼントしたんだろ? 女の子だって思ったから贈ったんじゃないのか?」
シルバー「……いや、分かっていない状態で、ただ単純に、ツバキ殿に似合いそうだな、と」
カリム「確かにあの髪留め、ツバキによく似合ってるよな! 男とか女とか関係無しに贈りたくなっちまうのも分かるぜ!」