ジャミルの友達が姐さんだったら 10






神様に愛されるというのは良いことばかりではない。大きすぎる寵愛は、人ごときに受け止めきれるものではない。
いつか押し潰されてしまうと分かり切っているものに憧れる意味が、ツバキやジャミルには分からない。
当事者と、それを羨む外野の違い。


ボヌール・デスタン
ポムフィオーレ寮所属。ヴィル達と同学年の2年生。
ヴィルのファン。周囲はヴィルを信仰しているタイプのファンだと思っているが、実はかなりの厄介なファン。
恐ろしいことに、そのことには誰も気付いていなかった。
ルークに成り代わり、ヴィルの隣に立とうと危険なおまじないに手を出した。
それが叶わなくなり、ヴィルに相応しくない自分はこの世界に居るべきではない、と自殺を図る。
憧れの人と、中途半端に距離が近づいてしまったために、そのような考えに至った。
過ぎた憧れに、身を焼かれた男の末路。




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