イナイレ夢
丁度練習が終わった時刻。
私たちは二人きりになった。
「ねぇねぇ、佐久間君。」
その二人きりになった時間を利用して、私はたずねた。
「何だ?」
佐久間君の表情は訝しげで、少し不機嫌にも見えた。
けれど、私は笑って言った。
「佐久間君は私のものだよね?」
すると佐久間君は笑った。
目の奥と心は笑ってないけれど。
綺麗だけれど、氷より冷たくて。
けれど、私には関係ない。これは、傷のなめ合い。
「何言ってんだよ。当然だろ?
そういうお前も俺のものだろ?」
私も佐久間君と同じような笑みで返した。
当然だよ、と。
彼も気にしないから、これ以上の表情を作る必要はない。
彼もこれを、傷のなめ合いとして、利用しているだけだから。
これはすべて嘘。
本当なんて、何一つない、偽り。
唯一、本当なのは、偽りであるということだけ。
私たちは傷のなめ合いをしてる。
お互いを傷つけないように。
私たちがしていることは偽りで・・・。
私たちはお互いでお互いを癒しているだけ。
それはただの傷のなめ合い。
そうしなければ、今にも死んでしまいそうなほど、私たちは傷ついているから。
それほどまでにに私たちは傷付けられたから。
してはいけないことでもないから。
醜いことかもしれないけれど、
私たちは・・・
傷のなめ合いをしている。
