イナイレ夢
歌が聞こえた。
聞き覚えのある声。
そっちを向くと泉谷がいた。
泉谷は、ついこの前、意外な身体能力の持ち主ってことで、雷門夏未が連れてきた。
元・合唱部だった気がする。
「泉谷って、合唱部だったっけ?」
声をかけてみると泉谷が振り向いた。
「ん?ああ、マックスか。うん、そうだよ。」
泉谷が笑った。
泉谷はたしか、合唱部のマドンナとして、有名だったと思う。
合唱部の笑顔が似合うマドンナ。
確かによく似合うなぁって思う。
「それが、どうしたの?」
「うん、歌ってたから。」
ああって、ポンと手のひらを叩く。
「・・・・・サッカー部に来てよかったの?」
そうたずれると、泉谷は更に笑った。
「いいんだよ。サッカー、楽しいしさ。
それに、私の中で、歌より上に来るものなんてないんだから。」
そう言って、泉谷は大きく伸びをした。
歌より上に来るものなんてない・・・ねぇ・・・。
「面白そうだね・・・。」
「マックス?」
「こっちの話。」
そっかって笑って、泉谷は笑顔のまま、さっきとは別の楽しげで、明るい歌を歌い出した。
歌より上に来るものなんてない。
それはどうかな?
「僕が歌より上に来るものになってあげるよ・・・。」
僕の呟きは、泉谷の綺麗な歌声の中に消えた。
