風丸夢
ウチはリカみたいに、ある人に一目ぼれをした。
その人は、リカの好きな人のチームに居った人で、水色の髪のポニーテールの人や。
綺麗な顔してるけど、実は男らしくて、かっこいい人や。
そんな彼を気にいったんか、わざとかは知らんけど、玲華が彼にちょっかいをかける。
ウチはベンチやから、試合には出られへん。
ウチは泣きたい位、悔しかった。
殺したい位、恨めしくて、憎らしかった。
「恋歌ー!」
玲華の声や。
ウチはいろんなもんを抑え込みながら玲華を見る。
玲華は何故か、楽しげで、ウチの怒りを膨らませた。
「何~?」
「恋歌、ほら!さっきの人たちやで!」
そう言って、テレビのモニターを指差した。
そのとき、丁度、彼が映る。
それを見て、玲華の目が更に輝いたように見えた。
ウチはゆっくりと、玲華のところに行く。
丁度よく、ウチはペンを持っていた。
玲華。知ってる?
恋は戦争なんやで?
ウチは、玲華にペンを振りおろした。
振り向いた玲華に、ペンが埋まる。
END