死ぬほど病弱な審神者の話
長く虐げられてきた。苦しめられてきた。とある刀剣の言葉を借りるなら――この世は地獄だった。
けれど、そんな日々もようやく終わる。長く自分達を不当に扱ってきた審神者は捕らえられ、しかるべき処置が下された。
――ああ、ようやく物言わぬ鉄に還れる。
長らく絶望の底に落ちていた刀剣達はようやく上を向くことが出来た。
けれど、そんな希望は儚い夢と散った。
――新たな審神者が立てられるのだ。
ああ、また辱められるのか。
政府には自分達で刀を折らぬようまじないをかけられ自害することはかなわない。ただただ、次なる地獄を待つことしかできない。
そして今日、新たな審神者がやってくる。