うちの初期刀は聖母様






※ちゃんねるネタで考えていたので秋の話し相手はスレ民たちです

ネタ1
秋「私、強制拉致組でさ。いきなり家族から引き離されて、命懸けの職につかされて、しかもチュートリアルでまんばちゃんはボロボロになっちゃうし、何が何だか分からなくてずっと泣いてたんだー」
「やめて、明るくいうのやめて」
「チュートリアルはやった?」
秋「やったよー。私が泣いててもお構いなし。こんのすけがトラウマになっちゃいそうだったよ」
「」
「」
「」
秋「ずっと泣いてたのもあってか、まんばちゃんたちに手のかかる妹って認識されてるんだよねー」


ネタ2
秋「(恋愛的な意味での)神隠しの心配ないよ!」
秋「それに、私が家族(両親)のこと大好きなの、みんなちゃんと知ってるから、大丈夫」


ネタ3
秋「罪悪感に付け込んで、担当さんから仕入れた情報だから間違いないよ!」
「し、強かに成長したようで……」
秋「情報の共有は大事だよね!^^」


ネタ4
秋「うちは初期のメンツがメンツだから、まんばちゃんと伽羅さんが中心に本丸を引っ張って行かざるを得なかったんだよね」
「つまりお父さんお母さんしてたらいつの間にか恋に、って感じか」
秋「そんな感じ。そして私が12の時にようやく伽羅さんがまんばちゃんに結納を申し込んだんだ。そして結納。」
秋「まぁ式を挙げる前にちょっと大きな事件があって、かなり先延ばしになっちゃったんだけどね」
秋「あ、ちゃんと式も挙げたし、初夜も迎えてもらったよ! 翌日のまんばちゃんが色っぽい上に美し過ぎて伽羅さんがまんばちゃんを部屋から出さなかったっていう微笑ましい事件もあったけど」
「突然の惚気!!!」
「いきなり独り身の心を殺してくるんじゃありません!!!」


ネタ5
秋「それは本当に突然のことだった。何の前触れもなく、本丸の結界が破壊され、歴史修正主義者が襲いかかってきた」
秋「どうにかこうにか刀剣達が歴史修正主義者を食い止めて、誰一人欠けることなく勝利を収めたんだけど、そのさなか、私が負傷しちゃってさ。相手の脇差に腕を切られて血が止まらなくなっちゃったの」
秋「助けに来てくれた審神者さんが審神者専用病院に連れて行ってくれて一命は取り留めたんだけど、腕に今でも大きな傷が残ってる」
「女の子が傷なんて……」
秋「でも、いいこともあったんだよ。その病院に、お父さんとお母さんがいた」
「えっ!?」
秋「お父さんとお母さんがお医者さんをしてるのは知ってたんだけど、まさか審神者専門のお医者さんをしているとは思ってなかったよね」
秋「私を担当したお父さんは絶句。死んだと思ってた私が審神者として自分の病院に担ぎ込まれてくるとは思ってもみなかったんだって」
「え?死んだと思ってた?」
秋「そ。私は事故に遭って死んだことにされてたみたい。政府が9歳の少女を誘拐した事実を隠すためにね」
秋「私が実は生きていて、強制的に審神者にされて働かされていたことを知って、両親は大激怒。この事実を世間に公表。またはうちの病院で預かっている審神者の命を保証しないって政府を脅して、いつでも本丸と病院を行き来できる許可と、現世に帰れる許可をもぎ取ったんだ!」
「よかったな!」
秋「うん!しかも長年私を苦しめてきたこんのすけや担当役人も代えてくれて、一気に環境が変わったよね!」


ネタ6
秋「その日のまんばちゃんはずっと苛々してるようだった。それでストレス解消にと思って、演練に参加したんだけど、そこで事件発生。まんばちゃんが三日月に言い寄られたんだよ」
「おぅふ……」
「三日月ェ……」
秋「まぁ、伽羅さんがまんばちゃんの首筋を噛んで「こいつは俺のだ」って言ったら引き下がったんだけれども」
「大倶利伽羅のデレやべぇな、おい」
秋「そこで終わればよかったんだけど、相手の女審神者が噛みついてきたんだよ。「うちの三日月をたぶらかさないでよ!」って。たぶらかしてねぇよ、お宅の三日月が言い寄ってきたんだよ」
「お、おおぅ……」
秋「それに私が反論しようとすると「三日月に近寄らないでよ!色目使わないでくれる?」って。三日月ならうちにもいるわ、みかちゃんっていう最高の三日月宗近がな!」
秋「で、私があまりのことに絶句してたら相手が調子にのっちゃってさ。「これだから女審神者は嫌なのよ。三日月に擦り寄って、色目使って。どうせあんたも刀剣達に夜伽させてるような淫乱なんでしょう?あんたみたいな売女に降ろされたから、刀剣達もそうなのね」って」
「女の嫉妬怖ぇ……」
秋「これを聞いたうちの刀剣達がブチ切れ。その中でも一番切れてたのがまんばちゃん。もともとイラついてたのもあって、背後に般若が見えるレベルだった。その後は御察しの通り、まんばちゃん無双で完全勝利を収めたよ」
「ですよねー」
秋「でもその後が大変だった。まんばちゃんが体調を崩したんだよ」
秋「食欲がなくなっちゃったし、食べる物の好みも変わっちゃたし、においにも敏感になっちゃって、苦労してたよ。時々吐くこともあって、本当に辛そうだった」
秋「いらいらもあんまり解消されないみたいだし、時々お腹が引っ張られるような感覚があって、自分に何が起きているのかも分かんなくて、不安そうでもあったよ」
秋「私にはそういう知識がさっぱりなかったから分からなかったけど、短刀ちゃん達がピンと来たんだ。まんばちゃんは妊娠してるんじゃないかって」
秋「それでお母さんに診てもらったら、本当に妊娠してたんだ。伽羅さんの子を」


ネタ7
秋「お世継ぎ候補は多い方がいいって考えのもと、めっちゃ子作りに励んでいた人もいたわけで、行為=子供を作るためのもの、って認識してたらしい。昔は男色とか結構あったみたいだし、男でも子供が産めるのかなーって思ってた時期もあったみたい」
秋「それに、神様って本来は無性なんだって。けれど、人々の信仰によって性別が決まってくることもあるんだって。刀は男の象徴とされていた時代があって、その信仰が根強いから刀剣男士は男の姿を取ったみたい。刀が女の象徴であったなら、女の形をとっていたんだろうね」


ネタ8
秋「生まれた子が自分似だったのが嬉しくないわけじゃないけど、まんばちゃん似の子が欲しかった伽羅さんは、産後間もなくまんばちゃんのお腹を撫でながら「もう一人いけるか?」って聞いてたよ」
秋「ちなみに長男は茶髪に青みがかった緑の目をした広光。刀種は太刀。愛称はひろちゃん」
秋「次男は金髪に金色の目。腕に竜の刺青が入った切国。刀種は打刀。愛称はおくにちゃんです!」


ネタ9
秋「演練にてまたもや事件発生。まんばちゃんが一期に目をつけられて、迫られたんだよ。この時伽羅さんは本丸でちびちゃんたちのお世話をしてていなくてさ。私たちが旦那さんいるから!ってガードしてたんだけど、一期の奴、なんて言ったと思う?」
秋「「人妻ですか……。滾りますな」って。た ぎ る な」
秋「それからはもう人目なんか気にしてる場合じゃないって、まんばちゃんが演練に出るときは伽羅さんとちびちゃんも一緒に連れていくことにしたよ」


ネタ10
秋「これも結構大きな事件かな。初めて見習いを受け持つことになったんだけど、その男見習い(春)がまんばちゃんに惚れちゃってさ、自分の方がまんばちゃんに相応しい!って言ってちょっかいというか、まんばちゃんとひろちゃんたちの親権を奪おうとしたんだよね」
秋「ほら、伽羅さんって見た目誤解されやすいでしょ?不良っぽいし、まんばちゃんと並ぶとそれが余計に際立っちゃって、刀剣男士を初めて見た春さんにはあんまり印象が良くなかったみたい」
秋「その上そんな二人に子供がいるってなるでしょ?手篭めにでもされたんじゃないかって勘ぐっちゃったんだよね。そこからはもう研修どころじゃなかった(遠い目)」


ネタ11
秋「「あんたは悪人じゃない。少し思い込みが激しいようだが、誠実な人間だ。だからきっと、あんたの想いに答えてくれる相手はきっといる」って」
秋「それから「でもそれは、俺ではない誰かだ。俺には大切な家族がいて、愛する夫がいる。彼を裏切ることはできないし、したくない。だから、あんたの想いには答えられない」って続けた。そしたら春さんが一つだけ聞きたいって言いだして、質問したんだ。「貴方は彼に愛されていますか?」って」
秋「愚問だよね。まんばちゃんは少し照れつつも、凄く幸せそうに言った。「ああ、もちろんだ。ちょっと、愛し過ぎではないかと思うくらいに」って。そうしたら春さんは少し切なそうにしつつ、笑って言ったんだ。「なら、よかったです」って」
秋「それからまんばちゃんと伽羅さんたちに謝って、自分の性格では刀剣達と確執を起こしてしまいと思うから審神者を降りるって言いだしたんだ。無理なら山姥切と大倶利伽羅は降ろさないって約束する、って」
秋「まんばちゃんたちがそこまでしなくてもいいって言ったんだけど、自分が駄目なんだって言うんだ。貴方と重ねてしまうだろうからって、それは不誠実で失礼なことだって、首を振るの」
秋「その後の彼は真面目に研修をこなして、立派な審神者になったよ。初期刀は歌仙を選んだ」
秋「彼は今でも、山姥切と大倶利伽羅が来たら誠心誠意謝って、本霊にお帰りいただいているそうだよ。そんな彼の誠実さに歌仙が思いを寄せているようで、春が待ち遠しいです」
「お前、そのオチがあるから見習いのコテハンを「春」にしたな?」
秋「ばれたかwwwww」


ネタ12
秋「私的にはこれも修羅場だったかな。また見習いを任されるんだけど、その子がかつての同級生で、神職の娘さん(夏)」
秋「私のいた時代では、神職っていうのはステータスだったんだ。だから一般家庭の私は見下されてたんだよね」
「ああ、秋は審神者が世間に浸透し始めた時代の生まれなのか……」
秋「まだまだメジャーではなかったし、知ってる人間も限られてたけど、神職の人間が政府に優遇され始めた時だったから。そんなときに生まれた夏は自分が他人より上の存在だと思って育ってきたんだよね」
秋「だからかな、神職の出でもない私が自分よりできるはずがないって思ってて、春さんとは別の意味で研修にならなかったよ」
秋「しかも今度は夏が伽羅さんに一目惚れしちゃったから、さぁ大変」
秋「しかもそのときまんばちゃんとおくにちゃんは遠征部隊に配属されていて本丸にいなくてさ。ひろちゃんが私と伽羅さんの子供だって勘違いされちゃって、もうまともに話も出来ないような状態に陥っちゃったわけよ」
「お、おぅふ……」
「ひぇぇ……」
秋「まァその後まんばちゃんが帰ってきてその誤解は解けたんだけど、今度はまんばちゃんが相手だって知って、これなら勝てる!って夏が勘違いしちゃったことが問題だよね」
「は?」
秋「伽羅さんも男の人だし、絶対女の子の方がいいよね!って思っちゃったんだよ、夏は。今までいた女の子は私って言うブサイクしかいなかったわけで、夏みたいな美人が現れたら、そっちになびくのは当然!みたいな。あの二人の相思相愛ぶりを知らないから落ち入れる思考だよね」


ネタ13
秋「でも本当にひどいのはここから。夏は私やちびちゃんたちをネタに伽羅さんに自分の恋人の様にふるまわせたんだ。しかもまんばちゃんの前で」
「何それ……」
秋「政府への脅しのネタはこっちも持ってるけど、相手は神職のお嬢様。総力を挙げてこられたらこっちに勝ち目はない。だから私も刀剣達も強くは出られなくて、夏のいいようにされてたんだ」
「秋は一般家庭だもんな……」
秋「うん。それをみんな分かってるから、悔しさを我慢して夏の行動も見て見ぬふりをしてくれたんだ。伽羅さんもすごく辛そうで、少しでも夏が離れるとすぐにまんばちゃんやちびちゃんたちの元に駆け寄って、何度も謝ってたよ」
秋「そんなみんなの様子が一番こたえたのは私で、自分の力の無さが惨めで、悔しくて、何もできない自分に腹が立った」
秋「そのいらいらが溜まってて、それをまんばちゃんにぶつけちゃったんだよね。伽羅さんを取られないかとか、そういうので不安だろうまんばちゃんに「嫉妬しないの?浮気とか心配じゃないの?」って聞いちゃったんだ」
秋「でもまんばちゃんはほんっとうにこれっぽっちも堪えてる様子はなくて、むしろ何で?って感じに首をかしげてきた。こっちが何で?だよ」
「本当にな!!!」
秋「理由を聞いたらさ、こう言われたんだ。「自分を信用できないやつに、自分の背中を預けたいとは思わないだろう?まして、惚れた相手を疑うような器の小さい奴に、心を送りたいとは思わない。あいつもきっとそうだろう。だから俺はあいつのためにもそんな奴にはなれないし、なる必要もないんだ」って」
秋「それを聞いて、私のイライラや不安は杞憂であることを悟った」
秋「「伽羅さんのこと、信頼してるんだね!知ってたけど!でも最後の「なる必要はない」ってのは?」って聞くと、まんばちゃんが口ごもった。言えないようなことなのかって聞いたら、教えてくれたけども」
秋「「だ、だって、浮気を疑う必要もないくらいに、あいつは俺たちを大切にしてくれているし、嫉妬しようにも、俺の方が優先されていると再確認させられるだけで……。俺は薄情なんだろうか……」って。明らかに態度違うもんね!そりゃ嫉妬しないわけだわ!と、変なふうにテンションの上がった私は、そのテンションのまま言ったよね」
秋「「薄情なんかじゃないよ!むしろそれだけ信頼されて嬉しいと思う!いや、絶対そう!!てか嫉妬しようとしてたんだね!」って。そうしたらまんばちゃんが綺麗に微笑んだ」
秋「「俺は主のための俺だが、同時にあいつのための俺でもあるからな。あいつが望むならば叶えたい。あいつの心に答えたい」って。「本来なら主のためにすべてを捧げなければならないんだが、これだけは、この気持ちだけは譲れない。二心を抱くような刀で申し訳ない……」だってさ」
秋「私としては全然かまわないんですけど!むしろ伽羅さんを優先してあげてほしいんですけど!でもまんばちゃんってば私を優先させるんだよね……。伽羅さんも刀剣男士だから、それを当然というか、良しとしてて……。ちくしょう、私にも嫉妬しろよ」
「秋wwwwwwww」
「てか、まんばちゃんマジ天使。こんなん言われたら昇天するわ、まじで」
「てか秋は自分に嫉妬してほしいのかよwwwww」
「言わんとすることは分かるけどwwwww」
秋「そうだよ!まぁでも、この一連の流れを洗いざらい話して意趣返ししてやったけどね!伽羅さんってば「あいつは俺をどうしたいんだ?」って愕然としてたよ!」
「そらそうなるわ(真顔)」
「どうにかしてほしいんじゃないかな!」
秋「だよね!私もそれを言ったら怒られた!「本当にどうにかしてしまったらどうする」って。だから!それを許可してんの!まんばちゃんなら嫌がんないよ!?」
「てか、すでにどうにかしちゃってるから子供がいるんだろwwwww」
「wwwwwwwwwwwwwww」
「てか、卑屈こじらせ系のまんばがこんな余裕持ってるとかすげぇな」
「そんだけ大倶利伽羅に愛されてんだろ?言わせんな恥ずかしい///」
秋「それはね、恋と愛の違いだと思うよ」


ネタ14
秋「伽羅さんはさ、憧れとか尊敬がもっと深いところまで届いて、恋になったの。恋は自分の感情を中心にしたもので、自分と同じように相手に想って欲しいと思う物。要は見返りを求めるものなんだよね。思い想われる関係になりたい、いろんな感情を自分に向けてほしいんだ」
秋「一方でまんばちゃんは親愛とか、仲間に向けていた情が愛に代わって惹かれあっていったものなんだ。愛とはつまり愛情で、情とは思いやる気持ち。愛は情によって作られているから、相手に見返りを求めないもの。与えるもの。想わせてくれるだけでいいんだ」
秋「伽羅さんは嫉妬とかもするし、嫉妬とかしてほしいって思ってるんだけど、まんばちゃんは根が聖母だし、想わせてくれるならそれでいいって考えだから、嫉妬までたどり着かないんだよね」
秋「倶利伽羅は浮気なんて不誠実なことをする奴じゃないから心配いらないっていうんだけど、そういうことじゃないんだよおおおおおおおおおお!伽羅さんは!自分にもっと!いろんな感情を向けてほしいって!そう思ってるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!そんなところで正妻の余裕発揮しなくていいからああああああああああああああああ!!!」
秋「って常日頃思ってたけど、そういうこと(ネタ13)なら許す!!!!!」
「愛されてる自覚があるって最強だね!!!」
「愛は地球を救うってあながち間違いじゃないと思う」
秋「それな」
秋「以上、閑話休題」
秋「で、こんなの聞いちゃったらさ、不安とか抱えるだけ無駄って言うか、心に余裕が持てちゃうよね。刀剣達もそうだったみたいで、今まであったぎすぎすした空気が嘘のように一変した。夏が必死に伽羅さんに恋人を演じさせているのを見て「あー、またやってるよー」って生温かい目で見れるようになったよね」


ネタ15
秋「そんな風に、自分に向けられる視線が変化したのに気付いた夏は焦った。今までは明らかに自分が優位に立っていたのに、今は自分の行動が相手に何の効力もないことが分かったから」
秋「それが悔しかったのか、これ以上何かすれば自分が恥をかくだけだと悟ったのか、夏は突然研修を中止して自分の本丸を持つ!って言いだしたんだ」
秋「ここの刀剣は見る目がない、自分の方が優秀な審神者になるのに!って。私に顕現されたから、審美眼も何もかもが不完全な状態で降ろされたんだ!って」
秋「夏は私が自分の本丸で、完璧な状態の大倶利伽羅を降ろして、二人で幸せに暮らしながら本丸を運営するんだ!って私に宣言してきたんだ。それを聞いて、私は思わず叫んだ。「そんな覚悟で審神者になんてならないで!」って」
秋「「審神者は命懸けの職なんだ!歴史修正主義者と戦うのは刀剣男士だけじゃない。審神者だって戦わなきゃならないんだ!」そんな風に怒鳴る私に、夏が逆上した。「何よ!審神者なんて本丸でぬくぬく過ごしてればいいだけでしょ!?そんな奴に説教される筋合いはないわ!!!」「馬鹿するな!!」って叫んで、私は自分の腕を見せた。未だ生々しい傷跡が残る、悲惨な腕を」
秋「絶句する夏をよそに、私は言った。「これは4年前に歴史修正主義者から受けた傷だ。何の構えもなく、覚悟もすべもなかった愚かな私が受けた傷だ。私は運がよかった。だから今ここにいる。けれど君は死ぬぞ」」
秋「私は本当に愚かだった。傷つくのが怖くて、傷つけられるのが怖くて、刀剣達の矜持をたくさん傷つけてきた。刀装が剥がれたら撤退させて、軽傷でも負ったならば死なないでと泣いてすがって。それは一体どれだけ、彼らの誇りを踏みにじっただろう。自分達はそんなに情けないかと、そんなに頼りないかと、どれだけ不安にさせただろう」
秋「情けないのは私だ。頼りないのは私だ。だってあんなに恐ろしい奴らと戦っているのは彼らだ。私じゃない。なのに、私ばかりが恐れている」
秋「腕を切られた時、私は初めて本当の痛みという物を知ったとすら思った。それだけの痛みだった。初めて味わう苦痛だった」
秋「けれどそれは、ふだん私が味わう痛みじゃない」
秋「傷を負って、それでもなお戦っているのは彼らだ。私たち人間のために命を掛けているのは彼らだ。なのに私は、そのことを真に理解してなどいなかった」
秋「その時初めて、私は自分の愚かさと、いかに覚悟が足りていないかを知った」


ネタ16
秋「そんな感じで紆余曲折を経て、たくさん衝突しながらも、何とか研修を終えて最終日。夏が「絶対あんたより優秀な審神者になってやる!」って宣言して本丸を旅立って行ったんだ」
秋「嬉しかった。私を認めてくれたような気がして。ずっと下に見てた私を、ようやく対等に扱ってくれたって」
秋「喧嘩は多いけど、今では友人だよ。夏は絶対認めてくれないだろうけど」
「ええ話や(泣)」
「女の友情もいいもんだな……」


ネタ17
秋「三人目の見習い(冬)もなかなか癖のある子だったよ。正義感()の強い女の子でさ」
「正義感()wwwww」
「悪意を感じるwwwwwww」
秋「だって疲れたんだもん、この子。やたらめったらブラック本丸だって騒がれてさ。「こんなに怪我をしているのにそれでも進軍させるんなんて!」とか「こんな小さい子たちに傷だらけになった親の姿を見せるなんて!」とかね」
「うわぁ……」
秋「ちびちゃんたちを演練に連れていったら連れて行ったで「こんな小さな子たちを注目を集めるための道具にするなんて!」って騒がれて、本当に大変だったんだよ。ちびちゃんたちを外の戦場に出すには早いから、演練で経験を積ませようと思ってただけなのに」
「うげぇ……」
「いるわぁ、こういう奴……」
秋「そして最終的に「貴方にこの本丸は任せられない!」って言われて、政府に通報されたよね」
「まじかよ!」
秋「まじだよ。監察官も来ることになったよ、ちくしょう。担当さんに相談したら冬に刀剣達を譲渡させ、貴方には他の本丸を一から作るよう命じられるかも(要約)って言われるし……」
「ひぇ」
秋「で、監察官は冬は台本でも用意してるのかってくらいに息ぴったりにいかに私はブラック本丸を運営しているのかを上げ連ねていって、もはや怒りを通り越して呆れかえったよね。最終的には何のコントを見せられてるんだろうって真剣に考えるくらい」
「コントwwwwwwww」
「ホントに台本用意してたらどうするよwwwwwwwww」
秋「笑うしかないでしょ。で、まじで担当さんの言うとおり「この本丸をブラック本丸と認定。新刀剣男士2名は政府で保護。他、既存の刀剣男士を見習いに譲渡することを命じる」「貴方には改善の余地ありということで、新たな本丸に移り、初心に帰って一から職務に励むように」って言われた。でも素直に受けるはずないよね、そんな命令」
秋「私は刀剣達に目配せ。刀剣達もそれをしっかりと受け取り、代表でまんばちゃんが言った。「主、俺たちの刀解を求める」って。ちびちゃんたちも含めた、全刀剣男士が」
秋「「俺たちはあんた以外の人間に仕える気はない」って伽羅さんが続いて「僕たちと共に果てて」と小夜ちゃんが続いた。それを受けて、私は言った。「分かりました。刀解ののち、自害しましょう」と」
秋「監察官や冬がびっくりして目を見開いているのを見て、私は言った。「私にも彼らにも、ブラック本丸を運営している自覚はありませんでした。それはつまり無自覚ながらも罪を犯してしまったということ。罪は償わなければなりません。そして、また同じ過ちを繰り返さないためにも」そう言って私たちが一斉に冬を見ると、冬がびくりと肩を跳ねさせた」
「ああ、なるほど、新しく主になるのは冬だもんな」
「俺たちを引き取ったら(審神者に対して)ブラック本丸になるって言外に伝えてるわけだな」
秋「そういうこと。その意図が伝わったのか伝わってないのか、監察官は「そんなことは命じていない!」って怒鳴ってきた。冬には正しく伝わったみたいで、監察官にそれ以上言わないで!って感じの目をしていたけど、その視線には気づいていなかった」
秋「さっと私は視線を刀剣達に向けると、鶴ちゃんとみかちゃんと目があった。二振りは私の意図に気づいたのか、にっと口角を上げた。そして鶴ちゃんが「つまり俺たちはどうあっても引き離される運命にあるということか……」って呟いた。それを受け取って、みかちゃんがうっそりと笑った。「では、隠れてしまおうか」と言って」
秋「「鬼は政府。隠れるのは俺達刀剣男士とその主一人。何、そう多くはないだろう?そのうち見つけられるさ。―――人間風情が、神域に踏み込めるならば」そう言ったみかちゃんは、それはそれは凄まじい笑みを浮かべていたよ。監察官と冬が泣きながら土下座して帰っていくくらいに」
「こっわ……」
「何が怖いってこいつらの意志疎通能力の高さだよ」
「全部が怖いわ」
秋「えー、心外」
「で、監察官とか冬はどうしてそんな馬鹿やったわけ?」
秋「実は冬はわずかながらも審神者の能力を持った政府役人で、戦力を少しでも増やしたくてやったことみたい」
「審神者の力があるなら自分で本丸運営すればいいのに」
秋「顕現が出来ないんだって」
「あー、なるほど、そういうタイプか」
「でも、顕現させておくのにも霊力が必要だろ?それは大丈夫なわけ?」
秋「電気と同じだよ。スイッチを入れるときが一番電力を使うでしょ。顕現も同じ。顕現させるときが一番霊力を使う。けど、その役人には元から顕現されていた刀剣男士の顕現継続をさせられるくらいの霊力はあるけど、顕現させられるほどの霊力はないってこと」
「つまり、電気で言うなら電力が足りないってことか」
秋「そういうこと。だから本丸を乗っ取って、審神者になるしかなかったみたい。まぁ、だいぶ怖いもの見たし、もうこんなことはやらないだろうけどね」
「役人たちは一体何を見たんだ……(震え声)」


ネタ18
秋「で、これが最新のネタ。自称聖母な思い込みの激しい女審神者(四季)が刀剣達に子供を育てられるはずがない!って親権を奪おうとしていたんだよね」
「は?」
秋「あ、でも四季はそんなに悪い人ではないよ。思い込みが激し過ぎる勘違い女だったけど」
「悪意を感じるよ、秋」
「この子意外と黒い……gkbr」
「でも、どうして悪くないって言えるの?親権奪おうとしたんでしょ?」
秋「政府がさ、ちびちゃん達を刀剣男士として使えるのか、親である刀剣男士たちみたいに分霊化出来るのかを実験しようとしてたらしい。でも、私の本丸には散々怖い目にあわされてきたでしょ?だから正義感の強い審神者をだまして、私たちからちびちゃんを奪おうとしたらしいの」
「はぁ!!?」
秋「それを聞いてみんなブチ切れたよね。伽羅さんとかまじでやばかったもん」
「だろうね!!!」
秋「でも一番やばかったのは言うまでもなくまんばちゃん。他の刀剣男士が青ざめて怯えるくらいの勢いでブチ切れてたから」
「」
「」
「」
秋「あのときのまんばちゃんは乱ちゃんに「山姥よりやばいもの斬ってる」と言わしめたほどだった。小夜ちゃんなんか「政府終わったね」って合掌してたし。政府は本当に馬鹿なことをしたよね。この世で一番怒らせたらいけない存在を怒らせた」
「神様怒らせたらアカン……」
秋「違うよ」
「え?」
秋「この世で最も強い生き物って何だと思う?」
「この世で最も強い生き物……?」
秋「それはね、自分の身に命を宿し、新しい命を生み出すことのできる存在―――母親だよ」
秋「母親ってね?自分の子供のためなら、なんだってできる生き物なんだよ?」
秋「ブチ切れたまんばちゃんはその足で政府に向かって、役人たちに向けてこう言った。「俺を写しと侮り、俺から奪おうとしたこと、後悔させてやる。これ以上ない恐怖と、死より重い苦痛をもってな!」そう言って、真剣必殺をぶちかました。もちろん、伽羅さんも一緒に」
秋「ボロボロになった政府内部を見て恐怖に震える役人たちに私は言った。「お上。貴方方はそろそろ自重を覚えるのがよろしいかと。貴方方の今までの行いで、すでに審神者や刀剣男士から不信感を持たれている」」
秋「「その上、こたびは神の子さえも毒牙にかけようとした。この出来事で、更に溝が深まったことでしょう。もしかしたら、このことは本霊にまで伝わっているやもしれません。そろそろ、審神者制度以外の対抗策を考えた方がよろしいかと」」
秋「「もしくは審神者という職が生み出された歴史そのものを変えなければならないかもしれませんね……?」刀剣達を背後に従えつつ笑ってやると、役人たちは顔を青くさせて転がるように逃げだした。その情けない悲鳴と姿にいっそ切なさすら感じたよね。ああ、こいつらがトップなのか、って」


ネタ19
秋「改めて振り返って思う。私の人生、思った以上にハードモードだった」
「それな」


ネタ20
秋「私を心配してくださった春さんとツンデレをかましてくれた夏から連絡が来ました!そして最後にいい報告が!何と春さんと歌仙が正式にお付き合いを始めたようなので、これからお祝に行ってきます!」




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