【ひたすらにかっこいい審神者と光忠に会ったんだけど】






1 名無しの審神者
ブラック産の光忠を引き取ったんだけど、話聞いてくれる?
ちなみに問題は解決済みね


2 名無しの審神者
よくやった>>1!!


3 名無しの審神者
最近は監査部がブラック摘発に力入れてくれてるから、どんどんブラック本丸の摘発は為されてるけど、それに付随してブラック産刀剣が飽和状態なんだよなぁ……


4 名無しの審神者
>>3それ
しかもブラック産ってだけでやっぱ怖いし、引き取る審神者が少ないんだよな


5 名無しの審神者
だから政府がだまし討ちみたいなことして新人にブラック押しつけたりするっていうな


6 名無しの審神者
俺も引き取ってやりたいとは思うんだけど、やっぱ恐怖心とかあるし、トラウマ抉ることにならないか不安で……


7 名無しの審神者
二振り目を引き取る余裕ない本丸もあるしな
だから必然的にレアばっかりが引き取られて、コモン刀が余ってくる


8 名無しの審神者
政府所属になったり、万屋勤務になったりする刀剣もいるけど、それも少ないしな


9 名無しの審神者
>>1は何で引き取ったの? しかも光忠
良い刀だけど、手に入れようと思えば手に入るじゃん?
長船と相性悪かったの?


10 名無しの一
>>9それ
長船との相性が死ぬほど悪かった
だからシール交換とか、確定報酬のときに死ぬほど頑張って入手した
でも光忠はコモン刀だから確定報酬になることは少ないし、シール交換もなかなか無いし
つまり手に入れる機会が死ぬほど少ない
その分光忠を待ってる奴らを待たせることになる
そんなときに保護刀剣の存在を知って、コモン刀はなかなか引き取られなくて困ってるって知ったんだ
だったら、保護刀剣の中から引き取ろうって思ったんだ
一振りだけだから、何の貢献にもなってないかもしれないけどさ


11 名無しの審神者
いや、十分だよ


12 名無しの審神者
そうそう
まず引き取ろうって思えたことが凄いし、実際に引き取ったんだからさ


13 名無しの審神者
それな


14 名無しの刀剣
それで、光坊がどうしたんだ?


15 名無しの一
光忠はケア済みで本丸配属も問題なしと判断された刀剣だったんだけど、戦場で突出癖があって、積極的に囮になろうとする刀だったんだ
信頼してない訳じゃないし、審神者を憎んでいると言うより、失う事を恐れている感じで……


16 名無しの審神者
ああああああああああああ


17 名無しの審神者
ブラックまじ滅べ


18 名無しの審神者
ブラック絶許


19 名無しの一
光忠のいた本丸は戦場での適正錬度無視、及び過剰出陣で刀剣たちを折っていたらしい
それで、錬度の高い刀が錬度の低い刀を守っていて、光忠は錬度の高い刀だった
だからかな、守り癖がついてしまっている状態なんだ
けれど、それを指摘するのはトラウマに触れる事だから、誰も触れられずにいる
誰も口には出さないけど、誰もが自分達は守られなければならないほど弱くないと知って欲しいし、何かあったら頼って欲しいと思っている
でも、錬度は光忠の方が遙かに高くて……
そんなとき、どうすればいいか悩みながら参加した演練で、最後の対戦相手だった高錬度帯の審神者が「光忠と話してもいいか」って声を掛けてきたんだ


20 名無しの審神者
嫌だ……嫌だ……


21 名無しの審神者
囮になるとかやめてみっちゃん……


22 名無しの審神者
そんな癖必要ないから! みんな強いから!!


23 名無しの審神者
あー、>>1の刀剣たちの方が錬度低いんか……
なら今は何を言っても……って感じだな


24 名無しの審神者
てか高錬度帯の審神者さん、めっちゃピンポイントで光忠指名してきたんやな


25 名無しの一
>>23そうなんだ
これで光忠より錬度が上なら「俺達の方が錬度上!」って言えるんだけど、逆だったんだよ

続き
俺は光忠がブラック産ってこともあって躊躇ったんだけど、戸惑いながらも光忠が了承したから許可を出したんだ
対戦相手「初めまして、燭台切光忠。私は次の対戦相手の本丸の審神者だ。○○という」
光忠「は、初めまして……。あの、僕に何か……?」

柔らかく微笑んで、相手の審神者がそっと手を伸ばしたんだ
あんまり触れられたりするのが得意じゃない光忠があっさりと頬に触れさせて、ちょっと驚いたよ

対戦相手「君は自分の仲間が弱いと思っているのか?」
光忠「……っ!? そんなことっ……!」
対戦相手「守られなければならないと言わんばかりだったじゃないか」
光忠「違う! 彼らはちゃんと……!」
対戦相手「本当にそうか? まるで何かに心を縛り付けられているようだが?」

まるで全部知っていると言わんばかりに、光忠のことを言い当てられて、ひやりとした

光忠「……どうして、分かったの?」
対戦相手「何がだ?」
光忠「惚けても無駄だ。君は分かってる。僕がどんな刀なのかを」
対戦相手「まぁ、そうだな。君が"自分が守らなければ"という思いに囚われている事くらいは」
光忠「僕はそんなに、あからさまだったかな……」
対戦相手「私の目には」
光忠「……僕は、彼らを信じられていないのかな……?」
対戦相手「君の心だ。君にしか分からない。君がそう思うなら、そうなんだろう」

分けるから下開けといて


26 名無しの一
ありがとう

審神者の言葉に、光忠は大きな反応を見せた
これまで声を荒げたことなんて無かったから、俺や演練メンバーの長船派達は驚いた

光忠「僕は信じているよ! 信じているはずだ! 彼らはちゃんと強いって! 守らなくても折れたりしないって!」
光忠「なのに、なのに僕は、いつまで経っても隣に立てない……!」
光忠「僕はどうすれば良い? 僕は、彼らを信じたい。彼らの隣に並びたい……!」
光忠「分かっているんだ、頭では。あの本丸とは違うのだと。彼らは守られなければならないほど弱くはないと。けれど、どうしても、こびり付いて離れないんだ……!」
光忠「血溜まりに沈む虚な顔が、粉々に散った刀の破片が。まだ戦えるという無念の声が……!」

光忠は頭を抱えてうずくまった
俺達はそんなことを抱え込んでいるなんて知らなくて、ただただ呆然としてしまった
すると、相手の審神者が言ったんだ

対戦相手「なら、何もせず、守られてみるといい」
光忠「……え?」
対戦相手「遠戦も避けず、刀も抜かず、ただじっと立って見ていればいい」
光忠「な、何言って……」
対戦相手「ああ、フェアではないな? 私の部隊にも光忠が居るし、光忠にも突っ立っていて貰おう」
光忠「はっ!?」
対戦相手「聞こえていたか? 光忠、君にはかっこいい置物になっていて欲しいのだけど、構わないな?」
燭台切「聞こえていたよ。仕方ないなぁ、もう。そう言う訳だから、みんなよろしくね」
「「「はーい」」」

さっきのブラック全開シリアスシーンが一瞬でゆるふわほのぼのに塗り替えられて、俺も光忠もポカーンとしてしまったよな
多分すげぇ間抜けな表情だったと思う


27 名無しの審神者
そりゃポカーンだわ


28 名無しの刀剣
俺この本丸知ってる気がするぞ???


29 名無しの審神者
>>28分かる
この自分のペースに持って行っちゃう感じ、凄くあの人っぽい


30 名無しの刀剣
相手が若い女審神者なら確定


31 名無しの審神者
>>30マジで? 俺のイメージ、イケメンな男審神者なんだけど


32 名無しの審神者
>>30俺はイケオジ審神者なイメージ


33 名無しの審神者
この感じで女審神者のイメージはないわ


34 名無しの一
>>30えっ、何で分かったんだ?
まさにその通りで、若い審神者だったよ
中性的で性別迷子な感じだったけど、女の子だと思う

光忠「ま、待ってよ! そんな事出来るわけ……!!」
燭台切「どうして?」
光忠「え……?」
燭台切「僕は出来るよ。みんなが強いと知っているからね」
光忠「僕だって……!」
燭台切「本当に?」
光忠「……っ!」
燭台切「君はきっと知らないんだよ。仲間の強さを。みんなの戦いぶりを。知っている振りをしているだけさ。だから一度、じっくり見てみるといい。そうしたら分かるよ。君の仲間が信頼に足る、強い刀であることを」

そう言って、相手の燭台切が優しく笑った
そうやって話していたら結構時間が経ってたみたいで、演練開始前の予鈴が鳴った

対戦相手「そろそろ開始時間ですね。長く引き留めてすいませんでした」
俺「いや、それは良いんですけど……! 本当にやるんですか……!?」
対戦相手「私はそうします。こちらが言い出した事ですから。そちらについては貴方とそちらの燭台切光忠に任せます」
俺「そ、そちらの光忠さん!? マジでやる気ですか……!?」
燭台切「かっこよく誉をあげるのも良いけど、特等席でみんなの戦いを見るのもいいよね」
俺「あっ、観戦する気満々だ、この人!!」
対戦相手「いいなぁ、私がそこに立ちたい」
燭台切「だぁめ。姐さんは絶対に守られてくれないんだから」
燭台切「どうしても見たいっていうなら、修練場でね? 三対三の模擬戦くらいなら出来ると思うし」
対戦相手「ならお願いしようか」
相手小竜「その模擬戦参加したい! 姐さんに間近で俺の戦いぶりを見てほしい!」
相手謙信「ぼくも!」
対戦相手「今日の演練のメンツでやって貰おうか。ふふ、楽しみだなぁ」
俺「め、めちゃくちゃだぁ、この本丸……。高錬度帯の審神者ってみんなこうなの……?」
燭台切「姐さんは最初からこういう人だよ。それより、始めようか」

燭台切の言葉に、俺達は所定の位置へ移動を開始した


35 名無しの審神者
マジで!!? マジで女審神者!!?


36 名無しの審神者
ホントにめちゃくちゃでいっそ草生える


37 名無しの審神者
わああああの人だあああああああ!


38 名無しの刀剣
この感じ絶対あの人だ!!!


39 名無しの審神者
大ファンですぅぅぅぅぅぅぅ!!!


40 名無しの刀剣
相変わらずの観察眼だな
流石だぜ


41 名無しの刀剣
たった数戦で光忠殿のことを見抜いてしまうとは!
お見それしました!


42 名無しの審神者
この審神者を知ってるっぽい奴がいっぱい出てきたぞ???


43 名無しの審神者
有名な人なんか?


44 名無しの審神者
>>一部審神者と刀剣たちにはな


45 名無しの審神者
ファンクラブもあるし、会員数は3桁を超えてる


46 名無しの審神者
>>44>>45すげぇ!?


47 名無しの一
そんな凄い人だったのか……
全然そんな風には見えなかったけど……

続き
移動中、あの審神者の言っていたことを実行するかどうか、光忠と相談することにした俺は、光忠に声を掛けた

俺「どうする、光忠。多分あの人は、本当に光忠を戦わせないと思うぞ?」
光忠「……主は、どうすべきだと思う?」
俺「俺は、正直分かんないけど、あの人の言葉も、一理あるかなって思う」
俺「一緒に戦っているときと、見守っているときとでは、見えるものが違うんじゃないかなって、そう思うんだ」
光忠「……そっか」

俺の意見を聞いて、光忠は答えを決めたようだった
光忠が部隊のみんなを見つめた

光忠「あの、みんな……」
光忠「僕のこと、頼んでもいいかな……?」
「「「もちろん!」」」

初めての光忠のお願いに、みんな嬉しそうにしていたよ

ちなみに演練メンツはこちら
俺の本丸
光忠、小豆、謙信、小竜、大般若、長義
相手の本丸
燭台切、小竜、謙信、宗三、次郎、静形

俺達は位置に着いた
相手の本丸の方が先に準備が完了していて、燭台切は本当に刀すら抜かずに突っ立っているだけだった
光忠も不安そうにしながらも抜刀せず、一番後ろに控えていた
そして演練開始
こっちに極打刀が居ないことを考慮してか、相手の本丸から遠戦はない
こちらは謙信の弓が燭台切を襲うも、燭台切は微動だにしない
宗三が弓を叩き斬って、白刃戦がスタートした
向こうも極の錬度上げの部隊であることは分かるんだけど、戦い方のうまさなんかは完全に相手が上手

下開けといて


48 名無しの一
ありがとう

そして鮮血が舞う仲間を見て、前の本丸のことを思い出しちゃったのか、目を逸らしちゃったらしい
すると燭台切から怒号が上がった

燭台切「目を逸らすな、燭台切光忠!!!」
燭台切「恥ずかしいと思わないのか! 仲間の戦いから目を背けることを! ただの人である審神者ですら、目を逸らさずに声を張り上げているというのに!」
燭台切「刮目せよ、我ら長船の刀の戦いを! 君の仲間は、我ら○○の刀の首元に喰らいついているぞ!!」

って
びっくりしたよね
こんな風に叫ぶ刀なんだって
こんな風に鼓舞して、前を向かせてくれる刀なんだって
その言葉があって、光忠は前を向けた
仲間の戦いを見ることが出来た
負けはしたけれど、自分より強い相手に喰らいつくみんなは格好良くて、俺も光忠も、きちんと見届けることが出来て良かったって思ったんだ

光忠「はぁーーーーー……」
光忠「本当に、僕は何も見えていなかったんだなぁ……」

負けちゃって、恐る恐る寄ってきた長船の刀を、光忠はみんなまとめてギュッと抱きしめた

光忠「みんな、最高にかっこよかったよ!」

って
一筋の涙を流しながら


49 名無しの審神者
かっっっこいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!


50 名無しの審神者
相手本丸のみっちゃん格好良すぎでは???


51 名無しの審神者
これぞ長船派の「祖」だわ


52 名無しの刀剣
え、待って? うちの祖かっこ良すぎない???


53 名無しの刀剣
うちの光忠殿と違いすぎて……


54 名無しの刀剣
俺の知る燭台切は厨でぬか床こね回してるタイプ


55 名無しの審神者
>>54それ割りとどこの本丸でも見掛けるみっちゃんの姿や


56 名無しの審神者
あの人の光忠さんは戦場が一番似合う


57 名無しの審神者
彼女の刀剣男士は刀剣男士の見本
異論は認める


58 名無しの審神者
>>57分かる
これぞ刀剣男士って感じする


59 名無しの一
小竜「あーーーーー! 悔しい! 祖が見守っててくれたのに勝てなかった!!」
大般若「俺もまだまだだなぁ……」
謙信「ぼく、もっとつよくなるんだぞ! そして、祖にたよってもらえるようなかっこいい刀になるんだ!」
大般若「すぐに追いつくから、少し待っててくれよ? 俺たちだって、隣に並び立ちたいんだから」
光忠「……っ! ああ、もちろん!」

そう言って笑い合っていると、楽しげな表情で談笑しながら相手の審神者が帰ろうとしているのに気付いたんだ
それで俺と光忠が慌てて追いかけた

光忠「あ、あの……っ!」
対戦相手「ん?」
光忠「ありがとう。君たちのお陰で前に進めた気がするよ」
対戦相手「お礼を言われるようなことは何も。でも、君の手伝いが出来たのなら僥倖だ」
俺「俺からもありがとうございます! 本当に助かりました!」
対戦相手「……きっとこれからも、前の本丸との差異に苦しむ事があるでしょう」

静かな声で、相手の審神者が言った
ちょっとドキッとしたよな
でも、彼女は決して暗い顔はしていなかった

対戦相手「けれど、貴方達なら乗り越えられる。だから、諦めないで下さい」

そう言って微笑んでくれたんだ

対戦相手「立ち止まったっていい。膝をついても構わない。けれど、もう一度立ち上がる事を諦めないで欲しい」
対戦相手「これは私の理想であり、願望でしかない。だから、どうしても駄目だと思ったら、諦めてしまってもいい」
対戦相手「……諦めても良いと言っておいて、矛盾ばかりで申し訳ないですが、貴方達なら乗り越えられるだろうと。貴方達ならその期待を裏切らないだろうと、勝手ながら、信じています」
対戦相手「だから次は、六振り揃えてやりましょう」

そう言って、光忠達を引き連れて、相手の審神者は去って行った


60 名無しの刀剣
ああ、姐様……!


61 名無しの刀剣
変わらないなぁ、あの人は……


62 名無しの審神者
相変わらずかっこいい……


63 名無しの一
ホントかっこいい人だった
さて、俺の話はこれで終わり
聞いてくれてありがとな
あの人が言ったように、俺達はこれからも乗り越えなきゃならないものがたくさん出てくると思う
けど、必ず乗り越えてみせるよ
んじゃ、後は好きに使ってくれよな!


64 名無しの審神者
おつー!


65 名無しの審神者
お疲れー!


66 名無しの審神者
はぁ、今日もかっこ良かった……


67 名無しの刀剣
相変わらず素敵すぎる……


68 名無しの審神者
知ってる奴ー! この人のこと教えてくれよー!


69 名無しの審神者
それな! この人の登場するスレとかないの?


70 名無しの審神者
よっしゃ! なら今から布教タイムだ!!


71 名無しの審神者
お前ら! 姐さんの素晴らしさを語り尽くすぞー!


72 名無しの審神者
おー!!


73 名無しの審神者
終わり




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