綺麗でなくとも構わない






怪異の来訪


「ああ、来てくれたのか、嬉しいな」
「え? どうして嬉しいのかって? 君のような素敵な女性との再会を喜ばない輩がいるか?」
「ん? 顔が赤いが、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫なら良かった」
「それで、今日はどうしたんだ? 不安になってしまったのか?」
「え? 可愛いと言って欲しい? 綺麗でも美しいでもなく? ははっ、君は本当に可愛いなぁ」
「だって”可愛い”と言われたいんだろう? やはり君も女の子だなぁ」
「本当、可愛い」





「姐さんのたらしっぷりは次元すら越えるのか」
「まさかとは思ったが、妖すら誑かしてしまうとは」
「この世に生きとし生きるものなら、関係なくたらしてしまうんだろうな」


 ―――ああ、我らが主のたらし具合ときたら!
聞いているこちらまで照れてしまうような甘い声で囁くのだからたまらない!


(ああ! 嫉妬で気が狂いそうだ!)




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