姐さん←刀剣男士
姐さん←和泉守。
姐さんが他の本丸の和泉守に惚れられる話。
プロット+小説少々。
和泉守の本丸の審神者と姐さんの本丸の生活リズムが似ているのか、良く万屋で見かける。
最初は男みたいな女だなーと、目を向けただけだが、腰に刀を差しているし、何となく他の審神者とは違うように見える。
それが印象に残って、見かけるたびに目で追っていると、色んな表情が見えてきてどんどん惹かれていく。
とどめが姐さんの男前行動。
やはり刀なので、実力がある人間は魅力的に見える。
和泉守の主が、和泉守の様子がおかしいことに気づく。
仕事はちゃんとするけれど、それ以外の時はボーっとしてたり、やたらと万屋に行きたがったりしている。
これはもしや、と本人に尋ねてみて、和泉守の恋心を知る。そして本丸一同応援ムードになる。
姐さんと和泉守に接点を持たせようと、姐さんの前でわざと物を落として拾ってもらったりとか。
でも姐さん本丸の刀剣達は見るからに姐さん大好き。恋かどうかは不明だが、どちらにしろ厄介。
もしかしたら姐さんが和泉守と交際したいと言っても刀剣達が許さない可能性もある。
だったら味方を作ってしまおう、全員が邪険にすることはないだろうから、と味方を作るべく姐さん刀剣達と接触。
女審神者は姐さんに接触してみることになる。
姐さん刀剣は意外にも寛容で友好的。しかし、姐さんを傷付ける奴は絶対に許さないスタンス。
なので素姓の分からない和泉守たちに情報は一切与えない。
姐さんについて尋ねようとするも暖簾に腕押し、糠に釘。
そのうち苛立ちを覚えた和泉守の本丸の刀剣達が喧嘩腰になってくる。
廣光「一つ、自慢してやろう。あの人が審神者になった理由は”俺たちのため”だ」
宗三「貴方にそういう感情が向くことはないですよ。だって姐様は、僕たちを愛していますもの」
五虎退「それを姐様が幸せだというのなら、女性としての姐様は貴方にあげます。けれど主としての姐様を僕たちから奪おうとするなら許しません。その時は五虎退の名において、貴方を退けて御覧に入れましょう」
国広「姐さんは魂の美しい人だ。心の綺麗な人だ。あんたの人を見る目は確かだ」
「けどな、残念なことに、あの人はあんたのものにはならない」
「姐さんは何より俺たちを愛してくれている。心変わりなど疑う余地もないほどに」
「もちろん俺たちも姐さんを愛している。全てを捧げてもいいほどに」
「つまるところ、相思相愛というやつだ。羨ましいか? 俺たちが」
「―――良いだろう」
姐さん刀剣達が姐さんに近づけさせる気がないと察し、和泉守の思考が不穏な方向に向く。
それを察した姐さん刀剣がより警戒を強める。
「諦めない、という点は高評価なんだがな」
「だが、これで思考が不穏な方向に向く奴に姐さんを任せられるわけがない」
「ここで更に奮起する様な相手だったらよかったのですけれどね」
姐さんに報告。姐さんもうすうす和泉守に見られていることは察していたうえ、和泉守の主に和泉守の気持ちをほのめかすようなことを言われていたため、必ず紅紫苑を帯刀することに。
しかし、対処は自分ですると言ってきかない。
なので折衷案として、普段の護衛を強化することに。
それを見て和泉守が更に嫉妬、ついに神隠しの決行を考える。
「結婚したいとか、女としての幸せを手に入れたいとか、無いのか?」
「私は無いな。私は彼らに心を奪われている。彼らがより美しく、刀らしく在れるなら、この命だって差し出すのは惜しくないと、そう思ってしまうほどに」
神気が渦巻く。神隠しを行おうとしているのだ。
それに気づかないはずもないのに、彼女はいたって冷静で、いつも通りだった。
「私には、彼ら以上に大切なものはないんだ」
もう駄目だ、と思った。そんな言葉を聞いてしまったら、隠してしまうしかない、と。
「だから、君の想いには答えられない」
真っ直ぐに目を見て、はっきりと告げられる。
「止めてくれないか、神隠しを。でないと、私は君を斬らなければならなくなる」
そう言って椿の手には、いつの間に抜刀したのか、彼女のために誂えられた太刀があった。
刃は和泉守を阻むように、二人の間に渡され、首に押し付けられていた。
和泉守を拒む目は、酷く冷え切っていた。それこそ、自分を害する敵を見るかのような、底冷えのするほど冷え込んだ眼だった。
「敵として、君と刃を交えることになる」
いつも温かく自分を見つめてくれた目が、優しく微笑んでくれた眼差しが、今やその面影を探すことすらできない。
こんな瞳は見たくなかった。ずっと、温かく笑っていてほしかった。大好きだから。愛しているから。幸せそうに、していてほしかった。
(俺が、こんな顔を、させちまったのか……)
まるで、命のやり取りをする覚悟を持った、悲壮な顔を。
殺すことも厭わないという様な、悲しい顔を。
―――刀剣男士の様な顔を。
好きな人から笑顔を奪ってしまったことがショックで神隠しを取りやめる。
そして神隠しを行おうとしたことに責任を感じて自ら刀解を申し出る。
しかし姐さんは未遂だから、と和泉守を許す。
「何で許すんだよ」
「君が私の敵にならなかったからだが?」
「は?」
「私は、自分に害を為す相手以外を斬るつもりはない。そして君は、寸の所で踏みとどまってくれた。その事実だけで、十分に情状酌量の余地があるというものさ」
姐さんの器のでかさに惚れ直しつつ、今後とも友好的な付き合いをしていくことになる。
「俺はあんたのこと、諦めるつもりねぇからな」
「そうか。私のことを好きになってくれてありがとう。その気持ちに答えられる日が来るかどうかは分からないが、その気持ちを否定する気はないから」
「そりゃ僥倖だ。いつか必ず惚れさせてやっからな!」
っていう話しを思いついたんですが、書くたびに思います。
私に恋愛要素ありの小説は敷居が高すぎる……。