【悪女と】見習い研修始まるよ【一緒】
・初対面
「私の本丸はとても見習いを受け入れられるような環境ではありません。複雑な事情を持つ刀が多く、私自身も審神者になって、日が浅い」
「けれど、任されたからには、全力を尽くす所存です」と言って、引き継ぎ審神者であることを説明。
どうやって呼び分けようかと考えていると毒花が「私審神者名貰ってるから、それで呼んでくれる? そっちを見習いって呼んで」という。
「審神者さんって審神者歴何年なんですかぁ?」
「まだ半年ほどです」
「へぇ~? だから私がこの本丸に研修に来たんだ~。審神者さんの見本となるために」
椿も刀剣たちも何も言わず微笑んでいるだけに終わる。
しかし刀剣たちの中ではひたすらにヘイトが溜まっている。
清花が初見で毒花が呪具を持っていることに気付く。
それを椿に伝えようと毒花の側を離れた隙に、毒花が呪具を発動。
けれど椿の言霊(普段から言っている「私の刀」という言葉)により刀剣たちは守られており、呪具が効かない。
清花が呪具について話そうとすると、膝丸と出くわす。
驚きとか恐怖とかはあったものの、先に椿に説明されていたため、必要以上に怯えることはない。
(それよりも呪具の方が怖いし、清花の中では毒花の方が危険人物に認定されているため、膝丸への恐怖を上回った)
「毒花さんが呪具を持ち込んでいることはお気づきでしょうか!?」
「はい。今、刀剣たちから報告を受けたところです」
「そ、それで、ひ、膝丸さんが特に危険かと! 呪具は、その……」
膝丸を蝕もうとする靄は完全には晴れておらず、今もなお穢れと悪意を纏っている。
良くないものは良くないものを惹きつけるため、特に膝丸は注意が必要。
けれどそれを口にするのは憚られて、なかなか言えない。
「穢れを纏った俺は、呪いとはさぞ相性が良いだろうな」と膝丸。
「だからといって、簡単に呑まれるつもりはない」
「姐さんは俺に命懸けで信頼を示してくれる。全霊を懸けて、愛情を示してくれる。俺はその心に報いたい。俺の魂に懸けて」
「例えこの身を失うことになろうとも、この心だけは守ってみせる」
「君には頼もしい兄の加護もついているしな」
「うむ!」と嬉しそうに笑う膝丸を見て、根拠はないけれど「大丈夫かも」と思ってしまう。
・廣光との対面
廣光が椿の霊力に犯されているような状態になっていることに気付く。
それが廣光の魂を溶接しているように見えて困惑。
ちなみに毒花はテンプレ通りテンション爆上げ。
毒花はあの廣光に「慣れ合うつもりはない」と言わしめた伝説の人物となる。
・交流
三日月に「触ってよし」と言われて清花が「滅相もない!恐れ多い!」とあわあわ。
「姐様とは違うなぁ」と三日月は楽しげ。
・研修開始
戦術や本丸運営についての説明をするも、毒花の態度はすこぶる悪い。
近侍が自分好みの刀でないことに文句を言ったり、鏡ばかり見て髪をいじっていたりする。
もちろん椿や刀剣たちが注意する。聞き入れる様子はない。
しかし見切りをつけることはせず、何とか研修に参加させようとする。
正直真面目に勉強したい清花にとっては邪魔でしかない。何故見捨てないのかと問う。
「彼女が審神者になったとき、彼女が苦労するのは彼女の責任だと思います」
「もちろん、実践となると見えてくるものが違ってくるだろうから、苦労するのは当然なのですけれど、彼女はそうじゃないでしょう?」
「私が旨く教えられていないのなら、それは私の責任ですが、分からないことも聞かず、努力する姿勢すら無い状態で、私に責任を求められても困ります」
「でも、苦労するのが彼女一人なら良い。けれど彼女は審神者だ。刀剣男士を率いる立場です」
「審神者は刀剣男士の命を預かっている。そのことを自覚せず、遊び半分で審神者になって貰っては、彼女の刀剣男士があまりにも哀れだ」
「だから私は彼女を見捨てることが出来ません。彼女のためにも、刀剣男士のためにも」と言い切る。
「清花さんにはご迷惑をお掛けします。研修が十分でないと感じたら、研修期間を延ばして貰えるよう政府に掛け合いますし、私の連絡先も渡しておきます」
「分からないことがあったら、何でも聞いてください。どんな些細なことでも構いません。研修期間が終わってからも、遠慮無く私を頼ってください。私に出来ることなら、全力でサポートしますから」
毒花のことは好きになれないけれど、誰に対しても分け隔て無く接しようとする椿に絆される。
・鍛刀の実践にて
椿が実際に鍛刀してみせる。すると四時間が出る。
(近侍は「嘘やろ」と思いながら遠い目をしている)
椿は基本的に手伝い札は使用しないが、毒花が「早くみたい!」「終了まで見なきゃ一連の流れがわかんないでしょ!」とわがままを言い出し、手伝い札を使うことに。
結果は三日月。
刀解や錬結、習合の手本に使おうとして毒花が「私が貰う!」と騒ぎ立てる。
「刀剣の譲渡は基本的に禁止されていますので、それは出来ません」ときっぱり断る。
・眼中に無さ過ぎたが故に
毒花が転んだ振りをして一期に胸を押しつける。
「やだ、私ったらドジなんだから……」
「……足下にご注意を」
「お優しいんですね、一期さんって」と頬を赤らめる。
毒花が去ると「今のは一体何の意図が……?」と首をかしげる。
一連の様子を見ていた薬研が「商売女の真似事か?」と顔を顰める。
「意図は分からんが、注意しておいた方が良い。腹を空かせた獣のような目をしていたぞ」と鶴丸。
せめて本体だけは避難させておいた方が良いかも、とか真剣に話している刀剣たちを見て、清花が思わず渋い顔をする。
(言えない……。あんな真剣に話している彼らには絶対に。今のがただのハニトラだなんて……)
・麗しさよりTPO
明石が毒花のネイルを見て「それ何です?」と尋ねる。
「ネイルって言って、爪を綺麗に飾ってオシャレにする女性のたしなみです!」
「へぇー……。ずいぶん綺麗な手ぇしてはりますね?」
「えっ、そうですかぁ? 照れちゃいますっ」と頬を赤らめる。
「……照れるとこやのうて恥じるとこやろ」とぼそっと呟いて姐さんの手伝いに行く。
研修に来ているのに着飾ってくるのは違うだろうという嫌みなのに、まったく気付いていない毒花に呆れ果てる。
・上げ足を取りたい悪女
褒美は誉の数に応じて、という話をすると悪女が短刀たちも同じ数なの?と喰ってかかる。
「短刀たちは誉を取りにくいのよ! それを何のハンデもつけずに? 誉を取れない短刀たちが可哀想!」
「彼らは太刀に混じっていようが、誉を取れるぞ?」
と言い、短刀たちに尋ねる。
「君たち、ハンデが必要か?」
「どうした姐御。姐御が俺たちを侮るようなことを言うなんて、具合でも悪いのか?」
「いいや、そういう訳じゃない。ただ、短刀は昼の戦場では誉を取りにくいから、昼と夜の出陣を平等にする本丸もあるらしい。君たちはそんなことをしなくとも誉を取れているからそうしてこなかったわけだが、君たちとしてはどうだろう、と思ってな」
「俺たちは本分を全うできればそれでいい。昼とか夜とか、そんなのは関係ない」
「それに、今現在遡行軍が確認されている戦場は、圧倒的に昼が多い。昼と夜を平等に出陣してたんじゃ、昼の戦場に遡行軍がはびこる形になっちまう。今のままで行くのがいいと思うぜ」
「そうか」
「という訳で、彼らに不満は無いようだ。可哀想というのは、見当違いな心配のようです」
・霊力交換
霊力の交換実験を行うという命を受ける姐さん(自分になびかない刀剣達に業を煮やした悪女が政府に命令)
刀剣たちには内緒で霊力を交換せよ、と命令される。
乗っ取り対策の一貫として刀剣たちが何を見て主と判断するのかを確かめるのだ、と。
けれど、刀剣たちは姐さんの魂とか生き様に惚れているので霊力を交換するくらいでは靡かない。
国広「あの人はとても不器用なんだ。中途半端を寛容できなくて、命を燃やして駆け抜けるしかない」
「彼女の人生は、短いものになるだろう」
「儚くても苛烈で、それ故に人々の心に残る。そんな風に生きて、死んでいくのだと思う」
「あの人は他の生き方を選べない。切ない人だ」
「俺達が望んでいなくとも、それでもあの人はすべてをくれてやると、魂すらも差し出すことを厭わない。どうしようもない人なんだ」
「愚かで無様で、滑稽な人。でも、だからこそ、どこまでも愛しい人なんだ」
「ただの鋼に命すら捧げる人。どんなに辛かろうが、死を望むようなことがあろうと、俺達のために生きると誓ってくれた人」
「それほどまでに俺達を愛してくれる人を、俺は知らない。だから俺は裏切られても捨てられても離されても。ただ一人、あの人のために全身全霊を捧げることを誓ったんだ」
「たとえそこが地獄であろうとも、姐さんの魂と共にあり、姐さんのために生きることを誓ったんだ」
「俺の誓いを、覚悟を、この魂を、そう易々と犯せると思うな」
廣光「俺はあの人の鮮烈な生き様に惚れ、その強烈な魂に魅せられたんだ。俺は霊力や見目なんかで主を選んだわけじゃない」
・嫌われ系で100回は見た行動
毒花が頬を腫らして「審神者に苛められてる!」と騒ぐ。
それを聞いて清花が姐さんの刀剣たちに弁明する。
それぞれの話を聞き、刀剣たちは「俺達は姐さんを信じている。しかし姐さんに言われているんだ。“間違った道に進もうとしていたら殴ってでも止めろ”と“斬り捨てても構わない”と」
「“下が上を正し、上が下を律する”。それがこの本丸の主従の在り方なんだ。だから、そこに悪意があるにしろないにしろ、確かめなければならない。そして間違っていたらそれを正して、一緒に謝りに行く」
「一緒に、ですか?」
「俺達も同罪だからな」
「え?」
(間違いがない場合)「俺達は姐さんに多大な影響を受けている。故に思考や行動にも姐さんの性質が反映されている。だったら、俺達も似たような行為をしてしまっている可能性が高い」
(間違いがあった場合)「この本丸において姐さんを諫めることが出来るのは俺達しかいないんだ。だったら、俺達が止めてやらねばならないだろう」
・毒花の行動
呪具も効かず、霊力交換でも効果が無いことがわかり、痺れを切らす。
そして国永を押し倒す。
国永がブラック本丸でのことを思い出し、半狂乱になる。
「何故、何故だ……。もう大丈夫だと、乗り越えたと思っていたのに……」
「あいつは、あいつだけは駄目だ……。どうしても……」
「ああ、そうか……。似ているんだ、あの娘。あの男と」
・毒花の発言
「この程度の女が三日月達レア刀剣を持っているんだもの、レアって案外簡単に手に入るのね」
「伯父様は苦労していたみたいだけど、優秀な私が手に入れられないわけがないわ」
・二つの怒り
国永への行いを咎めに行くと、毒花が「知っているのよ、私。あんたが2015年から来た、過去の人間だってこと」
「あんたのいた時代の特定も済んでいるの。これがどういうことか分からないほど、あんたも馬鹿じゃないでしょう?」と父母の存在を盾に脅してくる。
まさか父母の命を使って脅してくるとは思わず、さすがの椿も動揺する。
「そう!その顔が見たかったの!私に恥をかかせた罰よ!あんたの刀は私が貰う!!」
「ああ、でもあんた、審神者じゃなくなったら行き場所もないんだっけ?惨めよねぇ?」
「私、良い場所知ってるわ。連れてってあげる。有り難く思いなさい?」と戦場に送ろうとする。
それを目撃した清花が、馬鹿にされても毒花のことを考えて、心を砕いて、見捨てずにいてくれた人に何してんだ、この恩知らず!とぶち切れ。
毒花とその家族を諸共一掃する。