【まさかの】姐さん刀剣専用セコム【男士】
鬼丸の本丸とその主
体が弱く、病気がちな若い男審神者が運営する本丸。
幼い頃から長く生きられないことを示唆されてきたため、日々を大切に生きてきた。
そんなところが鬼丸の心に響き、鬼丸に心を開かせた。
しかし脆い体での審神者業は寿命を縮め、限界を迎える。
自分が死ぬ前に新しい主を用意しなければと、政府が用意した審神者に後を託す。
しかしその女審神者には問題が多く、鬼丸達の本丸はブラック本丸へと変貌。
どうしてこんな人間が生きながらえて、心優しい主が死ななければならなかったのか。
主の分まで生きねば。けれど頑張ったって主は二度と戻ってこない。
そんな風に考えている内に堕落刀剣化してしまう。
その女審神者は鬼丸が斬り殺した。
その事実が発覚し、本丸は封鎖されていたが、トラブルに巻き込まれた国広の来訪によって事態が好転する。
鬼丸と姐さん本丸
トラブルに巻き込まれかけた姐さんを庇い、一振りでブラック本丸に放り出されることとなった国広。
人の気配のない本丸を探索していると二人の人間がいた形跡を発見。
よく調べるために本丸の奥に入り込むと、鬼丸と遭遇。
最初はまともに話をする気のない鬼丸に攻撃されるが、主についての話を振ると少しだけ態度に変化が見える。
そこから鬼丸が「自分の主が確かに存在したという事実」を誰かと共有したいのだと理解し、再度対話を試みる。
そうして会話を重ねていくと、鬼丸の主と国広に共通する部分が多いことに気付き、鬼丸の態度が軟化。
国広は刀剣男士なので丈夫な体をしていることは理解しているが、「守れなかった」「死なせてしまった」という意識が抜けず、どうしても過保護になってしまう。
今は国広に対してのみ庇護欲を発揮しているが、国広と付き合っていく中で姐さんの危うさを知ることになるので、そのうち姐さん本丸全体に庇護欲を発揮することになるのは明白。
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鬼丸と国広の邂逅
「あんたのことが知りたい。あんたの話が聞きたいんだ。聞かせてくれないか?」
「おれたちが散々嬲られて来た話を聞きたいと? 悪趣味な奴だな?」
「それも知らなければならないが、今聞きたいのは、ここがまだ、暖かな場所であった時の話だ」
「……は?」
「ここには、二人の人間がいた痕跡があった。
一つは血の付いた女の化粧品。
もう一つは丁寧に仕舞われた男物の審神者装束だ」
「……っ!」
「まず、あんたの主について聞きたい。どんな人間だったんだ?」
「……知って、どうする」
「どうする、か……」
「どうもしないさ。ただ知りたかったんだ。あんた達が愛した、人間の事を」
「……っ!」
「男の持ち物は古いが、状態が良くて、丁寧に扱われていたのがよく分かるものが多かった。
俺達は道具だから、持ち物を見れば、おおよその人間性というものは分かるだろう?
だからきっと、暖かな人間だったのだろうなと、興味を持ったんだ」
「か、勝手な事を、知った風な口で語るな……!」
「ああ。俺は何も知らない。だから聞きたいんじゃないか。あんた達を愛した、審神者のことを」
「ぅ、ぁ……っ、」
「ゆっくりでいい。話せるようになったらでいい。その涙が枯れるまで、待っててやるから」
「あ、主は……繊細な男だった……。
おれ達を大切に扱ってくれた、優しい人だったんだ……っ」
「ああ、あんたがこんな風にそいつを想って泣けるんだ。きっと素晴らしい主だったんだろう」
「そんな……大層な主では無かったよ……」
「そうなのか?」
「善良で、平凡で、コロコロと表情の変わる、おかしな奴だった……。
でも、おれ達は凡庸ながら努力する所を好ましく想っていたんだ。
けれど、あいつは、体が弱くて……。
自分の分まで生きて欲しいと、おれ達を新しい審神者に託すことにしたんだ……」
「…………」
すっと、手を上げたかと思うと、国広は鬼丸の唇に指を当てた。
「? なん、」
「もう一人の事は、今はいい。今は、大事な主の話をしよう」
「…………っ!」
「それで、あんたはその大切な人と、どんな風に過ごしてきたんだ?」
