ヒロアカ世界に転生した姐さんの話
・刀剣乱舞×ヒロアカ
一周目の記憶を持つ轟家に生まれてしまった姐さんの話。
轟家は一周目(原作軸)の記憶があり、逆行している状態。
思い出すタイミングは様々だが、エンデヴァーや冷さんは結婚後に記憶が戻る。
色々話し合った結果、今度は普通の家庭でやり直そうという形に落ち着き、そのまま結婚生活を続ける。
最後に焦凍がお腹に宿った段階で一周目と異なる事態に。焦凍の他にもう一人お腹に宿っていることが判明する。
まったく見覚えのない、顔立ちのみ冷さんによく似た女の子。焦凍の双子の姉。
個性も隔世遺伝で、エンデヴァーとも冷さんとも似つかないもの。
椿と名付けたものの、一周目にはいなかった存在に困惑。みんなどう接していいか分からず、距離を置きがち。
(ちなみに燈矢は生まれたときから記憶を持っており、中々切り出せずにいたため、記憶を持っていない振りをしている)
そのため、記憶がない(振りをしているだけであるが)燈矢が、自分が構ってやるしかない、と椿をかわいがる。
焦凍は片割れと言うこともあって、割とすぐに受け入れることが出来、三人でよく遊んでいる。
個性『癒やし手』
手のひらで傷を撫でると症状が緩和する。
病気にも効果があるが、完治した傷跡や先天的な病気には効果が薄い。
また、あくまで症状を緩和するだけであり、完治させることは出来ない。
(小さいかすり傷程度なら可能)
その代わり、リカバリーガールのようなデメリットはない。
***
椿「焦凍、おてて擦り剥いてる」
焦凍「え? 本当だ……」
椿「痛くない?」なでなで
焦凍「洗えば平気……。お?」
椿「………治った?」
焦凍「………治ってる。もしかして、椿の個性か?」
椿「そうなのか?」
焦凍「分かんねぇ。でもすげぇな。魔法の手だ」
椿「でも本当に個性かな?」
焦凍「もう一回怪我が治せたら間違いねぇと思う」
椿「そっか」
燈矢「いてっ」
椿「燈矢兄? 何かあったのか?」
燈矢「ちょっと紙で指を切っただけだよ」
椿「………なでなでさせて」
燈矢「なでなで? 別にいいけど……」
椿「痛いの痛いの飛んで行け」なでなで
燈矢「…………は?」
椿「治った。……焦凍、燈矢兄のお怪我も治った!」
焦凍「お。やっぱり椿の個性だったんだな。やっぱり魔法の手だ」
燈矢「は? 個性? 椿ちゃんの? てか、魔法の手???」
焦凍「なでなでしたら治ったんだから、魔法の手だろ」
椿「んふふ、魔法の手だって」
冬美「かわいい」
夏雄「分かるけど、落ち着いてよ」
冷「かわいい……」
炎司「む……。上手く撮れん……」
夏雄「待って。突っ込み俺だけ???」
冷「それにしても、傷を治す個性なんて、優しい個性ね……」
炎司「……そうだな」
***
椿「…………」
燈矢「ん? どうした、椿ちゃん。こんなところでしゃがみ込んで」
椿「疲れたから休んでる」
燈矢「そっか……。おいで」
椿「……?」
燈矢「どうした? 抱っこ嫌か?」
椿「…………抱っこ初めて」
燈矢「……………!!?!?」
燈矢「ねぇ! 誰か椿ちゃん抱っこしたことある人いる!?」
夏雄「どうしたんだよ、燈矢兄」
冬美「椿ちゃんを抱っこ? ……そう言えば、したこと無かったかも……」
冷「……………」
炎司「………………」
焦凍「……俺、抱っこできねぇ」
燈矢「焦凍は仕方ねぇよ……。じゃなくて! さっき俺が抱っこしようとしたら、抱っこ初めてって!!!」
「「「!!?!?」」」
このあと代わりばんこに抱っこした。
***
椿「そう言えば、私の個性だけ、みんなと全然違うなぁ……」
焦凍「……何か嫌なことでもあったのか?」
椿「そういうわけではないんだけど。今日、授業で個性について勉強しただろう? そのときに、先生がやたらと私の方を見てきたなぁって思って。気のせいだといいんだけどな」
焦凍「……そっか」
椿「私は、自分の個性、嫌いじゃないんだけどな」
焦凍「俺も、椿の個性好きだぞ。優しくて、あったかいんだ。傷を治せるのも、すげぇって思う」
椿「んふふ、ありがとう」
冷「先生のお名前、なんだったかしら。確か、個性については専門の先生が担当していたわね?」
炎司「すぐに調べよう。妙なことを椿に吹き込まれては溜まらんからな」
冬美「私知ってる。××先生だよ。あの先生、生徒からの評判が二分しているの」
夏雄「悪い先生じゃないんだけど、ちょっと変わってるんだよな……」
燈矢「ああ、あいつか。妙な盲信を抱いてるっつーか、変な理想論を掲げてるんだよな。とにかく、自己陶酔の激しい奴だ。俺もあいつはいけ好かねぇ……」
炎司「なるほどな」
冷「そうなのね。ちょっと焦凍や椿にも話を聞いてみないといけないわね」
炎司「内容次第では、学校にも話を通さねばならん」
夏雄「……あんまりやり過ぎて、過保護って嫌われないようにしろよ」
冬美「まぁ、大丈夫でしょ。お父さんくらいのモン……過保護な親御さん、結構いたから」
夏雄「今、モンペって言おうとしなかった???」
燈矢「お父さんだと心配だし、俺が聞いてくるよ」
焦凍「××先生……? 授業は分かりやすいけど、よく分かんねぇこと言う先生だなって印象だ」
椿「…………私は、あまり好きではないかな」
燈矢「へぇ、意外だな? 椿ちゃんがそんな風に言うなんて」
椿「…………あの先生、私が轟家の人間ではないのだろう、と言うんだ」
焦凍「…………は?」
燈矢「ほぉ……?」
椿「きっと、可哀想な事情があって、轟家に置いて貰っているのだろう、と。そうでなければ、鴉のような黒髪に、悍ましいほどの黒い瞳は産まれないと。氷結でも炎熱でもない個性の子供なんてあり得ないと」
焦凍「………………」
燈矢「………………」
椿「そのせいできっと、私はこれから死にたくなるような苦しみを味わうそうだ。そうなる前に、私を助けたいのだと宣っている。………あの人はきっと、私とは違うものが見えているんだ」
燈矢「だってよ」
「「「………………」」」
夏雄「これ、学校の電話番号」
冬美「いきなり怒鳴りつけたら駄目だよ。あくまで冷静に、でも的確に急所を突くの」
燈矢「初めはお母さんの方が良いかもな。いきなりトップヒーローが出てきたら、向こうはトカゲの尻尾切りして逃げようとするか、徹底して隠そうとするだろうし」
夏雄「そうなると、ヤバい奴が野放しになっちまう。きちんとした対処を取らせる方向に舵を切らせて、そっから島流しにして貰おう」
冷「もちろんよ。私の背後に炎司さんがいることを仄めかして、絶対に無碍にさせないようにすればいいのよね? 大丈夫。任せて」
炎司「…………俺の出る幕がないな」
冬美「お父さんは学校周辺のパトロール増やすなりして牽制して。学校内は人目があるけど、登下校のときは二人が無防備になっちゃうし」
炎司「確かに、児童誘拐は登下校の際に起きやすい……。巡回経路の見直しをしてくる」
冷「お願いします」
冬美「私達は、焦凍達のメンタルケアをしてあげないと……。椿はきちんと物事の判断が付けられる子だけど、きっと傷付いているだろうし……」
夏雄「本当だよ。なんなんだよ、別に髪色が違ったって、椿はうちの末っ子だっての……」
燈矢「ま、俺達はいつも通りでいいだろ。変によそよそしくなったら、それこそあいつの思うつぼだ」
冬美「そうだね。特に椿は変化に敏感だし、気を付けないと」
***
没ネタ
焦凍「俺も抱っこする」
椿「ん、」
焦凍「んむ、む……? 上手く出来ねぇ……」
椿「そりゃあ、おんなじくらいの大きさだからな。ぎゅってしてくれればそれでいいよ」
焦凍「ん、」
椿「今日はみんなどうしたんだ? 母さんは泣きそうな顔をしているし、父さんは難しい顔でソワソワしているし、冬美姉さんはごめんねって言いながら抱っこしてきたし、夏雄兄さんは無言で抱きしめてくるし……」
焦凍「そういう日なんだ。そんで、俺も椿を抱っこしてみてぇなって思って……」
椿「ふぅん……」
***
没ネタ 2
冷「椿、今ちょっと良いかしら?」
椿「うん、なぁに? 珍しいな、母さんが私に用事なんて」
冷「そ、うかしら……。お兄ちゃん達に頼りすぎているのかもしれないわね……」
椿「頼っていいんじゃないだろうか。全部一人でやろうとしなくても良いと思う。だから、頑張りすぎないでくれ」
冷「…………ええ、ありがとう。椿は良い子ね」
椿「私もお手伝い出来るから、ちゃんと頼ってよ」
冷「そうね。じゃあ、ちょっと休憩してから、洗濯物を畳もうかしら。椿も手伝ってくれる?」
椿「もちろん」
