君ともう一度
「初めまして、レイジです。こっちは妹のシンジ。ほら、シンジ、あいさつ」
フラグは見事に回収された。
12,3歳くらいのレイジさんが、俺と同い年のシンジの頭をなでた。
小さいころのシンジなんて見たことなかったけど、絶対可愛いと思ってたんだ。
俺の予想をはるかに上回る勢いで、小さいシンジは可愛かった。
しかも、しかもだ、女の子、だと?男でも十分美人だったのに、女の子だぞ?
更に可愛くなっちゃうじゃないか!!!
小さいシンジは大きな目をぱちぱちと瞬かせて俺を見ている。
ほっぺは緊張からか薔薇色で、形容できないくらいに可愛い。
男っぽい服を着てるけど、めっちゃ可愛いです!!!
「はじめまして、シンジです・・・」
声まで可愛い、だと・・・?
タケシがお姉さんを見て、一直線にかけていく理由がわかった気がする。
前の俺は何してるんだろうって、首をかしげていたけど、今なら分かる。
ハートを射ぬかれる的なアレですね、わかります。
「初めまして、ハナコです。こっちは息子のサトシよ。シンジちゃんと同い年じゃないかしら?」
「5さい・・・?」
ママの言葉に、シンジが首をかしげる。こてんって!こてんって!!かわいいいいいいいいいいいいい!!!
「うん!5さい!よろしくな、シンジ!」
「よろしく、・・・サトシ」
ほんのちょっと、ほんのちょっとだけ、口元を緩めてシンジが笑った。
思わず抱きしめてしまった俺は悪くない。
だって、シンジが微笑んで、しかも名前を呼んでくれたんだぜ?前世では、ついぞ呼ばれることのなかった名前を。抱きつかないわけがない(キリッ
ママやレイジさんがびっくりして目を丸くしていたけど、気付かなかった。
照れたように笑うシンジが可愛すぎて、目に入らなかったからだな、きっと。
(シンジちゃん、可愛かったわね)
(うん!)
(お友達が増えてよかったわね)
(友達じゃないよ、ママ!)
(え?)
(俺のお嫁さんだよ!)
(!!?!?)
――――――嗚呼、愛しい人