かわいいところ






診察室を出ると、備え付けられたソファに座って、ピカチュウと一緒に待っていたシンジが顔を上げた。
その顔は不安そうで、慌てて駆け寄った。


「あの・・・サトシ。どうして私をいきなり診察させたの?」


シンジが不安そうに俺を見上げる。
けれど、今の性格に否定的になっちゃいけないってことは、今のシンジがいつもと違うから診察させたことは言わない方がいいんだろう。


「えっと、顔色が良くなかったから、だよ」
「えっ!?やだ・・・。私、顔色悪かったの?」


恥ずかしそうに頬に手を当てるシンジは女の子らしくて可愛いと思う。
でも、やっぱりいつもの性格の方がしっくりくる。
ピカチュウも戸惑いっぱなしだし、今の性格には違和感しかない。


「気にしなくていいと思うけど。むしろ、顔色悪いのに隠された方が心配だし、」
「わ、私だって女の子だもん・・・。男の子に変なところ見られたくないよ・・・」


頬を染めて恥じらうシンジは、いつものサバサバとしたものは感じさせない。
いつもの性格がいいとは言ったけど――
これはこれで・・・


「(かっわいいんだけど・・・!!!)」




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