黒バス×ケンイチ
一体、何が起こったというのか。
黒子たちには、起こったことの展開がまるで理解できなかった。
近藤が突きを繰り出したそのあとすぐに、彼は気を失い地面に崩れ落ちた。
立っているのは柔らかな微笑を浮かべた降旗。
自分たちが想像していた点かいとは真逆。予想に反して、勝利したのは降旗だった。
降旗は気絶した近藤に深々と頭を下げ
「ありがとうございました。」
と、言った。
深く下げられた頭に、近藤の友をしていた4人は呆気にとられた。
間の抜けた顔が並んでいるかと思えば、その顔は見る見る笑顔に変わる。
「わはは!まさか師範を倒すとはな!」
「さすが『降旗』の次期当主!」
「あ、えっと・・・ありがとうございます。」
降旗の小さな頭など軽々と包み込んでしまう大きな手で髪を混ぜられ、目を白黒させた。
それでもきちんと礼を言う辺り、降旗の性格がうかがえる。
「今日は挑戦を受けてくれてありがとな。師範の代わりの礼を言うよ。」
「いえ、お礼を言いたいのはこっちのほうです。ありがとうございました。・・・良い指導者をもちましたね。」
「・・・ああ。」
嬉しそうに笑う弟子の4人。降旗もうれしそうだ。
聞きたいことは山ほどあるが、今はそっとしておこう。
たとえ、ことらに多大なダメージとストレスを与えたとしても。
(わかってるな、お前ら。)
(((おう/はい!)))
1人の可愛い後輩/同輩の笑顔のために。
(どうやって説明しよう・・・。あの人に頼もうかな・・・。)