知らなかったこととはいえ、






少しさかのぼる。
相田と桃井がクーラーボックスを運ぼうとして四苦八苦していたときのことだ。
午後からの練習は外で行う。
そのため、クーラーボックスを外へと運ぼうとしていたのだが、いかんせん人数が多く、クーラーボックスを3つも運ばなければならなかった。
幸いにも、スタメン用のロッカールームの横にある扉から出れば、午後練の集合場所で、距離はそう遠くない。
鍵も管理人室から借りているから、問題はないのだが、女手では少々骨が折れる作業だ。

そんな時、高尾と桜井が現れ、2人が一つずつクーラーボックスを持つと言ってくれた。
それでは最後の一つは自分たちで持とうか、というときに、降旗が遅れて登場したのだ。
そうして5人でロッカールームの前を通るまで、降旗は一緒にいた。
降旗に犯行は無理だろう。彼は練習にも参加していたし、それを目撃している人間も大勢いる。
先にロッカーを荒らしておいたにしても、少女が暴行を受けたのは、たった今だ。
暴行されて、助けを呼ばないなんてことはないのだから。

そうして、少女はこう証言したのだ。


『降旗がロッカーを荒らしていて止めようとしたら、』と。


つまり、ロッカーを荒らしたのも今、ということになる。
降旗に犯行は不可能だということが証明された。


そうして、降旗の証言。


『+++さんに用事がありからロッカールームに来るように頼まれていた』


手紙もある。
筆跡は少女のものだ。

どちらが怪しいかなんて、聞くまでもない。
少女は、降旗をはめようとした罪により、警察へと引き渡された。


「(馬鹿だなぁ・・・。忍者をはめようとするなんて)」



























ネタばらし
(クーラーボックスを運んでいるときに行われた矢羽根での会話)


<<ねぇ、テンプレ悪女がいるって信じる?>>
<<え?あれって都市伝説じゃないんですか?>>
<<都wwww市wwwwwww伝wwww説wwwwwwwwww>>
<<でさぁ、俺はめられたんだよね>>
<<はい?>>
<<ちょwwwwwwwwwwどういうこと?>>
<<突然の真面目口調>>
<<茶化さないで>>
<<実はマネージャーに手紙で呼び出されてロッカールームに行ったんだけど、マネージャーが負け犬のように喚きだしてさ>>
<<ちょwwww光ちゃんwwwwwwwwwww>>
<<あれ?これってもしかして・・・>>
<<ネタばれ早い。もしかしなくてもそれ。ただしちょっとゲスい>>
<<wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww>>
<<ロッカーとかぼろぼろの部屋でいきなり服やぶきだすし、ああ、嵌めようとしてるんだなって思ってたら悲鳴あげられてさ。天井裏から逃げちゃった>>
<<wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww>>
<<光樹君wwwwwwwwwwwwwwwwww>>
<<で、証拠作ってロッカールームに戻ろうとしてたらお前らと出会った>>
<<なるほどねwwwwwwwwwww>>
<<ってわけで今からとどめさしに行くから>>
<<ゲスいwwwwwwwwwwwこれはゲスいwwwwwwwwwwwwwwww>>
<<光樹君wwwwwwwwwwww最高ですwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww>>
<<ありがと。ってことでごめんね、+++さん>>





君の思い通りになるつもりはないんだよ、




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