緑降異母兄弟パロ
「こんなもん、かな?」
煮物の汁を小皿にとり、味を見る。少し甘すぎたかもしれない。
茶髪に少年、降旗は存外甘党である。しかし、兄はそれを超える甘党で、自分には少し甘すぎるくらいがちょうどよいのかもしれない。
そう納得させて、皿に盛り付ける。
今日の夕飯は、煮物と焼き魚。そしてかぶの味噌汁だ。
「ただいま。」
玄関の方から兄の声が聞こえた。煮物をテーブルに置き、エプロンを外しながら兄を出迎えた。
兄はきちんと靴をそろえているところで、鮮やかな緑の髪が低い位置にある。
普段見ることのできないつむじが見えて、こっそりと笑う。
「おかえり。」
「ただいま。」
今度はしっかりとこちらを見て、緑間が言った。
降旗と緑間は、兄弟である。はっきりと似ていないと言えるのは、2人が異母兄弟で、2人そろって母親に似たからである。
母親たちは、2人の髪色をもっと明るくしたような色で、2人の色が少し落ち着いた色をしているのは、おそらく父親の血であろう。
それくらいしか父親の血を感じられないほど、2人は母親に似ているのだ。
「着替えてきなよ、ご飯よそっておくから。」
「ああ。」