フラグ乱立注意報
降旗は深いため息をついた。
彼の隣で月バスを読んでいた高尾がそれに気づく。
「どしたの、光ちゃん。」
彼らは今、降旗の家にいる。
たまたま重なったオフの日に遊びに来ていたのだ。
浮かない顔をした幼馴染に、自分まで思わず不安になる。
「うん・・・、実はさ・・・・。冬休みに赤司がこっちに帰ってくるっていうんだけど・・・。」
「え、嬉しいことじゃん、それがどうかしたの?」
「嬉しいんだけど、キセキの世代と一緒にバスケするんだって・・・。」
「え。」
あんな怨念ホイホイと?俺たちもいないのに?
思わず眉を寄せれば、降旗は切なげな表情で笑った。
「しかもね?三人悪も・・・同じ日にこっちにくるって。」
「何それフラグ?」
何かあるフラグ+巻き込まれフラグ=死亡フラグという図式が成り立ってしまったが仕方ない。
もし、3人がキセキの世代に出会ったら、確実に彼らを助けようとするだろう。
しかし、あの大きさの怨念は、彼ら3人の力量をはるかに上回っている。
自分たちでさえ、2人はいなければ、滅することができないというのに。
それでも彼らは助けようとするだろう。
「何なの、俺たちにストーカーでもしろっての?」
降旗の思わずもれたつぶやきに、高尾は答えることができなかった。