【ゲートの】ブラック本丸に迷い込んでしまったんだが【故障?】 2














286 名無しの審神者
大丈夫かな、姐さん・・・


287 名無しの審神者
もう二時間近くたってるんだけど・・・


288 名無しの審神者
姐さんなら大丈夫だって!
今までもそうだったし!


289 名無しの審神者
そういや拡散組と担当報告組の進歩はどうだ?
ちなみに拡散組の俺氏、収穫なし


290 名無しの審神者
>>289同じく拡散組の俺
姐さんの刀剣が釣れる気配なし
っていうかほぼスルーかな
ブラック案件だし、関わりたくないってやつが大半っぽい


291 名無しの審神者
荒らしが入ってこないだけましだろ
新参も空気呼んでROMに徹してるみたいだしな


292 名無しの審神者
担当報告組なんだけど、うちの担当がグレーってことが判明
ブラック案件は関わりたくないんだとよ


293 名無しの審神者
うちの担当はホワイトなんだけど、手掛かりなさ過ぎて涙目で捜索中


294 名無しの審神者
せめて国だけでもわかればなぁ・・・


295 名無しの審神者
国なんて審神者によっては全く興味ない奴いるし、自分の所属国を示すものなんてほとんどないだろ
そもそもそんな機会がないし


296 名無しの審神者
>>295それな
それこそIDと一緒に書かれてるくらい


297 名無しの審神者
>>296つまりどっちにしろ執務室を見つけるしかないってこったな


298 名無しの審神者
振りだしに戻ったな・・・


299 名無しの審神者
>>298言うな・・・


300 こんのすけ
ど、弩号の刀剣ラッシュでした……


301 名無しの審神者



302 名無しの審神者



303 名無しの審神者



304 名無しの審神者
こんのすけええええええええええええええええええええええええええええええ!!!


305 名無しの審神者
無事だったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!


306 名無しの審神者
よくぞ無事でえええええええええええええええええええええええええええ


307 名無しの審神者
よかったああああああああああああああああああああああ!!!
でも刀剣ラッシュって何いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!?


308 名無しの審神者
>>307


309 名無しの審神者
>>307


310 こんのすけ
順を追って説明します
私が誤送信をしたときのことです
スレへの報告を行いながら姐様について回っていると、突然姐様が歩みを止めたのです
今まで何のためらいもなく足を動かしていた姐様が突然動きを止めたことに私は驚きました
目を細め、ある一室へと目を向け、纏う空気を変えた姐様に、小夜様も張り詰めたような空気を醸し出しました

「ど、どうかしましたか……?」
小夜様「姐様……?」
姐様「……何か、在る」

それだけ言って、姐様はその一室の襖を開けたのです
それに驚いて、私は誤送信をしてしまったという訳です


311 名無しの審神者
在る?いる、とかじゃなくて?


312 名無しの審神者
小夜ちゃんは何も感じなかったの?


313 名無しの審神者
だから姐さん、マジ無謀うううううううううううううううううう!!!


314 こんのすけ
>>312小夜様は何とも
>>313私もそう思います

襖を開けると、そこは薄汚れた部屋でした
刀剣の誰かの私室だと思われるのですが、生活していた形跡はほとんどありません
ただ、少しだけ他の部屋よりは綺麗だな、という印象を受けましたね

姐様は部屋に入ると、他のものには目もくれず、まっすぐに床の間を見やりました
そこには刀掛があり、刀が飾られていました
おそらく重傷のものと思われる、刀剣男士の本体です


315 名無しの審神者



316 名無しの審神者



317 名無しの審神者



318 名無しの審神者
いやあああああああああああああああああああああああああああああ!!?


319 名無しの審神者
ブラック絶許ううううううううううううううううううううううううううううううううううう


320 名無しの審神者
ブラックまじ絶え果てろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


321 名無しの審神者
こんのすけ、その刀剣男士、誰だか分かる?


322 名無しの審神者
てかご本人様はどこよ?


323 こんのすけ
姐様は真っ直ぐにそちらに向かい、床の間の前で片膝をつきました
小夜様もそれに続き、刀の検分にかかりました

小夜様「中傷、だね。この程度なら動きに支障はない。動き回れる程度の負傷、だけど」
姐様「ああ、いるな」
「ど、どこに何が、でしょう……?」
姐様「ここに、彼が」

そう言って、姐様は刀の柄に触れました
小夜様も頷かれ、この刀剣男士様が顕現が解かれた状態にあることが分かりました

姐様「手入れをしたいけれど、手入れ道具はないし、顕現させるのは酷だろう。どうしたものかな」

そう言いつつも手入れをする気満々で手入れ道具を探す姐様が堂々とし過ぎていてむしろ怖いです
特殊本丸を率いる審神者としてはこのくらいでないとやっていけないのでしょうか……


324 名無しの審神者
小夜の中傷診断が怖いんだけど・・・
負傷について麻痺してそうだし・・・


325 名無しの審神者
てか姐さんってばホントに悠長にしすぎ!


326 名無しの審神者
姐さん、何でその部屋に刀剣があるって分かったんだろう・・・


327 名無しの審神者
姐さんぐらい度胸がなかったら特殊本丸の審神者はやっていけないんでない・・・?


328 名無しの審神者
うーん・・・何か違和感が・・・


329 名無しの審神者
>>328違和感?


330 名無しの審神者
何て言うか、姐さんがあんまり危険を感じてない様な気がするんだよなぁ・・・
命の危機を知ってるし、もともと慎重なきらいのある姐さんがここまでのんびりしていられるってなんか変だなって
刀剣達と出会う前は今すぐにでも帰りたいって感じだったのに


331 名無しの審神者
>>330そうか?姐さんって確かに慎重だけど、大胆な時はどこまでも大胆だろ


332 名無しの審神者
よく考えてみろ
刀剣達にすら無謀と言われるお人だぞ?


333 名無しの審神者
そう言われればそうだな
俺の勘違いだわ


334 名無しの審神者
その認識もどうなの


335 名無しの審神者
>>334それな


336 名無しの審神者
って言うかその刀剣は一体誰なんだよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


337 こんのすけ

姐様「そう言えば見たことない刀剣だな。誰かわかるか?」
小夜様「僕も見たことない。れあと呼ばれる刀剣じゃないかな」
姐様「そうか……。こんのすけ、分かるか?」
「……明石国行様です。来派の刀で、刀種は太刀です」
姐様「来派……うちにはいないな。確か、愛染国俊が来派だったな?」
小夜様「うん。そう言えば、太刀の保護者がいるって聞いたことがあるよ」
姐様「保護者、か……。面倒見がいい刀なんだろうか」
小夜様「兄様みたいな刀かな?」
姐様「一期や光忠みたいな刀かもしれないぞ?」
小夜様「どんな刀だろうね?」

という訳で、床の間に飾られていた刀は明石国行様でした
二人は微笑みあいながら明石様がどのような刀を予想しておりました
その間二人で柄を撫でており、大変和ませていただきました
ですがここはブラック本丸ですよ、お二方


338 名無しの審神者
微笑む小夜ちゃんとか確かに和むけど!和むけど!!


339 名無しの審神者
明石いいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!


340 名無しの審神者
中傷状態で放置とかまじやめて、ホント泣くから


341 名無しの審神者
そうだよ、ここブラック本丸だよ・・・!


342 名無しの審神者
でも姐さんがいつも通りだからか小夜も完全に落ち着いたみたいだな
よかった・・・


343 名無しの審神者
政府姐さんを早く見つけたって・・・!


344 こんのすけ
この部屋に手入れに使えそうなものはなかったので、姐様はハンカチでそっと刀身をぬぐいました
手入れにはあまり適さないものなので、姐様は不満そうにしていましたが、致し方ありません
そのまま汚れをふき取る作業に入りました
私はあまりの悠長さに驚き、このままでは見つかってしまうと声をかけました
けれどそれを制したのは意外にも小夜様でした

小夜様「僕も、早く助けにきてほしいって思うよ。
  でも、本丸で、戦いのさなかにある僕らが唯一安らげる場で、こんな風に傷ついたまま放置される刀はもう見たくないんだ。

  痛くて辛くて苦しいのに、死ぬことも生きることも出来ない。けれど一刻も早く折れてしまえと戦場には出されるんだ。
  刀らしく在りたいと願って、そうなるまでは死ねないと刀を振るって、そうして失われた魂をいくつも見てきた。
  見送ることしかできなった僕でも、身を裂かれるような想いだった。当人たちはもっと辛かっただろう。

  ここの刀達と僕たちの境遇は違うだろう。けれど痛いのは同じだと思うんだ。
  だから、その痛みから解放しようとしてくれる姐様を、僕は止められない。

  大切にしたい人からもたらされる痛みがどれほど壮絶かを知っているから。
  大切な人を失う悲しみが、地獄の底を見たように深いものだということも。
  全部全部、知っているから」

姐様は何も言わず、指の腹で小夜様の目尻を撫でて、明石様の刀身を拭う作業に戻りました


345 名無しの審神者



346 名無しの審神者



347 名無しの審神者



348 名無しの審神者



349 名無しの審神者
突然の涙腺崩壊案件


350 名無しの審神者
やめてええええええええええ!小夜ちゃんやめてええええええええええええええええええ!!!


351 名無しの審神者
そうだよ、小夜ちゃん、悪い方の意味の特殊本丸出身だった・・・!


352 名無しの審神者
一緒に見てた短刀ちゃんが泣いた


353 名無しの審神者
俺も泣いた


354 名無しの審神者
刀剣って手入れをすれば一瞬で傷が治るけど、自然治癒はできないもんな
そんな状態で放置されたらと思うとぞっとする


355 名無しの審神者
>>354痛みが永遠に続くってことだもんな
そう思うと姐さんのこととめらんねえわ


356 こんのすけ
ひたすらに治れ治れと刀身を拭っていると、ほんの少しだけ刀身が綺麗になったように感じました
そのことにほっと息をついたとき、障子度の向こうに、大きな影が現れたのです
小夜様が静かに抜刀し、姐様は平静のまま顔を上げました

姐様「岩融、かな?」

すらりと障子度が開き、2mを超える巨体が部屋に入ってきました
姐様の予想通り、障子に映った影は岩融様で、彼も当然のように傷を負っていて、目頭が熱くなりましたよ
早く帰りたいです

岩融様「人間……審神者か。何しにここへ来た」
姐様「自分の本丸に帰ろうとしたらここに出てしまったんだ。勝手に入って悪いな」
岩融様「そのようなことがあるのか」
姐様「あったからここにいるんだ。今は帰り方を探している」
岩融様「……そうは見えんが」
姐様「ん?ああ、磨けば光るであろう刀を見つけたもので、磨いていた」
岩融様「……おかしな人間だ」

岩融様は肩をすくめました
そして先程姐様が咲かせた紫苑の花を一輪掲げてみせました

岩融様「……ところで、この花はお主が咲かせたものか?」
姐様「ああ。供えられた花が白一色で味気なかったから、色を添えさせてもらった」

岩融様は少し考えるそぶりを見せて、それから花を口に含みました
しかもそれを咀嚼し始めるのだから驚きましたよ
そして花を飲みこんで、岩融様はうろたえたように姐様を見やりました

岩融様「お主、正気か……?」
姐様「何のことか分からないが、狂った覚えはないな」

岩融様はわずかにたじろぎ、大きく息を吐き出しました

岩融様「俺は手伝ってやれんが、好きに探せ。見なかったことにしてやろう」

そう言って岩融様は庭へ降りて、その場から立ち去りました


357 名無しの審神者
お、おお・・・?


358 名無しの審神者
大きな影って表現にひやっとしたけど、岩融は割と友好的っぽい・・・?


359 名無しの審神者
いや、友好的とはいえんだろ
姐さんが害のある存在じゃないって分かったから放置してるって感じ


360 名無しの審神者
てかブラック本丸の刀剣ってホント当たり前のように怪我してて泣きそう


361 名無しの審神者
てか岩融は何で花食ったの?
そして何でそんな動揺してんの?


362 名無しの審神者
>>361うちの石切丸によると霊力の残留から色々と調べたんじゃないかって
悪意とか負の感情を持って行われた行為は、必ず不浄の気を纏うからって
何で驚いたのかまでは分からないけど、あんまりいい人間と接したことがなかったようだから、まともな人間に出会って驚いたんじゃないかなって


363 こんのすけ
>>362小夜様も似たようなことをおっしゃっていましたよ

岩融様が経ち去って、姐様と小夜様は顔を見合わせました

姐様「彼、何のために来たんだ?」
小夜様「さぁ……」
姐様「花を食べていたが、腹を壊さないだろうか……」
小夜様「あれは普通の本丸みたいに審神者の霊力で成長を促したものではないでしょう?姐様が自分の霊力を使って無理やり咲かせたもので、花というよりは霊力の塊が花の形を取ったものに近い。だから花を食べたというより、霊力を取り込んだと表現すべきだと思う。姐様の霊力はとても綺麗だから、お腹を壊したりはしないよ」
姐様「そうなのか。しかし、何故食べたんだ?」
小夜様「姐様の霊力を取り込んで、姐様について調べたかったんだと思う。霊力を取り込めばその人となりが分かるからね。特に三条とか古い刀剣には神格の高いものが多いから、霊力を調べるのなんてお手のものなんじゃないかな」
姐様「そんなこともできるのか。君たちってすごいなぁ」

感心したようにううむ、と唸って、姐様は手に持った明石様を見やりました

姐様「君も出来るの?」

と、小さく笑みを浮かべながら尋ねました
返事は返ってきませんでしたが、小夜様もわずかに美しさを取り戻した刀身と鞘に口元をゆるめました


364 こんのすけ
小夜様が刀掛に鞘を戻して立ち上がりました

小夜様「姐様。長く同じ場所に留まりすぎたみたいだ。そろそろ移動しよう?ここではこれが精一杯でしょう?」
姐様「そうだな。完全に治してやるには手入れ部屋に入れてやらなければ無理だ。捨て置くようで後ろ髪を引かれるが、少し待っていてもらおう」

姐様も刀掛に明石様を戻し、そっと柄に手を置きました
そして何やら言葉をかけようとして

小夜様「姐様!」

小夜様が叫び、抜刀しました
その時、襖が斬られ、部屋に押し入ってきたものが居りました


365 名無しの審神者
突然の展開に動揺を隠せない


366 名無しの審神者
最初に刀剣ラッシュとは聞いていたけれど、まさかここまでラッシュされるとは思わなかった


367 名無しの審神者
もう何なのブラック怖い


368 こんのすけ
押し入ってきたのは加州様でした
加州様か明石様に手をかける姐様を見て、頭に血を登らせたようでした

加州様「そいつに触るな!」

叫んで、斬りかかってきたのです
姐様が後ろに飛びのき、小夜様が加州様の一撃を受け止めました

姐様「すまん、小夜。もたもたしすぎた」
小夜様「いいよ。僕が望んだことでもあるし」

小夜様が刀を弾き、姐様を庇うように立ちはだかりました
加州様は、小夜様の存在に驚いているようでした

加州様「何で小夜が……。新しい審神者じゃないのか……?」
小夜様「僕たちはゲートの不備でここに来てしまっただけだよ。姐様は僕の主だ」
加州様「ゲートの不備、ね……」

加州様が視線を小夜様から姐様に移しました

加州様「本当にそうなの?」

ゆっくりと刀を持ち上げ、切っ先を姐様に向け、加州様は続けました

加州様「捨てたんじゃないの? その本丸と、刀剣達を」


369 こんのすけ

小夜様「姐様は僕らを捨てたりなんかしない。貴方の想像で、勝手なこと言わないで」
加州様「想像なんかじゃない。事実を言ったまでだ。今はいい人ぶってても、いつか本性を現すよ。それが人間だ」
小夜様「……貴方は捨てられたの?」

小夜様の言葉に、加州様はびくりと肩を震わせ、次の瞬間激昂しました

加州様「ああ、そうさ!いい人ぶって上っ面だけにこにこ笑っちゃってさ。善人みたくふるまって、突然本性を現すんだ!そいつだって今だけだ。すぐに変わるさ。些細な、くだらないことで豹変する。人間なんて、みんな一緒だ!!」

髪を振り乱して叫ぶ加州様は、憎悪にまみれていました
おそらくこの本丸は、審神者による意図的な放置本丸でしょう
彼の言葉から察するに、この本丸を捨てたのです
審神者自らの意思で


370 名無しの審神者
う、うわああああああああああああああああああああああああ!!!


371 名無しの審神者
それ加州にやったらアカンやつううううううううううううううううう!!!


372 名無しの審神者
コロコロからの放置じゃなくてよかったと思ったけどどっちにしろ悲惨だよこれえええええええええええええええええええええ!!!


373 名無しの審神者
ブラック本丸ホント嫌だああああああああああああああああああああああああああああああ!!!


374 こんのすけ

小夜様「僕らの主は変わらなかったよ」

加州様の言葉を聞いて、小夜様は静かに言いました

小夜様「最初から最後まで、一貫して”悪”だった」

小夜様の言葉に加州様は眼を見開きました

小夜様「刀として扱ってもらえただけましだよ。貴方に刀として扱ってもらえない苦しみが分かる?
  戦場に出されることもなく、ただただ閉じ込められて、刀の本分とは程遠い仕事をさせられて、ただただ見送ることしかできない。
  それがどれほどの屈辱か、貴方に分かる?
  いつか刀として扱ってもらえるんじゃないかと期待して、けれどもそれはあっさりと潰えて溶かされる。
  その恐怖が、貴方に分かる?」
加州様「なに、言ってんの……。は……?」

小夜様の淡々とした言葉に、加州様がたじろぎました
捨てられること、必要とされないことを恐れる加州様にとって、小夜様の言葉は想像するだけでもおぞましいことなのでしょう
彼は思わず後ずさりを見せました
それ以上はやめさせようとして、姐様が肩に手を置きますが、小夜様は止まりません

小夜様「そんな場所でも諦めなかった刀がいる。刀として認めてもらおうとずっと戦ってきた人がいる。一度は挫けたけれど、それでも再び、その刀は立ち上がったんだ」

小夜様は胸に手を当て、瞳を閉じました
それから加州様を見つめました
貫かんばかりに、まっすぐに

小夜様「僕は貴方が情けない。同じ刀剣として悲しいよ。あんなにも強くて美しい刀剣が居る一方で、貴方みたいな鈍らが存在するなんて。僕は貴方を軽蔑する」
加州様「黙れ!!!」

加州様が刀を振り下ろし、小夜様に斬りかかりました
お互いに高ぶっているのか、気が膨れ上がったような気がしました

加州様「お前に俺の何が分かる!大好きだった主に傷つけられて、裏切られて、捨てられて!その苦しみがお前に分かるか!?」
小夜様「分かるわけない!僕はあいつのもとに降ろされてよかったと思ったことなんて一度もないんだから!」

悲痛な声で叫び、お二人は涙を流しておりました


375 名無しの審神者
もうホント嫌あああああああああああああああああああああああああ!!!


376 名無しの審神者
何でブラック本丸なんてものが存在するんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


377 名無しの審神者
小夜おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
加州ううううううううううううううううううううううううううううううう!!!


378 名無しの審神者
よかったと思ったことが一度もないとか辛い・・・


379 名無しの審神者
加州の主さん、良い人やったんか・・・
こんだけ加州に好かれてるのに、何で狂ってもたんや・・・


380 名無しの審神者
本性を隠してたのか、歪んでしまったのか・・・


381 こんのすけ
数度の鍔競り合いののち、お二人は距離をとりました
そして再び加州様が斬りかかってこようとした時、姐様が加州様の顔面に羽織をぶつけて視界を奪いました

姐様「小夜、行こう」
小夜「姐様……」
姐様「こんのすけ!しっかりついて来い!」
こんのすけ「はい!」

姐様は小夜様の手を引いて走り出しました
そして廊下に飛び出した瞬間、姐様の顔色が変わりました

姐様「小夜!」

姐様が叫んで、小夜様を抱えて床に伏せました
そして頭上で、風を斬る音と共に銀色の一線

「おお、避けられてしまったか」

聞こえてきた声に顔を上げれば、そこには青い着物に、瞳の三日月が美しいあのお方
三日月宗近様が居りました(震え声)


382 名無しの審神者



383 名無しの審神者



384 名無しの審神者



385 名無しの審神者
いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!?


386 名無しの審神者
ブラック本丸で絶対に会いたくない刀剣キタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!


387 名無しの審神者
ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!


388 名無しの審神者
平然としてるとこがまた怖いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!
いつでも殺せるからって言う余裕ですかあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!???


389 名無しの審神者
丁度三日月に声かけられて抱いてたクッションぶつけちまったあああああああああああああああああああああああああああああ!!!


390 名無しの審神者
>>389おいwwwwwwwwww


391 名無しの審神者
>>389不覚にもワロタwwwwwww


392 こんのすけ
三日月様がもう一度刀を振り上げ、姐様に斬りかからんとした時、それよりも早く姐様が動きました
私を抱え、小夜様の手を引いて脱兎のごとく駆けだしたのです
そしてひたすらに走って着いたのは門前でした
柱に隠れるようにして私たちは座り込み、安否確認に移りました

姐様「二人とも、大丈夫か?」
小夜様「うん」
「は、はい……」
姐様「それにしてもすごいな。風を斬る音が聞こえたぞ」
「笑っている場合ですか!!」
姐様「それだけ余裕が持てているということさ。一度経験していると、やはり全然違った対応が出来るな」
「……その経験とは?」
姐様「斬りかかられる経験」

ちょっと待て
この人、どんな人生送ってきたんだ


393 名無しの審神者



394 名無しの審神者



395 名無しの審神者



396 名無しの審神者
そして笑いが一瞬で引っ込むという・・・(震え声)


397 名無しの審神者
さっきの命の危機ってまさかこれ・・・?


398 名無しの審神者
もしかして小夜ちゃん達に・・・?


399 名無しの審神者
何この刀剣男士がどんどんROMに回るスレ
もう審神者しかいねえじゃん・・・


400 名無しの審神者
も、もしかしたら現世で通り魔に襲われたとかかもしれないだろ!?
滅多なこと言うなよ!!!


401 名無しの審神者
姐さんスレ知ってるやつうううううううううう!!!どういうことおおおおおおおおおおおおおおおお!!?


402 名無しの審神者
まぁ>>400みたいな認識でいいと思う
小夜達、刀剣に斬りかかられたわけではないから


403 名無しの審神者
そ、そっか


404 名無しの審神者
よかったぁ・・・
いや、よくはねぇんだけど


405 名無しの審神者
てかこんのすけは知らんのやな?
スレ民は知っているのに


406 こんのすけ
私が知っているのは特殊本丸の刀剣と、それを引き継いだ審神者という漠然とした情報のみです
政府からは前回の審神者が相当な悪党だったので、前任の二の舞にならぬよう、厳しい目を持って姐様に接しろと命じられました

続けます
門前にて一息ついていると、小夜様がぽつりと呟きました

小夜様「姐様に庇われちゃったね……」
姐様「ん?」
小夜様「僕が守らなきゃならないのに……。僕、三日月に襲撃された時、何もできなかった……」

落ち込んだ様にうつむく小夜様に、姐様はうっすらと微笑みました

姐様「私はね、君たち短刀が最も勇気ある刀剣だと思っているんだ」
小夜様「え……?」

何の脈絡もない姐様の言葉に、小夜様は戸惑いを見せました

姐様「前に刀と相対した時、私の間合いでさえ怖いと思ったんだ。それなのに、私の間合いよりもずっと小さな間合いで君たちは戦っている。凄いなぁって、見るたびに思うんだ」
小夜様「……そんなこと、ないよ」
姐様「あるんだよ。そんな君がそばにいてくれるから、私はこうして笑っているだけの余裕を持てている。私は十分、君に助けらているよ」

そう言って姐様が笑うと、小夜様もうっすらと微笑み返しました
どうしてこのお二方はブラック本丸なのに和ませてくるんですか
つい気がゆるんでしまうでしょうが!!


407 名無しの審神者
ちょwwwwこんのすけwwwwww


408 名無しの審神者
いや、和むけどね?wwwwww


409 名無しの審神者
てーか、政府ェ・・・
こんのすけにくらい事情説明しとけや


410 名無しの審神者
確かに短刀ちゃんの間合いって狭いもんなぁ


411 名無しの審神者
俺はそれを怖いって思っちまうタイプだわ
それってきっと短刀たちを傷つけてると思うんだけど、なかなかそう言う風には思えねぇわ


412 名無しの審神者
>>409それな
こういうのって当事者たちに話させるもんじゃねぇだろ


413 名無しの審神者
この場合本人達に聞きにくいしなぁ
てかまず話したくないだろうし


414 名無しの審神者
姐さんもこんのすけが事情知らないってこと、知らないんじゃない?
俺も知ってるもんだと思ってたし


415 名無しの審神者
>>414それな


416 こんのすけ
当事者たちには話させたくないので、また政府に掛け合ってみようと思います
もしくは姐さんスレを探してみます

続き

姐様「さて、行くか」

と言って、姐様が立ち上がりました
姐様は何事もなかったかのように、さっそうと歩き、本丸に向かっていきます
あまつさえ、平然と室内に入っていこうとしたものだから、ぎょっとしました

「お、お待ちください、姐様!先程切りかかられたばかりではありませんか!」
姐様「そうだな」

刃を向けられてなお、折れぬ心に感服すればいいのか、畏怖すればいいのか
最早泣きたい気持ちでいっぱいでした
半泣きになってしまった私に、姐様は真剣なまなざしを向けていったのです

姐様「確かめたいことがあるんだ」



小夜様「確かめたいこと?」

私の代わりに、小夜様が尋ねました

姐様「ああ。彼らが本当に、私を斬る気があったのかどうか」

そう言って、姐様は薄汚れた本丸を見上げました




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