滲む赤






「俺は、お前を―――――とは認めない」


 その言葉は、意図して鋭く突き立てるように放たれた。
 少しでも響いてくれ、と。何かを感じてほしい、と。傷つけるためではなく、希うような切実さを持って。
 自分を嫌っていっているのではない。
 己の我がままであると知りながら、それでも言わずにはいられなかったのだろう。
 己の放った言葉に傷つきながら、それでも己の心のために。
 あるいは―――、俺と言う刀の矜持のために。










(”大倶利伽羅”という刀のために)




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