捻れた世界と後輩審神者






ジャック「そういやあんたら、オンボロ寮をブラックホンマルよりはマシって言ってたが、そりゃどんな場所なんだ?」
エペル「確かに気になる、かな……」
春霞「うーん、どんな場所、かぁ……」
セベク「歯切れが悪いぞ、人間!!!!!」
春霞「正直、千差万別すぎて一概に言えないんだよね」
デュース「オンボロ寮より酷い場所がいくつもあるのか!!?」
撫百合「一言で言えば劣悪な環境ですね。人体を蝕む瘴気が発生していて、地獄を絵に描いたような場所です」
グリム「よく分かんねぇんだゾ……。子分達が見たのはどんな場所だったんだ?」
春霞「私が見たブラック本丸は、血飛沫で本丸のあちこちが黒ずんでたよ」
エース「待って?????」





撫百合がやべぇ奴って思われがちだけど、本当は春霞が一番ヤバい奴という話。


 椿はきっと、無垢なままでは居てくれない。
 汚されてしまう。染められてしまう。
 撫百合には、その事が口惜しくてならないのだ。


「うーん……。確かに変わらないってことは出来ないと思うし、環境が環境だからねぇ……」


 関わりたくないものにまで関わらせられるのが椿の現状だ。それが椿に何かしらの影響を与えるのは必然と言える。
 そもそも人は変化する生き物だ。不変でいることは不可能である。


「でも、染められた椿さんも、それはそれで美しいと思うよ」


 ―――――本当にやべぇのはこっちか。
 レオナ達の瞳からハイライトが消え失せた。





「椿さんは中立・中庸って感じかな。善寄りではあるけれど、善ではないね」
「あの人は自分の大切なもののためなら命だって掛けられるし、愛するもののためならどれだけ傷付いたって諦めない」
「でも、一度敵だと認識した相手には、どこまでも容赦しない。例え目の前で切り刻まれていたって、眉一つ動かさないような冷徹さも持ち合わせているよ」


 でも、そんな残酷さは誰だって持っているものだ。当たり前に存在するものだ。幼い子供が蟻を踏み潰すようなものでしかない。
 椿のそれは、その程度のものなのだ。誰もが持ち得る、当たり前の感性だ。
 少々独特ではあるものの、椿はごく一般的な人間から逸脱しない。むしろ、人間の見本のような人間なのだ。


「そんな誰よりも人間らしいあの人が、私達は大好きなの」


 だからきっと、ここに来たのは春霞たちで正解なのだ。歪みに歪んで、捻くれたような世界は、椿には似合わない。





「照らすだけの存在には救えない」に関する小ネタ。
春霞の語る姐さんの地獄っぷりに頭を抱えるででにーヴィランズ。

グリム「ふなぁあ~~~!? 子分の目がやべぇんだゾ!!!」
エース「だれか、誰かロイソの光属性達連れてきて、一生のお願い」
レオナ「ロイヤルソードの甘ちゃん達にどうにか出来るかよ、これが」
ラギー「だからってオレ達にどうにか出来るとは思えないんスけど?」
デュース「なんで、なんで、ツバキさんもハルガスミさんも、ナデユリさんだって、頑張ってるのに……」
リドル「救いは、救いはないのかい……?」
イデア「これはアレかな……。“そこになければないですね“ってやつ」
アズール「あ゛あああああ~~~~~! もうやだ~~~~~~~!!!」

ヴィル「救世主って、ヒーローって何なのかしらね……」
エペル「ああっ!? ヴィルサンが黄昏れてる!!?」
ルーク「ああ、ヴィル! しっかりしておくれ!」
リリア「光属性に対して特にコンプレックスの強いヴィルには耐えきれんかったか……」
ジャミル「………………」
カリム「ジャミル!? どうした、大丈夫か!!?」
ジェイド「ああ、ジャミルさんまで……」
フロイド「ウミヘビくんも隣に光属性がいるから、被弾しちゃうのはしょうがないよね……」

シルバー「“身体は傷だらけ。心はもっと傷だらけ”か……」
ケイト「っていうか助けて貰った人達から“殺してやった方が良い”って言われるってどんな状況な訳!?」
トレイ「勝手に救世主を押しつけられて、心も体も傷だからになって、救えなかったら“何故”と責められる。普通の人なら心を病んでもおかしくないな……」
セベク「なんと勝手な! 例え救えなかったとしても、救おうとした心は本物のはずだ! 責められる謂われはないだろうに!!!」
マレウス「ああ、確かにこれは、“悍ましい”な……」
ジャック「……そう言えばツバキさんって、ハルガスミさんと同い年の女の人じゃなかったか……?」
オルト「今までのハルガスミさん達の会話から推測すると、ツバキさんはまだ未成年の女性だね! まだ若い女の人が傷だらけなんて、心配だなぁ……」
「「「     」」」





アズール「というか、そんなむごい有様になっていようとも手を伸ばしてしまうツバキさんという人、慈悲深すぎでは???」
ジェイド「ええ。きっと“慈悲”の精神を宿した素晴らしい人なのでしょうね」
フロイド「じゃあきっとオクタヴィネルだから、うちで保護してあげないとねぇ」
レオナ「あ゛? 何言ってやがる。地獄の底で絶望しながらも諦めずに足掻き続ける人間だって話だろうが。そんな奴、“不屈”以外ありえねぇだろ」
ラギー「そうっすよ。それにハルガスミさん達が“不屈の化身”ってはっきり言ってるッスからね!」
ジャック「……でも、その“不屈の心”があるから、諦められなくて、余計にしんどい思いをしてんだよな……」
「「「………………」」」




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