【目指せ】とある廃病院を調査する【条件達成】
196名無しの厳格寮生
なになになに!!? 何が起きたの!!???
197青
灰色! ダリアさん、ジンベエさん!!
198厳格寮長
返事をしないか!!!
199名無しの熟慮寮生
ちょ、先生に伝えてくる!!!
200ジンベエ
【音声入力】
ジョキ……ジョキ……
ブチブチブチッ!
ビチャッ
未登録「ふむふむ。どうやら食べ過ぎのようですね」
ジンベエ「そうですか」
未登録「中身を取り出したので、もう大丈夫ですよ」
ジンベエ「ありがとうございました」
未登録「お大事に」
ジンベエ「さぁ、帰ろうか」
灰色「あ……うん………」
ダリア「ぐすっ………」
バタン……
201名無しの不屈寮生
は?????
202名無しの勤勉寮生
なに………?
203名無しの奮励寮生
音が怖すぎるんだが???
204厳格寮長
ひとまず無事なようだけれど、一体何が起こっているんだ……?
205青
まさか………
206ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「ダリア、大丈夫か?」
ダリア「ぐじゅ……。じ、ジンベエさんが切られるかと思った………」
ジンベエ「驚かせてすまない。灰色も悪かったな」
灰色「………別に、ジンベエザメちゃんが悪いわけじゃねぇし……。でもあれは一体何だったの?」
ジンベエ「ありがとう。簡単にまとめようか。……どうやら男は診察室に入ったものを診察することに縛られているようだ。これは憶測に過ぎないが、患者用の椅子に座ったものを患者と認識するらしい」
ジンベエ「そして、私が小児科から持ってきたテディベアを患者と認識。治療を施し、彼のルールを破らずにクリアすることが出来たようだ」
ジンベエ「私が腹痛を訴えていると言ったためか、テディベアははさみで腹を開かれ、腹痛の原因である中身……人間で言うなら臓器を取り出した、と言ったところかな。痛むものがなかったら、腹痛なんて起こらないから」
灰色「最悪の解決方法じゃん………」
ダリア「うぐっ………うえっ………」
ジンベエ「しばらく休憩しようか。丑三つ時まで、まだ時間もあることだし」
ダリア「う゛―――……」
207青
予想通りだったことがこんなに嬉しくないことあります???
208名無しの熟慮寮生
何だその「人間がいなくなったら世界は平和になるよ」理論
209名無しの慈悲寮生
究極の藪医者じゃん……
210名無しの不屈寮生
てか、なんでぬいぐるみを開いたら「ビチャッ」なんて音が鳴るの????
211名無しの厳格寮生
>>210藪をつつくんじゃねぇ!!!
212名無しの勤勉寮生
>>210好奇心はお猫様を殺しちまうんだぞ!!!!!
213名無しの高尚寮生
もっと別のことに目を向けよう
ジンベエさんがファインプレーすぎるところとか
214名無しの慈悲寮生
>>213それな
何であんな悍ましいぬいぐるみを持って行こうと考えたの???
215名無しの厳格寮生
ジンベエさん、ぬいぐるみ好きなの???
俺がもっと可愛いぬいぐるみ用意してあげるから、そんな趣味悪いぬいぐるみは置いていこう???
216名無しの不屈寮生
てか、ここまでダリアのガチ泣きに言及するレスがないことに驚き
217名無しの勤勉寮生
>>216ならお前は泣かない自信あるの?
218名無しの不屈寮生
>>217ないですね
219名無しの奮励寮生
そういうことだよ
220ジンベエ
【音声入力】
灰色「215、ホントそれな。ウツボのぬいぐるみとかにしとこ? タコちゃんとかでもいいよ」
ダリア「えっぐ……ふぐ……、う、うさぎとか、ねことかさぁ……」
ジンベエ「いや、確かにぬいぐるみは可愛らしいとは思うけれど、特別好きというわけではないんだ。あれを持ってきたのは身代わりに使おうと考えていたからなんだ」
灰色「身代わり?」
ジンベエ「本当はヒトガタを使おうと思っていたんだけど、頭と四肢のあるものがそこにあったから、それでいいかなって」
ダリア「は?????」
灰色「カニちゃんが泣き止むくらいの衝撃なんだけど。てか、ヒトガタって何」
ジンベエ「こちらの世界にはヒトガタ、カタシロなどと呼ばれるものがあるのだが、これは古くからお祓いの際に使用される。これはいわゆる持ち主の代わりに厄災を引き受ける身代わりで、穢れや病をヒトガタに背負って貰うことで身を浄化するんだ」
ジンベエ「まぁつまり、あのぬいぐるみにヒトガタの代わりをして貰ったんだよ。そして私に降りかかるはずだった厄災を引き受けて貰ったと言うわけだ」
灰色「ジンベエザメちゃんって割と容赦ないよね???」
ジンベエ「私は自分の害となるものに優しくしてやれるほど、寛容ではないんだ」
ダリア「やっぱあのぬいぐるみも危ないやつだったんだ?」
ジンベエ「腹の中を見れば一目瞭然だろう」
ダリア「だよね」
灰色「……そう言えば、小児科でぬいぐるみ触ってたときに感触がどうのっていってたね。そんときから気付いてたの?」
ジンベエ「確信はなかったが、私の予想が正しければ後々害になるかもしれないと思ってな。早々に始末できて良かったよ」
ダリア「思考が過激過ぎない???」
灰色「でも、始末できたのは一匹だけだよ?」
ジンベエ「腹を裂けば始末できることが分かっただろう?」
灰色「アッハイ」
ダリア「ぴえん」
221名無しの慈悲寮生
こんなにも味方が怖い
222名無しの熟慮寮生
ジンベエさんがこの学園で食い物にされない理由を垣間見た気がする
223名無しの不屈寮生
正直ヤクザヴィネルが可愛く思えることがあるなんて思わなかった
224名無しの勤勉寮生
>>223ほんそれ
225名無しの勤勉寮生
>>223お前は俺か???
226名無しの勤勉寮生
俺いつ書き込んだんだろう……?
227名無しの厳格寮生
てか、本当に始末できたの?
228名無しの不屈寮生
>>227ジンベエがそう言ってんだからそうなんじゃね?
正直聞きたくないので、画面越しじゃ伝わらないこともある、で終わらせたい
229名無しの奮励寮生
こんな振り回されてる灰色初めて見た……
230名無しの厳格寮生
学園長がジンベエさんのことを猛獣遣いとか言ってたけど、ジンベエさんのが猛獣じゃね?
231ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「そうだ。君達にもヒトガタを渡しておこう。素人の作ったものだから、気休め程度に思っていてくれ」
ダリア「ジンベエさんが作ったものなら何かしらのパワーありそう」
灰色「分かる」
ジンベエ「過信はしないでくれ。……ところで、そろそろ先に進みたいんだが、」
ダリア「………正直今すぐ帰りたいけど、調査完了させなきゃ帰れないんでしょ?」
灰色「財布もないし、ジンベエザメちゃんは学園長に脅されてんでしょ? 怖ぇし帰りたいけど、それでジンベエザメちゃんが追いだされんのはやだぁ………」
ジンベエ「ありがとう。優しいな」
ダリア「そんなんじゃねぇし! 魔法使えないジンベエさん一人にして何かあったら寝覚めが悪いだけだし!」
灰色「んふふ、オレ、オクタヴィネルの寮生だよ? 当然じゃん」
ジンベエ「うん、助かるよ」
232名無しの高尚寮生
御利益ありそう
233名無しの熟慮寮生
俺も欲しいんだけど
234厳格副寮長
無事帰ってきたら俺達にも作ってくれないか?
それか、俺達にも作れるなら、作り方を教えてくれたら助かる
235名無しの慈悲寮生
このスレ見たらみんな欲しがると思う
236名無しの勤勉寮生
>>235それな
237名無しの厳格寮生
もう授業で教えれば良くね?
238猫先生
>>237検討しよう
239名無しの奮励寮生
おっと、先生
240ジンベエ
【音声入力】
ダリア「あ、厳格副寮長がヒトガタの作り方教えてって」
ジンベエ「もちろんだとも」
灰色「オレも教えて~。あと、青も知りたがると思うから、うちの寮にも作り方教えてよ」
ジンベエ「いいよ。みんなで作ろうか」
灰色「やった~」
ジンベエ「落ち着いたようだから、次に行こう。いけるか?」
灰色「いけるよ~」
ダリア「いけます」
ジンベエ「よし。まぁ念のため、少し後ろをついてきてくれ」
灰色「えー………」
ダリア「どうしてそう生き急ぐの???」
241名無しの不屈寮生
先生、他の教師に連絡ついた?
242猫先生
ダリアたちが無事で何よりだ
>>241ああ、すぐに学園に来て下さるそうだ
しかし、学園長には一向に連絡がつかん
あの鴉め………
243名無しの高尚寮生
は???
244名無しの熟慮寮生
おい、待て
先生が連絡つかないならジンベエさんも連絡つかない可能性ないか???
245名無しの慈悲寮生
>>244連絡つかなかったら学園長は訴えよう
246名無しの厳格寮生
猫先生、学園長やる気ない???
247ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「内科に続いて外科を調査する。部屋の外は先の二部屋と変わらない」
ジンベエ「ドアを開け、中を―――……。止まれ」
ダリア「なに!!?!?」
灰色「まだ診察室に入ってすらいないんだけど!!?」
ジンベエ「見てはいけないものだ。耳も塞いでいるんだ。いいな?」
ダリア「見ちゃいけないものって何? 危ないやつ?」
灰色「……ジンベエザメちゃんは平気なの」
ジンベエ「動いて危害を加えるタイプのものではないよ。でも、君達は見てはいけない」
ジンベエ「耳を塞いで、そこで待っていてくれ」
灰色「………本当に危なくない?」
ジンベエ「ああ」
ダリア「嘘だったら許さないから」
ジンベエ「信じてくれ。………ありがとう」
ジンベエ「さて、同行者に耳を塞いで貰い、廊下で待機して貰う。外科の診察室は凄惨の一言に尽きる。これを生徒に見せるのは憚られるため、撮影した写真の投下は控える。スマホに記録を残しておくので、必要ならば提示しよう」
ジンベエ「診察室は夥しいまでの血液で汚れている。床は勿論のこと、壁や天井にまで飛び散っている。また、皮膚と思わしき肉片がこびり付き、引きちぎられた大腸が打ち棄てられている」
ジンベエ「干からびた肺。血が滴るほどに水気を帯びた心臓。時間の経過に差のある臓器が、数えるのも億劫になるほど大量に転がっている。新しいものだと、たった今抜き取られたのではないかと錯覚してしまいそうになるほど瑞々しい」
ジンベエ「見た限り、おばけちゃんたちのような異形のものの臓器とは思えない。おそらくは生きていた人間か、亜人族のものだろう」
ジンベエ「これは、遊び半分でここに来てしまった者達の末路だろうか」
ジンベエ「見た限り、外科にめぼしいものはない。案内図の通りならば、外科の隣は薬剤室、手術室、二階への階段と続いている。こちらの世界ではあまり見ない間取りだ」
ジンベエ「診察室の調査を終え、同行者と合流して、次は薬剤室へ向かう」
248名無しの不屈寮生
そんな悍ましい部屋調査しなくて良いから!!!!!
249名無しの熟慮寮生
もっと自分を大事にして!!!!!!!!!!
250ダイヤ
自分が一番年上だからって、何でもかんでも頑張らなくて良いんだよ!!?!?
251名無しの勤勉寮生
一部屋に一回怖いこと起こらないといけないルールでもあるの、この病院!!?!?
252名無しの高尚寮生
瑞々しい臓器とは
253猫先生
カウンセリングの手配をしておこう
254名無しの奮励寮生
何で平然としてんの、ジンベエさぁん………
255名無しの勤勉寮生
たった今抜き取られたのではないかとか、そんな怖いアイデア閃かないで!!!
256翡翠
灰色にその光景を見せなかったことにはお礼を申し上げたいですが、あなたが犠牲になる必要はないかと
257勤勉寮長
ホントそれ
ジンベエ氏、4年生と同い年でしょ?
僕達と変わんないじゃん
258名無しの不屈寮生
うっそ、留年おじたんより年下なの………?
259名無しの厳格寮生
マジで? 見た目俺らと変わんないけどすげぇ落ち着いてるから、童顔なだけかと思ってた
260猫先生
待て
4年生と同い年だと?
我々は社会人だったと聞いているが
261勤勉寮長
>>260やりたいこと見つけたからカレッジ行かずに社会人になったんだって
てか、その情報、誰から聞いたの
262名無しの熟慮寮生
学園長だろ、絶対
263名無しの勤勉寮生
どうせ学園長でしょ、知ってる知ってる
264猫先生
その通りだ………
あの鴉、毟り取ってくれる………!
265名無しの慈悲寮生
意図して隠してたのか、ど忘れしてたのか
266名無しの熟慮寮生
返答次第では罪の重さが変わってくるな
267名無しの厳格寮生
>>266どっちにしろ罪は罪だろ
268ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「二人とも、もういいよ」
ダリア「………何もなかった?」
ジンベエ「ああ。危ないことは何も」
灰色「正直納得しかねるけど、怪我はしてないっぽいから、今回は許したげる」
ジンベエ「ありがとう。そう言ってくれると助かるよ」
ジンベエ「………しかし、外科がこうなら皮膚科や手術室はどうなるんだ……?」
ダリア「待って。外科で何があったの」
灰色「味方からの爆撃が止まないんだけど」
ダリア「ジンベエさん、わざとオレ達を怖がらせようとしてない???」
ジンベエ「いや、すまない。眠くて頭が回っていないんだ」
灰色「こんな状況で眠気を感じるとか心臓に毛が生えてるの?????」
ダリア「そう言えば魔獣が「寝起きの子分は失言が多い」って言ってたっけ……?」
灰色「朝弱いんだ?」
ジンベエ「そうだな。寝起きは出来る限り口を開かないようにするくらいには」
ダリア「寝てこなかったの?」
ジンベエ「ギリギリまで別の雑用が詰め込まれていたので」
灰色「帰ったらいっぱい寝ようねぇ」
ジンベエ「ふふ、お昼寝とかしたいなぁ」
ダリア「……先輩見てます? ジンベエさんのお休み確保してください。あとオレ、明日はジンベエさんとお昼寝するんで休みます」
灰色「オレも~」
269厳格寮長
もちろんだ
いいですよね、先生
270猫先生
私が許可しよう
何なら一週間ほど休暇を取って貰っても構わない
そもそも、このような危険な調査を任せる方が間違っているんだ
271名無しの不屈寮生
俺、血みどろの部屋とか見たらしばらく立ち直れる気がしない………
272名無しの厳格寮生
>>271それ
ジンベエさんのメンタルが強靱すぎる………
273名無しの勤勉寮生
ジンベエのSAN値はどうなってるの???
画面越しというか、文字だけの俺らすらこんなにグロッキーなのに………
274名無しの不屈寮生
俺、明日授業受けられる気がしない……
275名無しの厳格寮生
いっそ休校にして烏討ち取ろうぜ???
276ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「さくさく行こう。次は薬剤室だ。薬剤室にはたくさんの薬が並べられている。しかし、薬品棚のタグを見るに、ただの薬では無さそうだ。また、薬では無いものも混じっている」
ダリア「……薬品棚って見ない方が良い?」
ジンベエ「見ない方が良いかもな。先程のぬいぐるみや内科で怖いなら、耳も塞いでいた方が良い」
灰色「……見ない方が良いよ」
ダリア「うわ、顔しっろ!!? え、もしかして……」
灰色「………ミチャッタ……」
ダリア「あっ………」
ジンベエ「見てしまったか……。すまない、私も気付くのが遅かった。視線を逸らして耳を塞いでいると良い。ダリアも薬品棚を見ないようにして耳を塞ぐんだ」
ジンベエ「………薬品棚には確かに薬が並んでいる。しかし、並んでいるのは薬は薬でも毒薬だ。黄リン、水銀、ニコチン、ヒ素。どれも危険なものばかりであり、患者に処方するものではない」
ジンベエ「明らかに薬でないのはリン酸カルシウム、水酸燐灰石、骨粉などだ。リン酸カルシウムは骨の主成分、水酸燐灰石は歯の主成分であったと記憶している。骨粉は家畜や魚の骨を粉末状にした肥料だったと思うのだが、こんな所に並べられているところを見るに、私の知る骨粉とは別物だろう」
ジンベエ「他にも、ホルマリン漬けだろうか。眼球や、胎児のようなものが並んでいる。果たしてこれらは、ここが廃病院になってから並べられたものだろうか?」
ジンベエ「学園長の欲する情報が「病院で起こる怪奇現象が生者によるものか否か」なので、それをはっきりさせることが調査完了を意味するのだろう。しかし、今のところは曖昧な部分が多く、とても調査完了とは言い難い」
ジンベエ「この世ならざるものの干渉があるのは確かだ。しかし、ここの薬品棚がいつからあるのかによっては、生者が引き起こした事態である可能性も高い。また、行政機関に調査依頼を出すことも検討した方が良いだろう」
ジンベエ「………そも、私はハイスクールを卒業したばかりの若輩者だ。知識もなければ力もない。愚痴を言わせて貰えるならば、こういったことを素人に任せないでほしいな」
ジンベエ「…………もういいぞ。部屋を出よう」
灰色「はぁい」
ダリア「オッケー」
277ジンベエ
つ【骨粉などが置かれた薬品棚の写真】
つ【ホルマリン漬けの眼球の写真】
278名無しの熟慮寮生
病院の患者から採取したとかじゃないよね???
279名無しの慈悲寮生
>>278なんでそれを書き込んじゃうかな
280名無しの厳格寮生
ジンベエさんも実は結構参ってる………?
281名無しの不屈寮生
>>280いや、仕方なくね?
三人の中で一番年上だから頑張ってるっぽいけど、かなりエグいもの見てるっぽいし
282猫先生
本当にすまない
学園長は我々が責任を持って締め上げる
何なら好きなだけサンドバッグにしてくれて構わない
283名無しの慈悲寮生
この写真のものを直に見ちゃった灰色に同情するわ………
284名無しの奮励寮生
てか、猫先生が呼び戻したり、調査終了させることは出来ないの?
285猫先生
そうしてやりたいのは山々だが、座標が分からないことにはほぼ不可能に近い
無理矢理呼び戻せば身体を欠損しかねない
また、これだけ電話をかけても学園長に繋がらないと言うことは、条件を付けて強制転移の術式を施しているのかもしれないな
286名無しの高尚寮生
つまり、条件を満たせば帰れるかもってことか
287名無しの厳格寮生
多分その条件って、「病院で起こる怪奇現象が生者によるものか否か」を判明させることだよな……
288名無しの熟慮寮生
もしかしたら、学園長が満足する量の情報を集められたら、かもしれないぞ
289名無しの勤勉寮生
まず条件すらわからねぇとか難易度高すぎない???
290名無しの厳格寮生
強制転移の術式が掛かっているってのも、あくまで可能性の話だけどな
291ジンベエ
【音声入力】
ぺたぺたぺたぺたぺたぺた………
ジンベエ「お?」
ダリア「どうしたの?」
灰色「どうせ怖いのでしょ、知ってる」
ジンベエ「ああ、その通りだ。入院病棟の方から首のない腐爛死体がブリッジした状態で走ってきた」
ぴらっ
「「は???????」」
しゅるっ
ジンベエ「下がっていろ」
「「待って???????」」
ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた
ダリア「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!?!?」
灰色「速い速い速い!!! すげぇスペードでこっち来る!!?!?」
ダリア「こっち来んなばかぁっっっ!!!!!」
ジンベエ「ふ―――………、はぁっ!!!」
バギィッ!!!
ドシャァ………!
「「………………………………は???????」」
ダリア「………オレの見間違いじゃなければ、すげぇ綺麗なスイングでブリッジ女を吹っ飛ばしたように見えたんスけど」
灰色「………オレと一緒なもの見えてるよ」
ダリア「オレ、自分で何言ってるかわかんないです」
灰色「安心して、オレもわかんない」
ジンベエ「ふふ、ミツタダの打撃は凄いなぁ」
ジンベエ「さて、今ので背骨はいったはずだ。腕も一本折れているな。だが、あの手のものにこちらの常識は通用しないだろう。手足を切り落としておくのが一番安心だが、小型のナイフしかないし、来る度に返り討ちにするしかないか」
ダリア「ジンベエさんが一番怖くておばけちゃんへの恐怖が薄れる気がする」
灰色「ジンベエザメちゃん、オルカちゃん辺りに改名する???」
ジンベエ「ジンベエザメというあだ名、結構気に入っているのだけれどなぁ」
292ジンベエ
つ【身体があらぬ方向に折れ曲がった死体の写真】
293名無しの厳格寮生
ええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!?!?
294名無しの不屈寮生
おっぐ………
295名無しの奮励寮生
こんなやつがブリッジをした状態で追いかけてきたの?????
296名無しの高尚寮生
夢に出そう
297名無しの厳格寮生
誰だ、ジンベエさんが参ってるとかいったの
全然元気じゃねぇか
298名無しの勤勉寮生
こんな場面でほのぼのするんじゃね~~~~~~~!
299名無しの不屈寮生
やべぇ………
一周回ってジンベエさんがかっこよく見えてきた………
300名無しの熟慮寮生
>>299分からんでもない
301名無しの奮励寮生
てか、ジンベエは何をしたんだ???
302青
ミツタダ、とは………?
303ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「しかし、このブリッジ女を見ていると、こちらの世界のホラー映画を思い出すな」
ダリア「あんなのが出てくるホラーがあんの!?」
ジンベエ「ああ。異国の作品なのだが、悪魔に取り憑かれた少女がブリッジをした状態で追いかけてくるシーンがあってな。確か、首も180度くらい回ってたと思う」
「「首が!!?!?」」
ジンベエ「階段を駆け下りてくるんだが、なかなか衝撃的だったよ」
「「衝撃的にも程がある!!!!!!!」」
ジンベエ「しかし、こちらにその作品はないだろうし、それを模したものではあるまい」
ダリア「あってたまるか」
灰色「こっちの世界じゃ発禁ものだよ」
ジンベエ「映画と違い、こちらのブリッジ女は腹も破れていたしな。発禁まではいかずとも、年齢制限を掛ける必要はあるかもな」
ダリア「なんでそんな怖いことい゛う゛の゛!? オレそこまで詳細に見てないよ!!?」
灰色「なんでお腹破れてんのさぁ!!!」
ジンベエ「さぁ……。手術で失敗でもしたかな?」
灰色「確かに内科の先生らしきおばけちゃんは藪医者だったけどさぁ!!!」
ジンベエ「いや、でも、あれは内側から………。おっと、噂をすれば手術室だ。ちょっと見てくるよ」
ダリア「そんなコンビニ行ってくるみたいなテンションで怖いとこ行かないで!!!」
灰色「しかもすっげぇ嫌な情報落としていったよね???」
304名無しの奮励寮生
映画???????
305名無しの勤勉寮生
口振りからして見たことあるよね、これ
306名無しの慈悲寮生
いつ見たかにもよるけど、確か、とか曖昧な感じだし、結構昔に観たっぽい………?
307名無しの厳格寮生
ジンベエさん19だぞ!?
あんなおぞましいもんが出てくる映画が規制かかってないとかある!!?!?
308名無しの熟慮寮生
というかさぁ………
本当にサラッと最悪な情報が落とされてんだけど???
309名無しの奮励寮生
内側から?????
310名無しの厳格寮生
ホント失言多いなぁ、ジンベエさん!!!
311名無しの高尚寮生
眠たいのを我慢しているあの人には絶対に近づかないと決めた
312ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「今までの診察室を鑑みるに、おそらくある程度それらに沿うおばけちゃんが発生していると予想する。そのため手術室を見せるのは酷だと判断し、二人には外で待っていて貰う」
ジンベエ「………手術室は、やはり悍ましい光景が広がっていた」
ジンベエ「手術室には中央に手術台が置かれている。手術台に人の姿はない。しかし、声が聞こえる。いたい、いたいと叫ぶ声だ。ころしてくれと泣き喚いている。しかし、それは徐々に力を失っていく。そして、その声が止んだと思うと、今度は別の声が上がる。この悲鳴は、あの手術台で開かれた人の声だろうか」
ジンベエ「手術台の周りには真っ黒なヒトガタが手術台を取り囲むように佇んでいる。私達の足下にある影が、そのまま人のように立ち上がったような存在だ」
ジンベエ「顔はない。しかし口のようなものはあるらしい。不釣り合いなほどに真っ白な歯が、乱雑に並んでいる。ニタニタと気味の悪い笑みを浮かべながら、ケタケタと笑い声を上げている。まるで、人の身体を開くのを楽しんでいるようだ」
ジンベエ「先程見てきたものは、ここで集められたものの可能性が出てきたな………」
ジンベエ「この病院は、ただの病院ではないのかもしれない。影の様子を見るに、人が痛みに悶えるのを見て楽しんでいるようだ。ここはそう言った、医者の風上にも置けない存在がいたのかも知れないな」
ジンベエ「そうなると、この病院で起こっている怪奇現象は、生前の恨み辛みが怪異となって引き起こされている可能性がある。また、“そういうもの”は集まるというし、病院に関連するもの以外も存在しているかもしれない」
313名無しの慈悲寮生
キュッッッ
314名無しの勤勉寮生
恐怖で画面が滲んでるんだが???
何で普通に実況できるの???
315名無しの不屈寮生
マ゛マ゛~~~~~~~~~~~~~~!!!!!
316名無しの熟慮寮生
幼児退行しちゃったな………
317ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「………少し、文句を言わせて貰いたい」
ジンベエ「………やはり私では荷が重い事態だ。学園長のことだから、この調査報告を見て「この事態をどうにかしろ」というのは明らかだ。「これが出来るのだから、これも出来るだろう」と。今までがそうだった。しかし、これは素人がどうにか出来るものではない」
ジンベエ「何より、庇護すべき生徒を巻き込むのはいただけない。同じ庇護する者の立場から言わせて貰うなら、学園長は何故、教育者などと名乗れる? 恥ずかしいと思わないのか?」
ジンベエ「私のためを思って、などとは言わないでくれ。私のためを思うならば、私一人で行かせるべきだった。曰わく付きの場所は、命を落とす覚悟で臨まなければならない。私達がこの病院の一部にならない保証なんてない」
ジンベエ「本当は、彼らを病院内に入れるつもりはなかった。けれど外が安全である保証がなかったから同行して貰ったんだ。何かあったときに、私が盾にでもなればいい」
ジンベエ「けれど、護れる自信はないし、この世界の人間の命なんて背負えない。私はいずれ、もとの世界に帰るのだから」
ジンベエ「………………背負わなくてもいい命を背負うようなことになる前に、私を帰してくれ………」
318名無しの高尚寮生
泣いた
319名無しの不屈寮生
学園長より保護者してる………
320名無しの奮励寮生
ジンベエさん、いつも穏やかだから分からないけど、実は結構怒ってたんだな………
321名無しの厳格寮生
>>320当然じゃね?
あの人、俺らが登校するより前から学園内を駆け回ってるんだぞ?
322名無しの勤勉寮生
>>321それマ?
323名無しの厳格寮生
>>322マ
あと、仕事終わったら閉館まで図書室に籠もってるっぽい
324名無しの熟慮寮生
そう言えば、貸し出しカードにジンベエさんの名前書いてあった気がする
325名無しの高尚寮生
俺が借りた本にも書いてあった
確か、転移魔法の本だったと思う
326名無しの奮励寮生
身一つで来ちゃったし、あれだけ帰りたいって事は、本当にやりたい仕事に就けたんだろう
そんなときに訳分かんない世界に来たんだ
帰りたいと思うのは当然だろ
327厳格副寮長
ははっ
準備に気合いが入るな
328猫先生
何人かの先生方が集まり始めたのでスレを見せている
みんな、見たこともないような顔をしている
329名無しの厳格寮生
>>328ガチ切れしてるんですね、分かります
330ジンベエ
【音声入力】
灰色「お帰り~。大丈夫だった?」
ジンベエ「ただいま。大丈夫だよ」
ダリア「ホント?」
ジンベエ「ああ。二人はどうだった?」
灰色「特に何も~。ただ、青と翡翠からスレは遡るなっていうのと、聞きたい事があるっていう連絡が来てたから、それに返信してた」
ジンベエ「聞きたいこと?」
灰色「うん。ミツタダってなぁに?って青が聞いてたよ~。あとオレも聞きたいんだけど、さっき棒切れに巻いてたのってなに~?」
ジンベエ「ふふ、よくぞ聞いてくれた。私の祖国には、カタナという武器があるんだ。片刃で反りがあり、斬撃に特化している。そのうちの一振りに、ショクダイキリミツタダという名が付けられたカタナがあるんだ」
ダリア「変わった名前ッスね?」
ジンベエ「ふふ。これは人を斬ったときに、青銅の燭台ごと斬ったことが由来していてな。故に燭台切。ミツタダは制作者の名前だよ」
ダリア「はい!!?!?」
灰色「あんな硬いもの切れるの!!?!?」
ジンベエ「そうさ。他にも、鉄や銃弾を斬っても刃こぼれ一つしないんだ」
ダリア「マジで!!?」
ジンベエ「ああ。でも、それだけじゃない。その見た目も美しいんだ。美術品としても価値も高く、世界中の人々を魅了する。中には国宝に指定されているものもあるし、遠い昔のことだが、その美しさに魅せられた人間が、墓からカタナを暴いたこともある」
ダリア「武器が国宝????? 墓から暴いた???????」
灰色「全然想像つかね~。てか、それ犯罪じゃね?」
ジンベエ「罪を犯してでも手に入れたくなるほど、美しいと言うことだよ」
灰色「ふ~ん?」
ジンベエ「それで、先程木刀に巻いたのは、燭台切ミツタダと書かれた紙だよ。こちらには言葉や名前には力が宿るという考えがあるんだ。だから名を与えることで、その力の恩恵を授かれるんじゃないかと思って、木刀にミツタダの名を与えたんだ。結果はご覧の通りさ」
ダリア「そんなこと出来るもんなの?」
ジンベエ「さぁ、どうだろうな。さっきは偶然上手くいっただけかもしれないから、試すのはやめておいた方がいいだろう」
ダリア「絶対やらないから安心して」
灰色「てか、ジンベエザメちゃん、めっちゃ楽しそうだね? カタナってやつ好きなの?」
ジンベエ「ああ。愛してる」
灰色「ひぇ」
ダリア「ひょあ」
331名無しの慈悲寮生
何事もなかったように振る舞わないで!!!(泣)
332名無しの奮励寮生
ジンベエは泣いて良い
333名無しの厳格寮生
カタナを語ってるジンベエさん、めっちゃ生き生きしてない?
334名無しの勤勉寮生
はえ~、魔法がないからこその考え方かな?
335名無しの慈悲寮生
魔法で言う詠唱みたいなもんかね?
336名無しの奮励寮生
そんなに美しいものなら、是非見てみたいね!
337名無しの不屈寮生
てか、最後の悲鳴なに?
338勤勉寮長
同類の気配を察知
339名無しの勤勉寮生
>>338座ってどうぞ
340名無しの厳格寮生
てか、調査どうした
341勤勉寮長
闇に葬り去られてるっぽい
うちの寮が総力挙げて探してるのに見つからないって事はそういうことだよ
つまり真実を知るには国に喧嘩を売らないといけないレベル
342名無しの不屈寮生
>>341どうしようもね~~~!!!
343名無しの熟慮寮生
いやまぁ、隠すだろうな
ジンベエが言った推察が当たっているなら
344名無しの勤勉寮生
手術室のやつが事実なら、患者から臓器抜き取ってたっぽいもんな
自分の住んでる街の病院がやべぇ奴の巣窟って分かったらパニックになるだろうし、隠した方が早い
345名無しの高尚寮生
何でそんな場所に調査に行かせた???
346勤勉寮長
心霊スポットって一定数の行方不明者が出るから、調査依頼出してるとこもあるんだよね
行方不明者の親族や近隣者だったり、その土地を買いたい企業なんかが報酬付きで
まぁ、行方不明の真実は、殆どが噂を利用した家出や駆け落ちだったりで、ガチの心霊スポットは少ないんだけど
347名無しの厳格寮生
(頭抱え)
348名無しの奮励寮生
学園長め………
報酬に目が眩んだな???
349名無しの慈悲寮生
報酬が欲しいなら自分で行け~~~!
350勤勉寮長
あと、彼らのスマホの位置情報も探してたんだけど、全然見つからないんだよね
電波が届かないほどの秘境にあるのか、病院内が異界になっているのか………
351名無しの勤勉寮生
完全に詰んだ
352名無しの慈悲寮生
なんて嬉しくない最新情報
353ジンベエ
【音声入力】
灰色「やばいやばいやばい」
ダリア「あれはダメあれはダメあれはダメ」
灰色「ガチだ。ガチで愛しちゃってるやつだ」
ダリア「女の子があの顔見たら好きになっちゃうやつだ」
灰色「雑魚だったら雄も雌にされそう」
ダリア「特別イケメンって訳ではないけど、よく見たら整った顔してるし、背も高いし、穏やかで優しいし、何より頼もしい」
灰色「分かる。安心感がやばいよね」
ダリア「でも、どっかミステリアスで、ちょっとなら悪いことにも理解がある」
灰色「料理も美味しいよ。見た目は地味だけど、ほっとする感じの味で」
ダリア「あと褒め上手。褒めて欲しいところを的確に褒めてくれる」
灰色「分かる。他にも、見た目とかのちょっとした変化にもすぐ気付くよね。具合悪そうにしてる奴を保健室に連れてってるの見たよ」
ダリア「びっくりするほどモテ要素しかない」
灰色「来たのが男子校で良かったよね。女子校とか共学だったら血が流れそう」
ダリア「ジンベエさんを巡って?」
灰色「ジンベエザメちゃんを巡って」
ダリア「ありそ~~~!」
ジンベエ「どうかしたか?」
灰色「何でもなぁい」
354名無しの不屈寮生
雄も雌にされる、とは
355名無しの厳格寮生
いや、ジンベエさんは普通にイケメンだよ
ダリアとか灰色の顔面偏差値がバグってるだけ
356名無しの奮励寮生
確かに特別目を引くタイプじゃないけど、普通の学校ならクラスで3番目くらいにはイケメン
357名無しの勤勉寮生
>>356それ
そんでもってそういうやつに限って本命が多いタイプ
358名無しの熟慮寮生
分かる
ジンベエってガチ勢多そう
359名無しの不屈寮生
てか、見れば見るほどスペックがイケメンにのみ許されたそれ
360名無しの勤勉寮生
>>359ジンベエさんイケメンやろ
361名無しの厳格寮生
ジンベエさんなら許せる
362名無しの慈悲寮生
このスレで好感度と恐怖度が爆上がりしてるもんな
363ジンベエ
【音声入力】
ダリア「この先って階段だっけ? やっぱ二階も行くの?」
ジンベエ「ああ。確か二階は眼科、皮膚科、耳鼻科だったかな? あとは婦人科もあったか?」
灰色「すげぇ嫌なラインナップ」
ダリア「特別病院が好きって訳でもないけど、過去最高に病院が嫌いになってる」
灰色「ホントそれな」
ダリア「てか、この病院めっちゃ変な形してない? 診察室の後ろにいくつか部屋に出来そうな空間あるよね? あと、手術室と階段の間も、妙に間が空いてない?」
ジンベエ「おや、気付いてしまったか」
灰色「………多分それ、気付かない方が良かったやつだよ」
ダリア「え? ………あっ! はい、すいません」
ジンベエ「おそらく、部屋はない。入り口から見て両側の壁、つまり診察室の後ろ側に当たる空間の壁だけ、色味が違っていた。埋めたか何か、したんじゃないか?」
ジンベエ「多分、階段横の空間も、本来ならば通路か何かがあったんだろう」
ジンベエ「さぁ、二階へ行こうか」
ダリア「今の話聞いて行けると思う??? やばいって分かってる場所の側を通るって事でしょ?」
灰色「カニちゃん、足がっくがくじゃん」
ダリア「先輩こそ顔真っ青じゃん」
灰色「オレはもともと色白だから」
ジンベエ「………慣れないか?」
「「慣れてたまるか」」
364名無しの奮励寮生
次々と嫌な情報が明かされていく~~~!
365名無しの勤勉寮生
おばけちゃんたち、そろそろ休憩してもいいのよ???
366名無しの厳格寮生
そう言えば入り口で実況してたときに言ってたわ………
367名無しの熟慮寮生
その時点で可笑しいって気付いてたの???
ジンベエさんの推察力やばくない???
368名無しの不屈寮生
何を埋めたんですかね~~~?????(白目)
369ジンベエ
【音声入力】
ジンベエ「さて、二階に来たわけだが……」
ダリア「えっ」
灰色「待って。通路しかねぇじゃん。何部屋分埋め立ててんの???」
ダリア「そんなに埋め立てなきゃならないような部屋だったの??? それとも埋め立てなきゃならないようなもんが大量に出たの?????」
灰色「カニちゃん、なんで自分のSAN値を自分で削ってんの? てか、思っても口にするの止めて。次口に出したら絞めんぞ???」
ダリア「アッ、サーセン」
ジンベエ「私としては気付いたことは口にして欲しいんだがな。こういう場所は、油断や些細な見落としが命取りになる。死にたくなければ、何一つ取りこぼさないくらいの気概で臨んでくれ。まぁ、無理にとは言わないし、“絶対に生きて帰る”という強い意志だけは絶やさないでくれ」
ダリア「前者はちょっと自信ないけど、後者なら大丈夫ッスよ。こんなところで死んで、こんな奴らの仲間になんてなりたくないし」
灰色「オレも~。ジンベエザメちゃんもだからね」
ジンベエ「勿論だとも。私には帰る場所がある。待っていてくれている者達が居る。許容していない理不尽で命を落とすなど、死んでも死にきれない。ここのおばけちゃんたちよりもずっと悍ましいものになって、この世界の者達を根絶やしにするかもしれない。そんなことにはなりたくないから、死ぬつもりはないさ」
「「絶対に生きてお願い」」
ジンベエ「当然だ」
370名無しの厳格寮生
マジでやめてジンベエさん
371名無しの不屈寮生
そこのおばけちゃんたちより悍ましいもの………???
372名無しの勤勉寮生
根絶やしって………
根絶やしって………!!!
373名無しの高尚寮生
そこで死んだら悔やんでも悔やみきれない、を体現しそうだな
374名無しの熟慮寮生
俺達の想像の遙か上を行く存在になりそう
375名無しの慈悲寮生
>>374分かる
俺達じゃ太刀打ち出来なさそうで怖い
376ジンベエ
【音声入力】
ダリア「てーか、二階蜘蛛の巣ヤバくね?」
灰色「確かに、めっちゃうぜぇ………」
ジンベエ「避けようにも、身体のどこかに引っ掛かってしまうな」
ダリア「シャワー浴びてぇ………」
灰色「分かる~」
ジンベエ「私は寝たいかな。………ん?」
灰色「ひっ………!」
377名無しの奮励寮生
えっ
378名無しの慈悲寮生
灰色?
379名無しの厳格寮生
なになになに?
何があったの???
380翡翠
灰色?
どうしました?
381ジンベエ
【音声入力】
ダリア「先輩?」
ジンベエ「ダリア、灰色、視線をそのまま前に固定しろ。決して後ろを振り向くな」
ダリア「な、何? 何が起こってんの?」
灰色「わ、分かんねぇ………。でも、なんか、すげぇ嫌な感じがして………」
ジンベエ「その勘は正しい。何があっても、前を見続けろ」
ダリア「な、何、何があったの? ヤバいことになってんの?」
灰色「………………もしかして、」
ジンベエ「ああ。―――――“居る”」