姐さんと捻れた世界






ツバキ・リーチ

22歳。
ウツボの人魚。
リーチ兄弟の姉。

リーチ兄弟より大きく、人間時は2メートル。人魚時の全長は5から6メートルほど。
リーチ兄弟を片手ずつで止める事が出来るくらいには力が強く、全体の身体能力も高い。
なので基本的に自分から攻撃を仕掛ける事はせず、防衛魔法で攻撃を弾くスタイル。

昔、サメに襲われた時にリーチ兄弟やアズールを護るためにユニーク魔法を開花させた。
その時に傷を負いながらもサメを撃退。
ちなみにその傷は審神者だった前世に受けた傷と同じ所についている。
あのサメがブラック審神者の生まれ変わりだったらいいなと一瞬考えた事は内緒。

前世の記憶も合わせると結構なお年のため、親のような目線で双子や幼馴染みを見てしまう。
無意識にそういう接し方をしてしまうためか、たまに「お母さん」や「ママ」と呼び間違えられる。
小さい頃は「お姉ちゃん」と呼ばれていたが、ジェイドには「姉さん」、フロイドには「姉ちゃん」、アズールには「ツバキさん」と呼ばれるようになり、ちょっと寂しく思いつつ、成長を喜んでいる。

RSA出身。
NRCからも入学届が届いていており、ツバキ自身もNRCに興味があったが、NRCは男子校なので断念。
NRCから入学届が届いたことからも分かるように、ヴィランの性質も持ち合わせている。
怒らせると手が付けられなくなり、ロイヤルソードの白い制服が真っ赤に染まることも少なくはなかった。
そのため“血濡れのリーチ”と恐れられており、現在でも語り継がれる伝説となっている。

卒業後は両親の仕事の手伝いをしている。
魔法士として優秀なので、珊瑚の海で起こった問題解決に乗り出したり、RSA時代に知り合った人たちから相談事を持ち込まれることもある。

ユニーク魔法は「生をよろこぶ鰓」
効果は対象者の周囲の酸素濃度を操るというもの。
サメを撃退した時は鰓に酸素を送り込んで怯んだ所を渾身の力でぶん殴って追い払った。


***


水回りも妖精に頼っており、生徒が妖精の棲家を壊してしまい、妖精が怒って仕事をボイコット。
寮長会議でアズールがツバキなら、と発言し、学園に来ることに。
報酬は学園内の見学と授業参観。
・飛行術の授業でホウキから落ちたアズールを風魔法で助ける
・魔法薬学の授業で爆発からジェイドや他の生徒を守る
・フロイドが所属しているバスケ部を見に行く


***


アズール「母から連絡があったのですが、珊瑚の海付近で事件が起こったとか。ツバキさんなら知っていると思うのですが、一体何が起こったのです?」
ツバキ「ああ、その件なら知っているよ。珊瑚の海よりはるか北。怪物が眠るとされる神秘の海で、馬鹿をやらかした愚か者がいたらしくてな。珊瑚の海にまで被害が及びそうだからと、調査隊が組まれたんだ」
フロイド「姉ちゃんも選ばれたの?」
ツバキ「ああ。それなりに場数を踏んでいるし、これでもRSAの卒業生だからな」
ジェイド「素で強いですしね、姉さん」
ツバキ「ちょっと力が強いだけだよ。それで、調査に行ったんだけど、予想以上の大物を目覚めさせていたんだ」
アズール「ツバキさんが大物というと果てしない恐怖を感じますね……」
フロイド「ぜってぇヤバいって分かる……」
ジェイド「それで、何を目覚めさせていたんですか?」
ツバキ「クラーケンだよ」
「「「ファッ!!?!?」」」
ツバキ「とにかく大きくて、ちょっと動くだけで海流が出来てしまって、すぐに引き離されて大変だったよ。しかも向こうは海流など関係なく攻撃してくるし」
ツバキ「取り敢えず、ひたすら切り刻んでいたら大人しくなってくれてな。よく分からないけれど、何か気に入られて、使い魔の契約を結ぶことになったんだ」
アズール「ひたすら切り刻んで!!?!?」
フロイド「よく分からないはこっちのセリフ!!!」
ジェイド「姉さんに怪我は!!?!?」
ツバキ「ああ、うん、ちょっと潰れかけたり、かつて無いほどブロットが溜まったりしたけど、特に問題はないな」
「「「問題しかない!!!!!」」」


***


エース「フロイド先輩達のお姉さんっていうから、もっと怖い感じを想像してたんすけど、全然優しそうッスね」
フロイド「めっちゃ失礼なんだけど。まぁでも想像の方が正しいよ。ブチ切れた姉ちゃんはマジでやばいからね? オレとジェイド、アズールの三人がかりでも止めらんねぇから」
ジェイド「通常時でも、僕達を片手で止めますからねぇ……」
エース「うっそだぁ……」
ジェイド「そう言えば、鯨の人魚の尾鰭を噛みちぎったこともありましたね」
監督生「ひぇっ」
アズール「まぁ、後で治してあげていましたけどね」
フロイド「治してあげたっていうの、あれ? 脅しじゃん」
ジェイド「治したあと言った言葉が"これで元通りだ。また何かあれば、もう一度噛みちぎれるな?"でしたものね」
ラギー「こっっっわ!!!」
エース「えっ、本当にRSA生??? 絶対NRC生でしょ、お姉さん」
フロイド「うん、当時両方から通知来たよ。姉ちゃんもこっちの方に興味を示してたんだけど、姉ちゃんは女の子だから、こっちに入学出来なかったんだよね〜」
アズール「まぁ、ツバキさんは誰とでも仲良くなれるタイプですし、RSAでも問題は無かったようですけどね」
ジェイド「ええ。ただ、少し物足りなさそうではありましたね」
フロイド「それ〜。本当はお腹空いてて、もっと食べたいのに我慢してるって感じだった〜」
レオナ「……そいつ、知ってるかもしれねぇ」
ラギー「まじッスか、レオナさん」
レオナ「俺が一年だった頃、RSAには“血濡れのリーチ”と呼ばれるヤバい奴がいるっていう噂を聞いたことがある。ロイヤルソードの白い制服が常に返り血で赤く染まってるとか何とか」
エース「マジでヤバい奴じゃないッスか!!!??」
フロイド「あはっ、それ絶対姉ちゃんじゃん」
ジェイド「ええ。姉さん以外あり得ませんね」
監督生「笑い事じゃないんだよな~」
レオナ「で、実際のところはどうなんだ?」
アズール「ツバキさんは基本的に、敵対されなければ基本的に無害ですよ。鏡のように、悪意には悪意で返します」
フロイド「あと~、オレら身内とかトモダチにも姉ちゃんの“敵対”が適用されんの」
ジェイド「ですから、“僕たちの敵も姉さんの敵“ということになります」
監督生「じゃあ、アズール先輩達の敵になったら、必然的にツバキさんも敵に回す、ということですか?」
アズール「そうなりますね」
エース「後方支援がばっちり過ぎる……」
アズール「身内に甘いんですよ、あの人」




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