慈悲の魔物






この話の冒頭、ジャミルがめちゃくちゃ浅慮ですね。
これが幕間のあとがきで書いたジャミルの迂闊な部分です。
自分で自分を洗脳しているので、ツバキが自分に向けている好意の重さを忘れちゃうのです。

さて、モブについて。
本当はさらなるモブ絶望エンドを考えていたんですけど、変更しました。
私、優しいので。

最初に考えていたのは、贄も何も無い状態でケルベロスを召喚したから、“向こう”が勝手に贄を補填するというネタにしようとしていました。
ちなみに贄に選ばれたのはお父さんとかお母さんとか、召喚者に近しい誰か。
その身体を用いて、“向こう”がケルベロスもどきを作り上げ、生徒はそれを召喚したというストーリー。
けれどそうなると、姐さんに人殺し―――――すでに人とは呼べないナニカに成り下がっているけれど―――――をさせちゃうことになるんですよね。
やだ、このシリーズの姐さん、人殺し過ぎ! となったので、この形になりました。

他にも、ケルベロスもどきを殺さないことも考えました。「お座り」させて、冥界へ戻してあげるという展開です。
けれど、このもどきちゃん、ジャミルに牙を向けちゃったので、そんな生ぬるいことしないな、となりまして。
その上、ぐずぐずのどろどろの身体ですからね。そのまま冥界に戻っても、そう長くは無い命です。
だから殺してあげました。ゆっくり、じっくり、全身を舐めるような炎で、わざと苦しめるように。

私、学園長の100倍優しいのでは???

また、正気に戻ったアズールが「自分のユニーク魔法と類似した効果の魔法が使えるのか!?」と驚くことになります。
しかも見た感じノーリスク。「完全に上位互換じゃないか!!!」と荒ぶります。
でも残念。姐さんのユニーク魔法は全然違います。
むしろ姐さんのユニーク魔法はサポート向き。これも審神者だった頃の名残ですね。

それから、お気付きになって下さった方はいらっしゃるでしょうか?
姐さんが、“彼ら”を忘れていないという証拠に。




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