右大将リリア×姐さん
刀剣乱舞×ツイステ
刀剣乱舞の世界線からツイステの世界線に転生した姐さん。
この世界にも付喪神の概念が存在しているため、刀剣男士が存在していないものかと探している。
彼等本人でなくても、彼等に繋がるものならそれでいい。
兎にも角にも、彼等との繋がりを見つけることを生きがいに世界中を旅している。
まぁ、彼等が居ないことは、最初から分かっているのだけれど。
それでも彼等を探すことを止められない。追い求める心に従って生きていきたい。
過去がすべてではないけれど、それでも彼等を愛することを止められないのだ。
そんな旅の最中に、リリアと出会ってくれたらいいな。
右大将としての任務で怪我を負って、その手当をしたことで仲良くなったり。
そのあとはマレウスを無事に孵す方法を探すためにリリアが旅に出て、その中で何度も顔を合わせたり。
まぁ、普通に酒場とかで出会ってもいいな。
*****
ツバキ
茨の谷に生まれた妖精族。
人間と妖精の間に確執があるにも関わらず、人間にも妖精にも変わらずに接する変わり者として疎まれていた。
その上、怪我をした人間を助けたことがあり、それを理由に実家からは勘当されている。そのため家の敷居をまたぐことや、一族の名を名乗ることは許されていない。
ユニーク魔法
「在り方を示せ、名残の花よ。励起せよ―――――想いの形ビューティフル・マインド」
物に宿る思念を励起させて実態を持たせることが出来る。
実態を持たせず、会話のみだったり、能力だけを借り受けることも出来る。
励起させたものによって能力が変わり、状況に合わせて臨機応変な対応が可能。
*****
リリア「へぇ、あんたも探し物をしてんのか」
ツバキ「ああ。当てのない旅をしている」
リリア「はは、俺と同じか。お互い、苦労してるな」
ツバキ「ふふ。でも私は、自分が好きでやっていることだから。それに………」
リリア「それに?」
ツバキ「それに、見つからないことが分かっているから、希望が何一つなくて、逆に気楽なものだよ」
リリア「―――――……」
ツバキ「ああ、気に病まないでくれ。そうと分かっていて、諦めきれないだけなんだ。ただの私のわがままだよ」
リリア「…………絶望、しねぇのか」
ツバキ「―――――ははっ」
ツバキ「そんな感覚、もうとっくに忘れたよ」
***
リリア「おう、久しいな。俺のことは覚えてるか?」
ツバキ「ああ、覚えているとも。久しぶりだな、リリア」
リリア「初めて顔を合わせてから、もう200年は経つんじゃねぇか? お前も諦めの悪い奴だな……」
ツバキ「それだけが私の取り柄なんだ」
リリア「……そうかよ」
***
リリア「探し物は結局見つからなかったが、目的を果たす事は出来た」
ツバキ「お、そうなのか。おめでとう、リリア」
リリア「ああ……」
ツバキ「どうした? 目的は果たせたんだろう? 何故そんなに浮かない顔をしている?」
リリア「いや、そっちは、まぁ……。そうじゃなくて、だな………」
ツバキ「煮え切らないな。らしくないじゃないか」
リリア「…………なぁ、」
ツバキ「うん?」
リリア「……………………」
ツバキ「…………?」
リリア「……………………けっ、結婚……とか、興味ねぇか……」
ツバキ「結婚? いきなりどうした?」
リリア「あ゛―――――……。その、だな……俺達の関係に、名前を付けてぇな、と思ってな……」
ツバキ「それでいきなり結婚に行き着いたのか……。君、さては恋愛下手だな?」
リリア「うるせぇよ……!」
ツバキ「私には忘れられない者達がいるが、構わないのか?」
リリア「そんなの、とうの昔に分かってる。それを理解している上で、俺は言ってんだよ」
ツバキ「そうか」
リリア「それに、そんなのは俺にもいくらでも居る。お互い様だ」
ツバキ「確かにな。お互い、心の一番奥底には譲れないものがある。案外そういう相手の方が、私達みたいな生き物はうまく行くかもな」
リリア「…………! じゃあ……!」
ツバキ「でも、探し物は続けても良いかな。私の、生きる意味なんだ」
リリア「構わねぇよ。俺はやることがあるからあんまり谷を離れることは出来ねぇが、手伝えることは手伝ってやる」
***
ツバキ「ただいま、リリア。早く帰ってくるよう連絡が来たけれど、一体何があったんだ?」
リリア「あー……。事後承諾で悪い。実は、その……赤ん坊を拾っちまってな………。何かの縁だと思って、育てようかと思うんだが……」
ツバキ「え、赤ん坊を? 一体どうしてそんなことに……。いや、そんなことはどうでも良い。その子は妖精の子か? 人間の子か?」
リリア「…………人間の赤ん坊だ」
ツバキ「分かった。とりあえず、必要なものを揃えないとな。いくつくらいの子か知りたいから、顔を見たいのだけど、今どうしてるかな」
リリア「お、おう……。さっき寝たばかりだ。こっちに寝かせている」
ツバキ「かわいい子だな。それに月の光を集めたような、綺麗な銀色だ。ふふ、起きたら瞳の色も見せて貰わないとな」
リリア「…………お前は、子供は好きか?」
ツバキ「うん? 好き嫌いで考えたことがないなぁ。でも、かわいいなぁとは思うよ」
リリア「そうか……」
ツバキ「この子、名前は?」
リリア「……シルバー」
ツバキ「ふふ、綺麗な名前だ。シルバー、今日からよろしくね」
リリア「…………一緒に、育ててくれるのか?」
ツバキ「何を当たり前のことを……。それより、大人しく眠ってくれている間に、必要なものを揃えないと。起きている間は目が離せないだろうし」
リリア「あ、ああ、そうだな……」
リリア(…………理由も聞かず、一緒に育ててくれるのか……)
リリア(普通なら、怒っても良いところだと思うんだが……)
リリア(あ゛―――――……。俺の妻、最高では?)
***
ゴスマリネタ
マレウス「僕が条件に合うのなら、僕が行けばいいのでは?」
リリア「阿呆か。国際問題じゃわ。ここはわしが……。いや、しかし……」
セベク「僕にお任せください、リリア様!!! 僕が必ずや作戦を成功させてみせます!!!」
リリア「頼もしいの~。ではセベク、おぬしに任せたぞ!」
マレウス「結局参戦する羽目になったか……」
リリア「ああ、うむ……。まぁ、おぬしにさせるわけにはいかんからな」
マレウス「だが、少し楽しんでもいただろう?」
リリア「んぐ……! ほ、ほんのちょっぴり、ほんのちょっぴりじゃ! ほんのすこーし、楽しんでしまったのは認める!」
マレウス「こういったことは、どこから漏れるか分からない。特にツバキは、どこでどのような人脈を作っているか分からないんだ。先に話しておくに限るぞ」
リリア「そ、そうじゃの……。妻には後できちんと話しておこう……」
ツバキ「学園内でそんなことが? 学園の警備は万全だと聞いていたが、ゴーストの類いには無防備なのか?」
リリア「ゴースト達は理が違うからな……。それに、ゴーストの類いを弾く結界を張ってしまえば、学園で働くゴースト達も一緒に弾かれてしまう」
ツバキ「ああ、なるほど。理が違うから、通常の結界や術式ではすり抜けてしまう。だが、学園の運営のために雇い入れているゴーストまで弾いてしまうから、ゴースト除けの術式は施せないということか」
リリア「ああ。…………それだけか?」
ツバキ「うん? 何がだ?」
リリア「…………いや、俺もその結婚式に参加したって言ってんだが……。しかも求婚する側で……」
ツバキ「学友を助けるためだろう? 別に構わないさ。ああでも、君の花婿姿は見てみたいなぁ。写真とかないのか?」
リリア「…………帰ったら着る。お前のドレスも用意するから、お前も着ろ」
ツバキ「話が飛躍しすぎでは? まぁ、別に構わないが……」
リリア(きちんと式を挙げてなかったからな……。大分時間は経っちまったが、ドレスくらい良いものを着せてやらねぇと……)
リリア(そういやプロポーズも情けねぇもんだったし、いっそプロポーズからやり直して式挙げるか?)