ポケモンふれあいフェスタ






「ポケモンふれあいフェスタ?」
「そ、レンジャー協会が保護したポケモンたちと仲良くなって、野生復帰に貢献するっていうお祭り」


ここはトバリシティの育て屋。話しているのはもちろんレイジとシンジの兄弟である。
聞き慣れない祭りの名に眉を寄せるシンジ。
そんなシンジにレイジは笑って説明を続ける。


「選んだポケモンを5日間預かって、どれだけ仲良くなれるかを競うんだって。イッシュ地方ってところでやるみたいだよ」
「それで、何故それを俺に言う?」
「シンジが保護したあの子も、そのお祭りに参加するんだって」


レイジの言葉にシンジの肩が跳ねる。
レイジのいう「あの子」とは、シンジの保護したポケモンのことである。
シンジは2週間ほど前、トレーナーから虐待を受けていたポケモンを保護した。
ポケモンは全身が傷だらけになっており、衰弱しきっていた。
トレーナーの方も、何があったのかは知らないが、精神的に衰弱しており、ジョーイさんを通してトレーナーを精神科の病院へ。
ナナカマド博士を通してレンジャー協会にポケモンの保護を要請したのだ。


「しかし、あのポケモンは2週間で回復するような傷ではなかったはずだ。ナにより、精神的に参っていたはず。とても人と接することができるほど回復しているとは思えない」


シンジが鋭い目を更に鋭くさせてレイジを睨みつける。
人もポケモンも竦み上がってしまいそうな冷たい目だった。
思わず硬直しそうな鋭い眼光だが、伊達に彼の兄をやっていない。
その睨みにびくともせず、レイジは肩をすくめ苦笑して見せた。


「-------サトシくん」
「-----------!」
「どうやら、イッシュ地方にいるらしいんだよね」


レンジャー協会はあの子を彼にまかせるみたいだよ。




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