繰り返す少年ら
「あらあら、どうしたの? 3人とも仲がいいわね」
「「「!」」」
楽しげな笑い声が聞こえ、そちらを見れば、ハナコが厨房の奥から顔を出したところだった。
「何してるの?」
「えっと、頭なであいっこしてただけだよ!」
「楽しそうね」
「うん!」
サトシの楽しそうな笑みに、ハナコも嬉しそうに笑う。
どうやら話は聞かれていなかったらしいとほっとして、シゲルとシンジは胸をなでおろした。
「楽しそうでいいけど、子供は外で遊ぶものよ。そろそろお客さんも来るころだろうし、外で遊んでいらっしゃい」
「「「はーい!」」」
ジュースを飲みほして、ごちそうさま、とハナコに声をかけ、3人は食堂の外へと飛び出した。
そろそろ早めの昼食を取りに人が店に入る時間帯だった。
予想以上に時間がたっていたらしい。太陽の眩しさに3人は眼を細めた。
「あ、そうだ、まだ言ってなかったな」
「何を?」
少し先を走っていたサトシが立ち止まる。それにつられて、シゲルとシンジも足を止めた。
振り返ったサトシは、眩しい笑顔を浮かべて、2人に向かって手を差し出した。
「これからよろしくな、シゲル! シンジ!」
「……! こちらこそ、」
「……ふん、」
2人はサトシの手をしっかりと握り返した。
ただの握手なら、そこで終わりだ。けれど、サトシもシゲルもシンジも、誰も手を離すようなことはせず、3人はそのまま手をつないだ。
「ふふ、なんか変なの」
「あはは、だな!」
「確かに、おかしいな」
意図せずして3人で手をつないだサトシ達は、おかしくなって笑いながらまた走り出した。
旅への不安は今は忘れよう。まだ旅に出られる年齢ではない。まだまだ先の話だ。
だから今は――、
「このままさ、裏山で遊ぼうぜ!」
「他にやることないしねぇ」
「……たまにはいいか」
「決まりだな!」
笑って、3人は裏山に向かって走り出した。
マサラタウンの一角で、幸せそうな笑顔があふれた。