夢か真か
瞼の裏が眩しい。兄貴が起こしに来たのだろうか。
ゆっくりと目を開けると、カーテンが開け放たれ、そこから光が差し込んでいた。
(眩しい……)
もう一度目を閉じようとして、何かが頬に触れる。撫でられているのだろうか。
「起きて、シンジ」
聞き覚えのある声に、急激に意識が覚醒する。
(何だ……? なんだ、これは……)
この情景を、自分は知っている。
たった今、夢で見ていたからだ。
(夢?)
――本当に?
あんなにリアルなものが?
あの恐怖が?
(また繰り返されるのか?)
全身から冷や汗が吹き出す。早鐘のように心臓が鳴る。
たった今見ていたものと同じならば、このあとは―――
「おはよう、シンジ。今日もいい天気だぜ?」
―――サトシに顔を覗きこまれる。
繰り返されるこれは―――――
(夢か? 真か?)