夢か真か






 寝癖のついた髪をなでながら、そいつはくすくすと笑う。
 ――兄貴のせいだ。兄貴が私に相談もせずにこいつを家に上げるから、こんなだらしない姿を見られる羽目になったんだ。
 サトシが髪から頬へと手を滑らせた。


「なぁ、シンジ。シンジは―――」




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