期待を背負う子供
サトシなら根性でやり遂げるわよ――――カスミは当然のことのように、
サトシなら必ずやってくれるわ!――――ハルカは嬉しそうに笑って、
サトシは子供だけど、やる時はやるのよ!――――アイリスは得意げに、
サトシならだーじょうぶ!――――ヒカリは軽い調子で、
サトシならできるって信じてるわ!――――セレナは自分のことのように、
サトシはすごいんですよ!――――シトロンは自慢げに、
そうよ!サトシはすごいのよ!――――ユリーカは楽しげに、
サトシにできないことなんてないんだ!――――マサトは満面の笑みを浮かべて、
サトシならできるさ、今までもそうだっただろう?――――タケシは穏やかに笑って、
君ならやってくれると信じているよ、サトシ――――デントは強くうなずいて、
サトシならできると、誰もが言った。
サトシだってただのトレーナーなんだぞ!?――――ケニヤンは嘆いた。
君たちはサトシを何だと思っているの?――――シゲルは呆然とした。
サトシだからって何でもできると思うなよ!――――ジュンが吠えた。
サトシに何もかも押し付けるな!――――ヒロシは激怒した。
君たちはいったい、サトシをどうしたいの?――――シューティーは恐怖した。
お前たちはサトシの何を見ていた?
サトシが傷ついていないとでも思っているのか?
数々の悪意の矢面に立って、その悪意からポケモンたちを守って、
そのたびにあいつはぼろぼろになったはずだ。
心も体も何もかも。
サトシは強いから大丈夫?サトシはそんなに弱くない?
ふざけるなよ。
あいつが傷ついてないなんて、
そんなわけ、そんなわけないだろう!!!
シンジが悲痛な声を上げた。