幽かな存在






ハロウィンネタか?と思われるかもしれませんが、そんなこともないのですよ!
ハロウィンとはもともと、悪魔とか魔物に子供が連れて行かれないように、悪魔たちに紛れ込めるよう仮装したことから始まったという説もあるようですし。詳しくは知らないですけど。
そんなわけでサトシが連れて行かれそうになる話を書いたわけです。

ちょっとおまけ↓



『そういえば、この祭りははろうぃんというのだったか』
「ああ」
『なんというのだったか・・・。ああ、そうだ。とりっくあんどとりーとだ』
「それをいうならTrick or Treatだろう。菓子を奪ったうえでいたずらなどタチが悪すぎる」


何を言い出すかと思えば、というように、呆れたような視線をよこすシンジ。
なるほど、とアルセウスがうなずく。


『そうか。では、シンジ、トリックオアトリート』
「・・・は?」
『だからトリックオアトリートだ』
「ハロウィンは10月31日だ。もう終わっている」
『・・・つまり”もう”菓子は持っていないと?』
「俺が普段菓子など持っていると思うか?」


シンジの問いに、ゆっくりと首を振る。


『そうか・・・。では、イタズラしかないな』
「は?」
『今だ!』
「きゅうううん!」
「ミュミュウ!」
「!!?!?」


突然現れたラティアスとミュウに、何か布をかぶせられる。
危険なものでないらしいことはわかったが、突然のことに困惑する。


「な、何だ・・・?」


かぶされた布を見れば、それはどうやらローブのようで、10歳のシンジにはいささか大きかった。
よく見ればそれには柄が付いており、フードには顔のようなものまで描かれていた。
黒地に金と赤の刺繍。それが何の柄かわかったシンジは、目を瞬かせた。


「・・・ギラティナ?」
『そうだ。ミュウが偶然見つけて、ラティアスに買いに行かせたのだ。問題ない。金は払った』
「どこに問題がないのか、俺にはさっぱり分からないがな」


変身しているとはいえ、伝説のポケモンが街中を歩いているなど、問題でしかない。返信を見破る装置など、現在の科学力を駆使すれば、簡単に作られてしまうのだから。
そもそも、その金はどこで手に入れた。


『よく似合っているぞ?』
「・・・そうか」


普段ならうれしくないと、可愛くないことを返すところだが、シンジは鈍い人間ではない。
何故かはわからないが、自分がこの伝説と呼ばれるポケモンに好かれているということくらいは自覚している。
反転世界で狂喜乱舞しているのが見て取れるほど荒れた水面を視界の端の捉えてしまえば、嬉しくないとは言えなかった。
自分も随分と丸くなったものだと、どこか他人事のように、シンジは思うのだった。












伝ポケとかポケモンに好かれているシンジが可愛くて俺得です。
伝ポケの中でもシンオウの伝説とかミュウに好かれていたらいいなと思います。
とりあえずサトシとシンジはポケモンたちに愛されてろ。


ちなみに籠にお菓子を入れたのはシンジと伝ポケたちです。
補足として書くと、ゴーストたちはちゃんとお礼してますよ。ヒトモシたちのイルミネーションとか。
でも最大の表内は、あの世に連れていくことですよね、ゴーストポケモンなだけに(笑)




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