恋は戦争・番外編
おまけ(ピカチュウとズルッグの話した内容)
『ズルッグ、大丈夫?』
『大丈夫。でも悲しいわけでもないのに胸がきゅーってして、痛いわけでもないのに鼻の奥がつんってするんだ』
『そっか……。寂しかった? サトシと離れて、』
『寂しくなかったわけじゃないけど、ツタージャ達がいたから平気』
『そっかぁ……。じゃあ、泣き始めた時、何かあった?』
『うん、と……あ、お花……』
『お花?』
『んとね、紫の、小さいお花見てたら、ぽろぽろって、』
『紫、か……。じゃあ、シンジに抱っこされたら、収まるかも』
『シンジに?』
『うん。サトシの色が「青」なら「紫」はシンジの色だよ。紫色のお花を見て、シンジのことが恋しくなったのかも』
『そうなのかな……』
『ズルッグがサトシが大好きなのは知ってるよ。でも、パパとママは違うんだ』
『違う……?』
『そう。パパにそばにいてほしい時とママにそばにいてほしい時は違うんだよ』
『……ん。シンジに抱っこしてもらう』
『うん』
涙が収まったその後のおまけ
『ピカチュウ、凄いね』
『ん?』
『おれね、ぽかぽかしたかったみたい』
『ぽかぽか?』
『うん。サトシに抱っこされると楽しくてうれしくて、元気になるの。でも、ぽかぽかとはちょっと違う』
『そうなの?』
『うん。シンジに抱っこされると、ずーっとこのままでいたいって思って、ここで眠りたいなって思うくらいに安心するんだ』
『それがぽかぽか?』
『ん。ぽかぽか』
『そっかぁ……。シンジは本当にいい「ママ」だね』
『ん! おれ、シンジすき!』
『僕もだよ』