恋は戦争・番外編






☆鏡の国のサトシ回

鏡シンジ「サトシ~! よかったぁ、どこにいっちゃったのかと思ったよ!」

ぎゅう!

サトシ「し、シンジ!?」
鏡シンジ「セレナの言うことなんか気にしちゃダメだからね? 私を置いて一人で旅するなんて許さないんだから!」
サトシ「あ、あの、えっ? えっ???」
鏡シンジ「……あれ?(この人、サトシ……?)」


・男前と泣き虫

サトシ「俺のしってるシンジと全然違うな……」
鏡サトシ「し、シンジちゃんは僕のこ、恋人だから、触っちゃだめだから……!」
サトシ「大丈夫だよ。俺には俺のシンジがいるから」
鏡サトシ「そ、そっか……」
鏡シンジ「そっちの私ってどんな子なの?」
サトシ「うん。バトルがすごく強くて、俺のライバルでもあるんだ」
鏡シンジ「私がライバルなの?」
鏡サトシ「こっちのシンジちゃんはコーディネーターだから、バトルなんてほとんどしたことないよね……」
鏡シンジ「うん」
サトシ「そうなんだ」
鏡シンジ「それで?」
サトシ「うん。プライドが高くて、負けず嫌いなところがあって、口は悪いけど、本当はすごく優しくて、いつだって俺を支えてくれるんだ」
鏡サトシ「……なんだか、格好いい女の子なんだね」
サトシ「そう、凄く。でも、本当はすごく可愛いんだよ。女の子扱いされることが苦手で、女の子らしい服とかも苦手でさ。可愛いのに、もったいないなって思うよ」
鏡サトシ「こっちとは全然違うんだね」
鏡シンジ「うん。私可愛い服好きだもん」
サトシ「まぁでも、それがこっちのシンジだから。それに、他の奴に見せたくないから、今のままでも全然かまわないし」
鏡サトシ「それ、凄くわかる。他の人に見せたくないよね……!」
サトシ「だよな。分かってくれて嬉しいぜ!」
鏡サトシ「うん!」
鏡シンジ(うぅぅ……。恥ずかしいぃ……)


・本編シンジはその頃

シンジ(また可笑しなことに巻き込まれやがって……)
シンジ(まぁ、すぐ帰ってくるのはわかっているが、)
シンジ(向こうで無茶していたら、頬をつねる程度では許さん。容赦なく殴ってやる)

セレナ「どうすればいいの? このままサトシとお別れなの?」
シンジ「えっ?」
セレナ「え?」
シンジ「あ、いや、何でもない……」
セレナ「そう……」
シンジ(その発想はなかった……)

もう会えないとは微塵も思っていないシンジさんなのでした


・信頼

シンジ「おかえり」
サトシ「ただいま!」
シンジ「怪我は?」
サトシ「ないよ」
シンジ「ならいい」
サトシ「……心配した?」
シンジ「また無茶をしてるんじゃないか、とは思ったな」
サトシ「信用ないな、俺」
シンジ「今までの行動を顧みれば当然だろう」
サトシ「まぁ、そうなんだけど……」

サトシ(もう会えなくなるって不安だった、とか、そういうのはないんだな、)
サトシ(また会えるって、信じてくれてたって、思っていいのかな?)
サトシ(俺も、信じてたよ、)
サトシ(きっと、お前の元に帰れるって、)

サトシ「シンジ、」
シンジ「……おかえり、サトシ」
サトシ「うん、ただいま、シンジ」


・IF~鏡サトシが本編世界に迷い込んでいたら~

鏡サトシ「あれ……? ここどこ……?」
セレナ「いた! サトシ!!」
鏡サトシ「えっ? あ、わ、セレナ……!」
ユリーカ「もう、急にいなくならないでよ!」
シトロン「心配したんですよ?」
鏡サトシ「え? え?」
シンジ「……? サトシ?」
鏡サトシ「あ、あれ?(シンジちゃんが抱きついてこない……。僕、嫌われちゃったのかなぁ……?)」
シンジ「……お前、サトシなのか?」
鏡サトシ「え? な、何言ってるの? 僕はサトシだよ……?」
シンジ「いい方を間違えたな。お前は私たちの知っているサトシなのか?」
セレナ「ど、どういうこと?」
ユリーカ「でも、確かに変……。サトシは俺って言うのに……」
シトロン「確かに……どことなく弱気なような……」
鏡サトシ「ぼ、僕の知ってるみんなじゃないの……? じゃあ、皆はどこ……?」

サトシ「おーい!!!」
シンジ「! サトシ、」
鏡サトシ「ぼ、僕……!?」
サトシ「え!? 何で俺がもう一人!?」
シトロン「そう言えば聞いたことがあります。鏡の向こうには、その鏡の分だけ違う世界が存在すると……」
セレナ「じゃあこのサトシはそのうちの一人ってこと?」
シトロン「おそらく……」
鏡サトシ「じゃ、じゃあ、この世界は、僕の知ってる世界と違うってこと……?」
シトロン「そうなりますね、」
鏡サトシ「じゃあ、もし帰れなかったら、もうみんなに会えないってこと……? もうシンジちゃんに会えないなんて……そんなのやだよ~!」
サトシ「お、おい、泣くなよ……。まだ帰れないと決まったわけじゃないんだし……」
セレナ「な、泣かないで、サトシ」
ユリーカ「きっと帰れる方法が見つかるから……」
鏡サトシ「うええ~ん!」
シンジ「…………」

ばちん!

鏡サトシ「いっ!?」←デコピン
シンジ「泣くな、男だろうが、」
鏡サトシ「し、シンジちゃん……!」
シンジ「サトシが言ったように、まだ帰れないと決まったわけじゃない。まだ希望があるのに泣くな、情けない」
鏡サトシ「シンジちゃん……」
シンジ「男なら、こんな時こそ堂々としてろ」
鏡サトシ「う、うん……! ありがとう、シンジちゃん」
シンジ「ふん、」
鏡サトシ「えへへ。僕のしってるシンジちゃんは可愛い女の子だけど、こっちのシンジちゃんはかっこよくてきれいな女の子なんだね!」
シンジ「!!?!?」

セレナ(はぁ……泣き虫なサトシも可愛い……。そしてシンジうらやま)
ユリーカ(何かこっちのサトシと違い過ぎて違和感が凄いなぁ……)
シトロン(どこの世界でもサトシはたらしなんですね……)
サトシ(何であいつシンジ口説いてんの、話聞く限りじゃそっちにもシンジいるんだろ、そのシンジは俺のだっての、シンジに手を出すっていうんならたとえ俺でも許さない)



☆オーロット回

サトシ「凄いぜ、ケロマツ! ピカチュウを助けてくれてありがとな!」
ケロマツ「ケッロ!」
シンジ(秘伝マシンとは何だったのか……)


・サトシさんを誘拐なんて無謀な挑戦

シトロン「森を荒らす人間を食べてしまうんです!」
セレナ「サトシが食べられちゃう!?」
シンジ(むしろ仲良くなって戻ってきそうで怖いな……)


・知ってたのね

サトシ「ルチャブル、オーロットはゴーストタイプを持ってる! ゴーストタイプに格闘タイプの技は効かないんだ!」
ルチャブル「ルチャ!?」

シンジ「お前、知ってたんだな・・・」
サトシ「シンジ、それどういう意味?」


・さすがっすね……

シンジ「よかったな、ウソハチたちを助けられて」
サトシ「ああ!」
シンジ「ところで、サトシ」
サトシ「ん?」
シンジ「何でボロボロなんだ?」
サトシ「うぐっ……!(技を受け止めたから、なんて言えない……)」




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