2人のみこ
『シンオウでの旅では厳しく当たっていたが、今回は随分甘やかしていたな』
ルギアが表の世界をのぞくシンジの隣に座りこむ。
シンジはサトシの笑顔から目をそらさず、ルギアの声に返答した。
「厳しいばかりでは、あいつは成長しないだろう?」
『お前は飴と鞭の使い方がうまいなぁ』
感心したようなルギアの声に、シンジが口元をほころばせる。
まるで父親が娘を褒めるようなそれに、胸が暖かくなる。
「・・・サトシは、もう大丈夫だろうか、」
『ああ。きっと、お前のおかげで』
「・・・そうか、」
裏側の世界にまで届いたサトシの笑い声に、シンジも口元をほころばせ、抑えきれないというような、優しい笑みを受けべた。
「早く、カロスの旅がしたいな・・・」
そう言って笑ったシンジに、神々も満面の笑みを浮かべた。
(君たちの笑顔が、僕たちの力になる)