初恋フィルター 番外編






椿が悟、硝子、傑を招待しました。
椿が虎杖、釘崎、伏黒を招待しました。

悟が参加しました。
硝子が参加しました。
傑が参加しました。

椿:よかった、繋がったようだな
椿:緊急事態が発生した
椿:誰か助けて欲しい

悟:緊急事態って何? 何があったのか詳しく教えてくれる?
硝子:あ? あんた、さっき高専出たところじゃん
硝子:1時間も経たないうちにトラブルに巻き込まれるとか何事?
傑:椿はトラブルに巻き込まれないと日々を過ごせないのか?
傑:よりによって私が京都校で臨時講師やってるときにトラブルに巻き込まれるんじゃない

椿:すまない
椿:××さんと○○さんに家に送って貰っている途中で、「ぽぽっ」「ぽっ」という妙な音が聞こえてな
椿:車窓を見たら、私より上背のありそうな女性が車と併走していたんだ

硝子:おいおいおいおい
傑:おま、お前えええええええええええ!!!
悟:それってさぁ……

椿:ああ、八尺様だろうな
椿:これは拙いなと思って××さんに声を掛けようとしたんだが、その前に彼が気付いてくれたんだ
椿:それで、○○さんにスピードを上げるように指示してくれて、八尺様を振り切ろうとしたんだ
椿:まぁ、そんなもので振り切れる相手ではなかったんだが

虎杖が参加しました。
釘崎が参加しました。

椿:それで、私を囮にしたかったんだろうな
椿:いきなりドアを開けられて、走行中の車から蹴り出されてしまったんだ
椿:「餌だぞ」「そっち食いつけ」と叫んでたから、確かだと思う

悟:は?
硝子:は?
虎杖:は?
釘崎:は?
傑:は?

椿:君達打ち合わせでもしたのか?

悟:椿、怪我してるでしょ? 大丈夫?
硝子:どこに痛みがある? 頭は打ってないな?

椿:きちんと受け身を取れたから、頭を打ったりはしていない
椿:多少の打撲と擦り傷程度だよ
椿:ただ肘と膝をぶつけてしまったから、そこが痛いかな

釘崎:打ち合わせなんてしてないわよ
釘崎:てか何
釘崎:走行中の車から蹴り出された???
悟:何で僕いま四国にいるの……!!!??
悟:でも、××が椿を蹴り出した?
悟:あり得ない
悟:椿、そいつらに違和感とか感じなかった?
虎杖:待って待って待って
虎杖:全然意味分かんないんだけど!?
硝子:こっちも話聞き始めたところだよ
傑:帰宅途中で八尺様に追い掛けられて囮に使われた、というところまで説明を受けたところだよ
傑:私も××と○○を知っているけれど、その対応には違和感しかないな

椿:私は二人に会ったのは初めてだったんだけど、二人とも妙にピリピリしていたような気がしたな
椿:呪詛師の襲撃を警戒していたのかと思っていたんだが、もしかしたら偽物だったのかもしれない
椿:だから呪霊と遭遇したときに簡単に切り捨てられたんだろうな

悟:椿は自分の直感をもっと信じて良いよ
悟:9割以上当たってるから
釘崎:てか、こんな悠長にしてて大丈夫なわけ?
虎杖:それ!
虎杖:八尺様どうなったの???

椿:八尺様は男性を狙うとされているから、私には見向きもせずに、そのまま車の方を追い掛けていったよ

硝子:怪我損じゃん
悟:とりあえずその偽物が生きてたら僕が捻じ切るね
傑:ところで、緊急事態について語られていないね?
傑:まだ何かあるんだろう?

椿:ああ、ここからが本題だ
椿:とりあえず、怪我もしているし高専に戻ろうと思って歩いていたんだけど、歩いても歩いても見覚えのないバス停か向こうの見えないトンネルに出てしまってな
椿:どうしたものかと困っていたんだ

虎杖:困ってる人の反応じゃないよ、椿さん!!!
虎杖:あと、そのトンネルは絶対ヤバいやつ!!!
傑:トンネルがヤバいのはそうだろうね
傑:でもバス停もよくない
傑:というかお前、まさかバス停に留まってるんじゃないだろうな???

椿:トンネルよりマシだろうと思って、バス停にいるよ
椿:トンネルはどうやら犬鳴村に続くトンネルのようだし

釘崎:ヤバいやつ!!!
悟:ちょっと本気出して高専帰るから、あんまり返事できないかも
傑:何でそんなヤバいやつのオンパレードなんだ
傑:私も高専に向かうから、無茶なことするなよ
虎杖:俺らも高専の周囲探しに行くから!
釘崎:バス停の特徴を教えて
硝子:私も行くわ

椿:悟達と合流してからにしてくれ
椿:4分ごとにバスが来るのだけれど、乗車している客が猿なんだよな
椿:おそらく猿夢も混じっているのだろう
椿:ちなみに行き先は挽肉、活け作り、きさらぎ駅の三つしかない

虎杖:何で!!!??
釘崎:本当に勘弁して
釘崎:それ全部特級案件でしょ
硝子:何? 特級を一カ所に集めて蠱毒でもやってんの???

椿:蠱毒なら殺し合わせたり、喰らい合わせないといけないのでは?
椿:それにしても、呪霊ってあんな感じなんだな
椿:初めて見たから驚いたよ

釘崎:あんた、反応それで合ってる?
虎杖:絶対間違ってると思う!
硝子:あんたにこんなことを言うことになるとは思わなかった
硝子:ちゃんと人の心装備しろ
硝子:基本装備だろ

伏黒が参加しました。

椿:酷いな
椿:お、伏黒くん

硝子:そう言えば参加してなかったな
釘崎:あんた気付くの遅いわよ!
虎杖:伏黒、椿さんがヤバいのに巻き込まれたっぽい!
伏黒:は? 椿さん!?
伏黒:××さんと○○さんが誰かに襲われて、今まで気を失ってたって高専に駆け込んできたんです
伏黒:椿さん、今どこにいるんですか!?
虎杖:おっと???
釘崎:やっぱ偽物だったのね……

椿:二人は無事だろうか?
椿:悟と夏油が迎えに来てくれるというし、私は無事だから安心してくれ

伏黒:ちょっと怪我はしてますけど、二人とも無事です
伏黒:その二人が駆けつけなきゃならない事態に巻き込まれてるんですね、把握しました
伏黒:虎杖、釘崎、詳しい説明頼む

虎杖:流石伏黒、把握が早い
釘崎:××さんと○○さんの偽物に誘拐される
釘崎:その途中で八尺様に遭遇
釘崎:囮に使われて車から蹴り出される
釘崎:特級相当の呪霊がいっぱいのバス停で迎えを待ってる
虎杖:ちなみに今確認されてんのは八尺様、犬鳴村、猿夢、きさらぎ駅ね!
虎杖:意味分かんないよね、俺らも分かってねぇから大丈夫だよ
伏黒:意味分かんねぇのは俺の理解力が足りねぇからじゃねぇんだな
伏黒:つか、椿さんはそんな特級がパレードしてるようなバス停で待ってるんですか?
伏黒:あんたのメンタルどうなってんだ???

椿:思ったよりちゃんとした形をしているから、そこまでの恐怖はないかな
椿:こちらが動かなければ向こうは何も出来ないようだし

硝子:あんたのメンタル見習いて~~~!!!
硝子:これ、特級二人が全力で助けに向かうレベルの案件だからな???
硝子:それだけはしっかりと頭に入れておけよ???

椿:心配してくれてありがとう
椿:しかし、こう並べてみると、統一性のないラインナップだな
椿:一つ一つが独立しているわけでもなく混じり合っているし、“都市伝説”そのものが呪霊化したのだろうか
椿:お、バスの行き先に犬鳴村が増えた

釘崎:呑気か???
虎杖:椿さん、もうちょい慌てよ???
硝子:特級仮想怨霊“都市伝説”?
硝子:厄介すぎて災害レベルなんだが???

椿:特級二人が駆けつけてくれるというから安心してしまって、あまり真剣に事態を深刻に捉えられないというか
椿:呪霊関係なら私に出来ることは無いしな

伏黒:まぁ、そうなんですけど
伏黒:もうちょっとこう……トラブルに巻き込まれた人相応の態度でいてください
釘崎:それどんな態度?
釘崎:言わんとしてることは分かるけど

悟:椿~! 傑と合流したよ~!
悟:もうすぐ着くから安心してね!
傑:まぁ、錯乱状態よりはずっといいよね
傑:そもそも取り乱す椿が想像できないし

椿:ああ、頼もしいな
椿:大人しく待っているから、よろしく頼む

悟:まっかせて! 僕たち二人で勝てないやつなんていないから!
傑:ふふ、私達は最強だからね
傑:大船に乗ったつもりで待っていてよ


***


椿:二人が呪霊を倒してくれたよ

悟:いえーい! 大勝利!!
傑:どうやら都市伝説に対する恐怖が呪霊化したものだったようだよ
傑:取り込もうかとも思ったけど、きちんと祓ったから安心してね

硝子:おー、無事だったか
硝子:一端こっちに帰ってきな、治療するから
虎杖:よかった! でも、怪我してるんでしょ?
悟:そうなんだよ! 顔とか擦りむいてて痛そうなんだよ!
悟:すぐ高専に帰るから硝子よろしく!
伏黒:ところで、偽物はどうなったんですか?
伏黒:そっちもどうにかしないと一件落着とはいかないでしょ

傑:ああ、そっちね
傑:死んでたよ、二人とも
釘崎:あちゃあ……
釘崎:じゃあ、誰が黒幕か分からないじゃない
悟:大丈夫だよ、ある程度の予想はついてるから
傑:椿を高専に送ったらそっちも潰しに行くから
傑:悠仁達、私達が帰ってくるまで椿と一緒に居てあげてくれないかな?

虎杖:いいよ!
釘崎:女の顔に傷を付けるなんて許せないわ
釘崎:ボコボコにしてきて、顔を中心に
伏黒:構いませんよ
伏黒:××さん達も心配してましたし、顔見たら安心すると思うんで
伏黒:釘崎は落ち着け

椿:二人も怪我しているんだっけ
椿:××さん達に巻き込んでしまったことを謝らないとなぁ

硝子:二人とも治療済みだから大丈夫だよ
虎杖:椿さんのせいじゃないよ!
伏黒:二人も椿さんのせいじゃないって言ってます
伏黒:そもそも悪いのは五条先生に嫌がらせするために非術師を人質にしなきゃいけないような奴らなんで
釘崎:それな

椿:ありがとう
椿:次は騙されないように気を付けるよ

悟:んじゃ、そっち帰るから
悟:医務室向かうから硝子は準備しておいてね
硝子:おう、任せろ




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