初恋フィルター 番外編






学生時代。
付き合いたて。


椿「…………なぁ、一つ聞きたいんだが」
五条「うん、なぁに?」
椿「私の手なんか触って楽しいのか? 剣道をしているから、結構ゴツゴツしていると思うんだが。それに加えて家事もするから、ガサガサで触り心地も良くないだろう?」
五条「…………楽しい、とは違うかな。でも、ずっと触りたかったっていうか、触っていい立場になったから、触っとこうと思って………」
椿「なるほど。確かに家族や恋人でもない異性に無闇に触れるものではないものな。そう言う事なら、私も君に触れて良いだろうか?」
五条「お゛ぅっ!? い、良いよ!!?」
椿「ありがとう。………君は肌も綺麗だなぁ」
五条「んぎぃ……。あ、ありがとう………」


***


学生時代
雨に濡れて下着が透けてるネタ。


五条「さ、清庭さん、これ着て! 傑にガン見されるから!!」
夏油「人聞きが悪いな。どう指摘したものか悩んでただけだよ」
五条「おっまえ、よくもまぁ堂々と……!」
椿「ああ、すまない。言いにくかったろうに、教えてくれてありがとう」
五条「いや、そんだけ!? もっと怒っていいと思うけど!?」
夏油「私が言うのもなんだけど、ビンタ一発。最低でも文句の一つは言われると思ってたよ」
椿「恥ずかしくない訳ではないけれど、直接裸を見られた訳でもなし、文句なんて言わないさ。そもそも不可抗力だし、きちんと指摘してくれた訳だしな」
五条「…………俺らが男だって、忘れてない?」
椿「いや? でも、君達は無闇に人を傷付ける人間ではないと知っているから」


全幅の信頼を寄せられたら、その気持ちを裏切りたくないと思わせる。
だから、椿の信頼する自分達で在るしかない。


***


学生時代


五条「さ、清庭さんに言われたら嬉しいよ!」
椿「こら、あまりそう言うことを言うんじゃない。勘違いされてしまうぞ」
五条(清庭さんになら勘違いされたい!!! そもそも勘違いじゃないけど!!!!!)


何を書こうとしたか忘れてしまったネタ。
思い出したら書こうと思います。


***


結婚後。
子供居るネタ。


紫苑「生まれてきた時たくさん泣いてたのはね。パパとママのところに来られたことを泣いて喜んでたんだよ」
椿「…………そっか。それだけ、嬉しいって思ってくれたんだ」
紫苑「うん! パパもママもだーいすき!」
椿「私も二人が大好きだよ」

五条「ってやり取りを二人がしてて、思わず録音しちゃったよね」
七海「最後の一言がなければいい話だったんですがね」
灰原「相変わらずヤバいですね、五条さん!」
五条「いい話でしょ! てかヤバくないし!」
七海「きちんと本人に録音を残しておく許可は取りましたか?」
五条「もっちろん! 椿に嫌われたくないからね!」
灰原「それにしても、五条さんは愛されてますね!」
五条「そうなんだよ! 僕、めっちゃ愛されてんの! 僕、“椿と結婚できてよかったー!”、“紫苑のパパになれてよかったー!”って号泣しちゃった。椿も紫苑もかわいすぎて生きるのが幸せ」
七海「それはよかったですね」
灰原「五条さん達が幸せなら何よりです!」


***


結婚後。


椿「君、一人で完成されているようでいて、全然そんなことないよな。一人で生きていけなさそうだ」
五条「僕は椿がいなきゃ生きていけないよ? 責任取ってずっと一緒に居てね」
椿「それはもちろん」
五条「てか、椿は? 椿は僕がいなくなっても生きていけるの?」
椿「私? 私は全然駄目だ。一人でなんて生きていけない」
五条「そうなの? 僕としては僕無しで生きていけないっていうのは嬉しいけど、何か意外だな」
椿「いや、生きてはいける。けれど、心が先に死んでいく」
五条「それは、嫌だな………」
椿「ああ。だから、君には長生きして貰わないといけないんだ」
五条「大丈夫、僕最強だから! おじいちゃんとおばあちゃんになっても一緒に居ようね!」
椿「そうだな。そうなれるように頑張らないと」


***


結婚後。


釘崎「あん? あんた、バッチバチにお高いスーツで決めてどうしたのよ」
虎杖「ガチガチに緊張してるみたいだけど、先生、大丈夫?」
五条「ああ、うん……。今から椿とデートなんだよ」
伏黒「……あんた、結婚何年目でしたっけ?」
五条「好きな子とのデートだよ!? 何年経っても緊張するから!!」
虎杖「まだまだ新婚さんか~。先生、ホントに椿さんが大好きだね!」
五条「一生大好きでいる自信あるよ!」
釘崎「あんたのそういうところだけは尊敬するわ……」
伏黒「あんたと一緒に居られる人なんてあの人くらいしかいないんだから、大事にしろよ」
五条「あったり前じゃん! あ、そろそろ時間だから行ってくるね!」
虎杖「いってらっしゃーい!」


***


結婚後。


釘崎「そう言えば、先生って椿さんを溺愛してるわよね。外出するときなんて護衛まで付けてるんでしょ?」
伏黒「あの人は五条先生の弱点だと思われてるからな。保守派の上層部とか、五条先生を失墜させたい奴に狙われてるんだ」
虎杖「あー、なるほどね」
釘崎「あいつ、恨み買いすぎじゃない?」
虎杖「……ん? 弱点だと思われてる???」
釘崎「あん? 含みのある言い方ね」
伏黒「ああ。あの人は弱点っていうより、急所であり逆鱗だ。あの人に何かあったら、五条先生は簡単に日本を転覆させる」
虎杖「ひえっ」
釘崎「国家転覆が軽すぎるわよ」
伏黒「ガチでやべぇなって事態になった事は何回かあったんだが、特にヤバかったのが椿さんがガチ泣きしたときと、椿さんに危害を加えられたときだな」
虎杖「そんな馬鹿いんの???」
伏黒「俺はその場には居なかったんだが、五条先生に嫌がらせするために椿さんの誘拐未遂が起こした奴が居てな。そのときに家入さんに貰ったプレゼントを壊されたとかで、椿さんが泣いちまったらしくて……。それを見て五条先生がブチ切れたんだ」
釘崎「うわ、最低。あいつに嫌がらせしたいなら、本人に直接やんなさいよ。椿さんを巻き込むんじゃないっての!」
虎杖「そりゃ、お嫁さん泣かされたら怒るよね……」
釘崎「で、先生は何したわけ?」
伏黒「そんで誘拐未遂起こした奴を特定して、そいつの足下に“茈“かまして、地面に大穴開けた」
虎杖「よく殺さなかったね!!?」
釘崎「あいつが環境破壊だけで許すとは思えないんだけど???」
伏黒「まぁ、四肢をねじ切られて達磨にはしてたらしいが……。椿さんが怒りと悲しみでぐちゃぐちゃに泣きながら“自分も一発殴りたい”って言ったから殺さなかったらしい」
虎杖「あの人でも流石に殴りたいとか思うんだ……」
釘崎「むしろ殴るだけで済ませる案件じゃないでしょ。私なら“簪”ぶち込んでるわよ」
伏黒「椿さんも人間だからな」
虎杖「たまに人間味薄いなぁって思うときあるけどな」
釘崎「まぁ、分からんでもないわね」
伏黒「でもあの人、本当に色々と向いてないなって思った出来事でもあったな。殴ったあとの第一声が“虚しい”だったらしいから」
虎杖「そっか……。あの人にとって暴力での解決は虚しいものなんだ………」
釘崎「何て言うか、本当に日の当たる場所で過ごして欲しい人ね………」


***


結婚後。


家入「五条は椿の前だと猫被ってるからね。知り合って数年くらい経ってから“悟って結構いじわるな性格なのでは?”ってすごい発見したような顔で言われたときには、ほんっとうにどうしたもんかと……」
釘崎「うわぁ……。あいつと出会って数年を経てようやく? どんだけ猫被ってんのよ……」
家入「いやもう、“私が守らねば……!“って気分に陥ったよ……」
釘崎「それはそう言う心持ちにもなりますよね……」
五条「何それ~! いじわるって言い方かわいい! その話詳しく!」
「「どっから出てきたお前」」


***


結婚後。


家入「五条お前……。アドレスの登録名、意外と普通なんだな」
五条「え? 何が?」
家入「いや、お前のことだから“僕のお嫁さん”とか登録してそうだなって思ってて。流石にそこまで狂ってなかったか」
五条「いやぁ、最初は“かわいいお嫁さん♡”とか“僕の椿♡”にしようかなって思ってたんだけど……。“五条椿”っていう字面が嬉しすぎてさぁ………」
家入「やっぱ頭イってたか……」


***


結婚後。


椿「私、昔は悟のことを寡黙な人だと思ってたんだよな」
伏黒「え? あの人を???」
釘崎「ないないない。あり得ない。あいつ余計なことしか言わないわよ」
虎杖「なんでそんな風に思ったの?」
椿「あんまりおしゃべりするイメージがなくて……。私達が話しているのを黙って聞いていて、たまに質問を投げかけてくる感じだったんだよな」
釘崎「え? それ、マジ???」
家入「ああ、それ? 五条が椿相手に緊張して話せなかっただけだよ」
伏黒「あの人、緊張して話せなくなるなんてことあるんですか!?」
虎杖「い、イメージ湧かね~!」
椿「え、そうだったのか? 今は慣れたと言うことだろうか……」
家入「いや、どうだろうね。脈でも測ってきたら分かるんじゃない?」
椿「え? 脈?」
釘崎「………………マジ?」
伏黒「マジか………」
虎杖「え? なになに? どういうこと?」
椿「とりあえず、脈を測ってくればいいんだな? ちょっと行ってくる」

椿「悟、いま空いてるかな?」
五条「なぁに、椿。どうしたの?」
椿「ちょっと手を貸してほしいんだ」
五条「なになに? 僕に出来ることなら何でもするよ~!」
椿「ありがとう。なら、手を握らせて欲しい」
五条「え? 手を? そんなの全然いいけど……。何かあったの?」
椿「ちょっと知りたいことがあって……。って、え………?」
五条「椿?」
椿「いや、脈早くないか。え、待ってくれ。これ、大丈夫なのか……!?」
五条「え~? 椿と一緒に居るときはこんなもんだよ?」
椿「ま、マジか……」
五条「なに? 脈を測りたかったの?」
椿「硝子が、悟の脈を測ったら、知りたいことが知れると……。え、ええ……?」
五条「珍しくガチで困惑してるじゃん。何が知りたかったの?」
椿「学生時代の君は、あまり話をするイメージがなかったんだ。それを口にしたら、君が私に緊張していて話せていなかっただけだと……」
五条「…………」
椿「それで、今は慣れたのかと思ったんだが、硝子に脈を測ってきたら分かると……」
五条「あー……、なるほどね……」
椿「え……? 今も緊張するのか……?」
五条「当たり前じゃん。僕にとって椿は結婚したっていつまでも好きな人なんだから」

椿「悟の脈を測ってきたんだが……」
家入「おう、どうだった?」
椿「め、めちゃくちゃ速かった……。あれは大丈夫なのか……?」
家入「大丈夫だろ。緊張してるだけなんだし」
椿「そ、それは彼にも言われたけど……。病気とかではないんだよな……?」
家入「病気だったら速攻治すだろ。あんたと少しでも一緒に生きていきたいんだから」
椿「………それもそうか」
釘崎「それで納得するんかい!」
椿「まぁ、事実だからな」
虎杖「愛されてる自覚あるって強いな~」
伏黒「まぁ、あの溺愛ぶりで“自分は愛されていない”なんて思えるわけねぇよな」




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