審神者と呪いの世界






・五条悟の娘
青年誌な呪術廻戦ならありそうな話。
五条の精子を保存しておいて、良さげな女性に受精させる。
その結果、椿が産まれる。

少し前から五条悟の子供の話が噂になってて、それが補助監督から虎杖達の耳にも入る。
憶測も酷くなってきて、元を絶とうと五条が調べてみたら実家が勝手に作ってた。
ちなみに母親は殺されてる。



***



五条「ねぇ、聞いて。僕に娘が居たんだけど」
伏黒「責任取れ」
釘崎「認知しろ」
虎杖「先生、それは流石にまずいと思う!」
伏黒「っていうか、あの噂ってマジだったのかよ」
釘崎「最低ね」
五条「最後まで聞いて。僕、この子の母親とは面識すらないんだよ」
伏黒「は?」
釘崎「は?」
虎杖「は?」
五条「なんか、五条家が僕の精子をどっかから採取して、勝手に作ったっぽい」
伏黒「御三家の倫理観死んでんのか???」
虎杖「マジでさぁ! 前々から思ってたけど、呪術界さぁ!!!」
釘崎「最悪ね」
椿「………………あの、」
五条「ああ、ごめんね。どうしたの?」
椿「…………私、これからどうすれば……」
五条「あー………」
釘崎「どうするのよ、先生。っていうか母親は?」
五条「母親は死んでた。っていうか殺されてた。で、この子が誘拐されそうになってるところを僕が助けたってわけ」
伏黒「マジですか……」
五条「だから引き取り手が居ないんだよねぇ……。まぁ、母親も五条の息がかかってた女だし、生きてても返せなかったけど」

五条「五条家に渡すと碌な事にならないし、かと言って手放せば他の御三家や呪術師の一族が引き取りたがるだろうし……」
虎杖「先生が引き取るのは難しいの?」
釘崎「馬鹿。勝手に作られてた子をいきなり自分の子として育てろってのも無理な話でしょ」
伏黒「そもそも先生自身が忙し過ぎて、子育てなんて出来ねぇだろ」
五条「そうなんだよねぇ……」
虎杖「えーっと、椿ちゃんだっけ? 椿ちゃんはどうしたいー……って、分かんないか……」
釘崎「まだ2歳か3歳くらいよね? むしろこんだけ大人しいのが奇跡なくらいよ。普通なら泣き叫んでてもおかしくないわ」
伏黒「確かに。っていうか、このくらいの年齢なら、死の概念すら分からないくらいだろ」
虎杖「……もしかして、母親の死について、理解してない?」
椿「………………お母さんが、居なくなったのは分かってます」
虎杖「あ、そ、そっか……」
椿「五条のお家にも、もう行きたくないです。あそこは、気持ち悪い」
五条「分かるー。嫌な場所だよねぇ」
椿「それもあるけど、」
釘崎「けど?」
椿「私、まだ死にたくない」
五条「…………そっか」

五条「ぃよーし! 今日から僕が君のパパだ!」
伏黒「先生!?」
五条「勝手に作られてた子とは言え、僕と血が繋がってるんだ。その事実は変わらない。どこに逃がしても、必ず五条家や他の呪術師一族が見つけ出す。だったら、僕の手元に置いておくのが一番安全だ」
虎杖「それは、そうだけど……」
五条「それに、この子には術式が刻まれている」
伏黒「っ!!」
五条「加えて、この子は女の子だ。どこの家に渡っても、そういう事に使われるのは目に見えている。流石に、自分の子がそんな目に遭うって分かってて、手放すなんて出来ないよ」
椿「…………いい、んですか。私、あなたと会ったの、初めてなのに」
五条「うん、もう決めた」
椿「…………そ、うですか……」
五条「改めて自己紹介しよっか。僕は五条悟。君のパパだよ」
椿「ご、五条、椿です。よろしくお願い、します……」

釘崎「先生に父親なんて出来るのかしら……」
伏黒「っていうか、任務の時どうすんだよ……」
五条「え? 連れてくよ?」
「「「それは駄目だろ!!?!?」」」
五条「え? 何で?」
釘崎「その子まだ幼児よ!? 特級のあんたの任務に連れて行けるわけないでしょーが!!!」
虎杖「そんなちっちゃい子に呪霊見せるのはまずいって! トラウマになっちゃう!!!」
伏黒「やっぱあんた父親向いてねぇよ!!!」
五条「えー? 椿、呪霊怖い?」
椿「人間の方が怖いです」
五条「だってさ」
虎杖「…………その子の過去が垣間見えた気がする……」
伏黒「呪術界ってクソだな」

椿「あの、五条さん」
五条「ん? なぁに、椿」
椿「私、任務一緒に行きます。呪霊なんて怖くない。だから、お嫁さんのところに、置いていかないで」
五条「…………お嫁さん?」
虎杖「えっ、先生、お嫁さんって……」
伏黒「は? あんた結婚してなかったよな?」
五条「…………あー、はいはい。そう言うことね」
釘崎「何一人で納得してんのよ。説明しなさい」
五条「家が勝手に集めてくる見合い相手のことだよ。そういう手合いって、妙に自分に自信があってね。自分が選ばれない訳ないって思ってて、顔も合わせてないのにお嫁さん気取りになってる奴とか居るんだよ。多分、この子が言ってるのはその手合いのこと」
釘崎「うわ………」
虎杖「ひぇぇ……漫画の世界観じゃん……。現実に持ってこないで……」
伏黒「…………呪霊より怖がられるって、何したんだその人達……」
椿「………五条悟のお嫁さんだっていう人が何人も居て、叩いてくるんです。ご飯に薬を混ぜて、食べさせてくるんです」
「「「(絶句)」」」
五条「…………そっか。大丈夫、そんな人達とはもう関わらなくていいようにするから」
椿「…………本当?」
五条「ホントホント! この僕にまっかせなさーい!」



***



五条椿
五条悟の実の娘で5歳の女の子。
発育が悪くてかなり幼く見られる。釘崎に2、3歳だと勘違いされたのはそのため。
刻まれている術式は無下限呪術。
死にたくないという思いで、無下限呪術を発動させたことがある。
けれど六眼がないのでコントロールは出来ない。火事場の馬鹿力で出来ただけ。
また、毒で死にかけたときに無意識に反転術式を使ったこともある。
本人に自覚は無いが、他人に反転術式をかけることも可能。
今後呪術師として働くなら、家入と同じく回復要因として活躍することになる。




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