幸せの捜索願 番外編
姐さんが審神者になって失ったものを呪術廻戦の世界で取り戻す話。
※姐さんに原作知識はないので救済されているキャラとされていないキャラが出てきます。
※原作軸とは別の平行世界という体で書いていますので、公式との齟齬が出るかもしれません。
※ご都合主義万歳と唱えてからお読みください。
原作軸に迷い込んでしまう話。
おしゃべりしておやつ食べてるだけで、特に意味とかはないです。
注意
・捏造過多
・キャラ崩壊
・クロスオーバー
・平和時空?
・ご都合主義
・主人公視点
***
何故、私は高専に居るのだろう。私は今、学校が終わって校門をくぐったところであったはずなのに。
私が気付かないうちに、誰かに術式を掛けられたのだろうか。それとも何かしらの呪具を使用されたのだろうか。
何だか最近、こんな事態を目撃したような気がする。
この場所が私のよく知る世界の高専ならば良い。私がここに来るのはよくある事で、高専側からの許可も降りている。
しかし、この高専がそれとは異なるものだった場合、拘束や尋問は必須だろう。呪術界は子供だからと容赦などしてくれないのだ。
せめて、ここが以前こちらに迷い込んできた五条悟達の居る世界ならば良いのだけれど。
兎にも角にも、私の顔を知る者以外と鉢合わせるのは拙い。侵入者に対して警戒心の強い高専が、この異常事態に気付かない訳がないのだ。敵意が無いと示す為にも、一刻も早く外に出た方がいい。
慌てて走り出すと、背後でドスンという重いものが降ってきたような音がした。足を止めて、そっと振り返る。そこにはパンダが居た。
「え、パンダ………?」
「え? 子供………?」
着ぐるみとか、そういうものではない。より本物に近いものだ。剥製とか、そういうものに見える。
けれど、私を見下ろす視線は、人では無いが人に近いものを感じた。
言葉を理解しているようだし、これも呪霊とか術式の一種なのだろうか、と思案して、ある可能性に辿り着く。
「夜蛾先生の呪骸か………?」
夜蛾の術式は傀儡操術。傀儡に呪力を込めて操作する術式だ。彼の術式を教えてもらう際、彼は自分で作ったぬいぐるみに呪力を込めて操作していると言っていた。
子供である私に分かりやすいようにぬいぐるみと言っていただけで、本当は剥製とか、そう言ったものを作って操作していたのだろう。まさか、会話も可能にするとは思わなかったけれど。
私の言葉に、呆気に取られていたパンダが我に返る。
「………お前、まさみちを知ってんのか」
「あ、はい。でも、一方的に………?」
「一方的に? ……ああ、まさみち、結構有名だもんな。呪術家系の子供なら知ってるか?」
お前、呪術師? と尋ねられ、こくりと頷く。
パンダは困ったように後頭部を掻き、思案するように顎に手をやった。それが妙に人間くさい動作で、やはり人間の生み出したものだな、と改めて理解する。
「呪術師なら高専の入り口を見つけることも出来るし、子供なら気になって入っちまうか? 帰してやりてぇけど、一回悟に見てもらってからの方がいいよなぁ……」
「五条悟さんのこと、ですか?」
「そうそう、五条悟。確か、今日は夕方に顔出すって言ってたし、それまで待てるか?」
「………はい」
高専にパンダがいるのを見たのは初めてのことだ。私の事を知っている夜蛾ならば、自分の術式に私の事を認知させていただろう。それをしていないと言う事は、ここは私の知る世界では無い。以前、異なる世界と交わった事があったけれど、それと同じ現象が、もう一度起きていると言うことだろうか。今度は、私が迷い込むという形で。
あちらとこちらの時間の流れはどうなっているのかと考えて、思わず口籠る。けれど、帰り方が分からないのだから、待つしか無いのが現状だ。
返答に少しのロスを生じさせつつ、素直に頷く。するとパンダはついて来いと言うように手招いた。それに答えて隣に並ぶと、パンダにひょいと抱えられる。
「侵入者確保〜」
おどけたように言って、肩に乗せられる。咄嗟にしがみつくと、ふわりと柔らかい香りが鼻をくすぐった。
「………おひさまのにおい」
「ははっ、お前もあいつと同じ感想かぁ」
あいつって誰だろうと思いつつ、しばらくの間、のそのそと歩くパンダに揺られていた。
すると、少し開けた場所に出て、私もよく知る高専の校舎が目に入った。
「遅かったじゃねぇか、パンダ。って、何だそいつ」
「いくら?」
校舎のそばにある運動場で、ジャージ姿の少年少女が準備運動をしていた。
呪具を携えた眼鏡の少女と、口元を隠した少年の二人。どちらも見たことのない人達で、以前出会った虎杖達の居る世界とも違うのかもしれない、と不安が過ぎる。
咄嗟に胸元に手を当てて、宿儺の指の入ったお守りを確認してほっと息をつく。宿儺が居るなら、多少のトラブルはどうにかなるだろう。
「侵入者だ。確保した」
「侵入者って……。こんな子供が?」
「明太子?」
「呪術師の家系の子供だろうな。高専の入り口を見つけて、気になって入っちまったんだろ」
「あー、なるほどな」
都合の良い解釈をして貰っているので、口を閉じておく。ここが虎杖達の居る世界でないのなら、きっと敵対してしまうだろうから。
「ランドセル背負ってるって事は、小学生か? 嬢ちゃん名前なんて言うんだ?」
「伏黒椿です」
「伏黒ぉ?」
「高菜?」
名前を名乗ると、少女が片眉を跳ね上げた。これはもしかすると、と希望が見えて来る。
というか、もう一人の少年は、何故食べ物の名前ばかり話すのだろう。
「あ、ヤバ! 先輩達もう揃ってる!」
「すいません、遅くなりました」
パタパタと、聞き覚えのある声と共にこちらに駆け寄ってくる足音が聞こえた。見れば、ほんの少し前に別れた顔ぶれが揃っている。
彼等も私の存在に気付いたのか、ポカンと口を開けて驚愕を露わにしていた。
「おっせぇぞ、一年! って、どうしたお前ら」
「こいつに驚いてんのか?」
つんつん、と頬をつつかれる。
見覚えのある顔ぶれこと虎杖達三人組が、お互いの顔に見合わせて、再度私に視線を向ける。ひらりと手を振ると、三人は揃って絶叫した。
