幸せの捜索願 番外編






「私の領域展開について聞きたいって?」
「もちろん構わないよ」
「え? そんなあっさりと教えて良いのかって?」
「ああ。私の領域は入ったら終わりだからな。領域の押し合いに勝った時点で私の勝利となる」

「私の術式は『神格付与』。その名の通り、神の格を与える力だ」
「その術式の神髄たる領域展開。その極致は私自身に神の格を与えること」
「つまり、私の領域展開は、“私が神に成る世界”ということだ」

「“神に成る”など、大層な謳い文句に聞こえるだろうが、大したことは出来ないんだ」
「私の領域は、領域展開の旨味が何もない。能力が向上することも、攻撃の必中効果も無い」
「では何の効果があるのか。それは“お互いに不可侵、不介入”だ」
「神というものは基本的にそういうものだろう? だから、神に成った私は相手に攻撃することはもちろん、関わることすら出来ないんだ」

「このような領域でどのように勝つのか?」
「これは五条さんや宿儺にすら“えげつない”と言われたから、あまり言いたくないのだけれど……」

「“五億年ボタン”という話を知っているか?」




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